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記憶の原点

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 実際には。戻ってくるためには、自分がある程度の意識を取り戻した時、
「守護霊が現れ。魔法の国に連れて帰ってもらえる」
 ということになっている。
 しかし、魔法使いであるということがバレたことで、
「致し方なかったことだ」
 ということで、
「究極の選択」
 となったのだ。
 可憐は最悪の場合を選択したということであろうか?
 それを考えていると、この、
「教育の一環」
 というものに、疑問が出てきたのだ。
 このまま苦しむと思われた時、今まで自分の両親だったはずの人が、無意識にだが、
「この子、うちに連れて帰ろうか?」
 といって、いつものいとおしい表情を浮かべている。
 可憐は自分が、犬になっているのを感じた。
「犬は、生きても15年くらいが寿命」
 と言われている。
 それでも、可憐は、
「両親と、これから一緒にいられることの嬉しさ」
 を感じていたのだ。
「そう、私は、両親よりも先に死ねるんだ」
 ということを、悦びとして、両親に連れられて、家に帰ってきたのだった……。

                 (  完  )

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作品名:記憶の原点 作家名:森本晃次