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自己バーナム

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 日下部は、テレクラというものを利用したことも確かにあり、電話での、
「交渉」
 で、待ち合わせ場所を決めて、
「会おう」
 ということになったが、実際に逢ったことはなかった。
 そのほとんどは、
「相手が現れない」
 ということであった。
 何しろ、電話で待ち合わせを決めて、ある程度の服装などの特徴を相手が聞いてきているだけで、相手は、ほとんど自分の特徴をいう人はいなかった。
 だから、女の方から男を見つけることはできるが、逆の方からというのは、
「ほぼ、無理だ」
 ということである。
 だから待ち合わせ場所において、
「相手が現れない」
 などというのは、結構あることのようだ。
 ただ、それも判断が難しい。
 というのは、女の方とすれば、いくらタダとはいえ、勇気を出して電話をしてくるのは、ただの冷やかしではない。
 基本的にテレクラへの電話というのは、街でやっているティッシュ配りの人からもらったティッシュの中に入っている電話番号がフリーダイヤルになっているので、女性側はタダなのだ。
 しかし、さすがに、
「どんなやつがいるか分からない」
 というところで掛けてきて、待ち合わせまでするのだから、目的は、完全に決まっている。
 もちろん、中には、暇つぶしのようなやつもいて、そんな連中は、
「話ができればいい」
 という程度の人もいる。
 そして時間帯によって、どんな人が掛けてくるのか?
 というのも、統計が取れていたりするだろう。
 午前中は、どうしても、主婦の人が多い。そして、午後は主婦に加えて、女子大生などが多いだろう。夕方以降はOLなどが多いといってもいい。
 もちろん、金に困っているのだから、無職の人もまんべんなく含まれているはずであり、そのほとんどは、
「身体の関係」
 によって、
「収入を得る」
 ということをしている人だろう。
「需要があるから供給がある」
 そして、その需要と供給という場所を結んでいるのが、
「テレクラ」
 という場所なんだということである。
 場所を提供することで、テレクラは、収入を得ている。当時は、ネットによる、
「出会い系のメール」
 というのも、流行っていたので、電話が掛かってこない時は、そのメールを携帯電話で、連絡を取り合っている人もいただろう。
 もちろん、テレクラが出てきて、最初の全盛期というのは、そんなインターネットというのも普及する前だったので、そんなものもなかった。
 電話も、もっとたくさん掛かってきていたのかも知れない。
 テレクラのシステムとしては、いろいろあった。
 電話がすべての部屋にあり、通話中の人以外の電話が一斉に鳴って、
「先着で取る」
 という方式をとっているところが多かったのかも知れない。
 ドラマなどでは、急いで取るという場面が描かれていたので、そういうのが、一番多かったのではないだろうか?
 逆に、部屋番号順に掛かるというのもある。こうしておけば、急いで取る必要もなく、少し話をして、合わなければ、電話を切ることになり、次の人に掛かる。これは、掛けてきた人も、何人とも話せるという利点があるのだろうが、主流でなかったのは、相手に話させるということからではないだろうか?
 テレクラというのは、そういう感じが主流だったが、今ではほとんど見なくなった。そもそも、
「テレクラというのは、風俗関係なのか?」
 あるいは、
「風俗であるとすれば、どれに分類されるのか?」
 ということが、難しかったりする。
 特に、風営法で定められている範囲は、結構広い、
「特殊性風俗」
 と呼ばれるものは当然のこととして、それ以外にも、酒類を提供する飲食店。
 これも幅が広い。
 居酒屋、炉端焼き関係から、特殊性風俗に近いのではないかと思うような、最近ではあまり見なくなったが、
「ピンサロ」
 であったり、定番といえるような、
「キャバクラ」
 のようなところも、立派な性風俗である。
 さらに、ギャンブル関係の、公営ギャンブルなども、その一つであったり、ゲームセンターや、カラオケなどという、
「遊戯場」
 と呼ばれるところも、風俗業である。
 さらに難しいところとして、勘違いされやすいのは、
「パチンコ。パチスロ業界」
 である。

                 自粛警察

 これらの業界は、基本的には、
「遊戯場」
 に分類される。
「ギャンブル」
 ではないのだ。
 これは、実は
「三店方式」
 という方法が用いられているのだ。
「パチンコ業界が、なぜ、ギャンブルではないのか? 現金と交換しているではないか?」
 という人は多いだろう。
 しかし、これには、カラクリがあるのだ。
「球がある程度出たところで、計測器で球の数を数えてもらい、そこで、玉の数を計測したレシートを貰う。それを、受付カウンターに持っていくと、そこで、景品に変えてくれる」
 というのがまず第一段階。
 景品に変えてもらう時、後ろの棚に並んでいる普通の景品に変えてもらう分には、何ら問題はない。つまり、人形であったり、タバコや、チューイングガムなどと言った、本当の景品との交換である。
 そういえば、昔のドラマ、昭和の頃などは、紙袋に、お菓子や缶詰などと言ったものを、いっぱい抱えて、家に帰っているシーンを見たことがあるだろう。
 その時代は、
「現金よりも、物資」
 の方がよかったのだろう。
「どうせ、現金を貰っても、結局は買い物にいけば、生活必需品に変わるのだから」
 ということであった。
 しかし、今はそんなことはない。
 現金を貰ったからといって、生活必需品に変わるというのは、果たしてあるだろうか?
 特に最近では、ネットスーパーなどのように、通販のような形にすれば、現金なしで買い物ができる。
 だから、何も、重たい食料品などをわざわざ下げて帰ることもないのだ。
 そんなことを考えれば、結果として、
「現金に換えてしまう方が一番いい」
 ということになるだろう。
 さて、景品の中には、
「現金交換用」
 の景品というものがある。
 その景品を持って、景品交換所に行くことになるのだが、ここが問題であった。
 というのは、この景品交換所というのは、
「パチンコ屋とは、別の会社」
 というのが基本である。
 つまり、
「景品交換所」
 というのは、別会社であって、別会社であるがゆえに、ここで、パチンコ屋というものが、
「現金とは関係ない」
 ということになり、
「ギャンブルではない」
 ということになるのだ。
 だから、パチンコで、
「勝った人」
 が、受付で、景品に交換してもらった時、
「これどこで交換してもらえばいいのか?」
 ということを聴くと、教えてくれるところもあれば、
「教えられない」
 というところもあった。
 そのあたりが難しいところなのかも知れない。
 何しろ、パチンコ屋の敷地内とは別に作る必要があるからだ。
 主旨や理由は違うが、
「昔は、病院の中に、薬局があり、そこで薬を調合してもらい、そこで薬を貰って、会計は一緒に」
 ということであったが、今であれば、
作品名:自己バーナム 作家名:森本晃次