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記憶喪失の悲劇

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 と呼ばれていたあの会社だって、ほとんどのタバコが売れなくなり、全国にあったほとんどの工場を閉鎖したりして、結局、何とか細々とやっているわけで、もういまさら、タバコで金がとれる時代ではないということである。
 それを思えば、
「今の時代ともなると、完全に、タバコをなくしたとしてもいいくらいのところまで来ているのだから、これを機会に、一気になくすくらいしなければ、何事も中途半端に終わってしまい、恥にも棒にもかからなくなる」
 ということになるだろう。
 そんなタバコを吸う習慣など、なくなればいいというのは、まあ、少し乱暴ではあるが、
「結局、乱暴であっても、やってしまうと、それが結局よかった」
 ということになるのは、今までの歴史が証明している。
 ただ、それは、
「悪しき遺産だ」
 ともいわれるかも知れないが、これを一種の、
「必要悪ではないか?」
 とも考えられるのだ。
 そういう意味で、風俗業界というのも、人によっては、
「撲滅すればいい」
 という人もいるかも知れない。
 確かに昔のような、暗いイメージが漂っていれば、世間から、あまりいいイメージで考えられないだろう。
 ただ、言い方は悪いが、借金がある人が、借金の返済の手段として、風俗嬢になるというのが、当たり前の時代で、よくVシネマであったり、昔のロマンポルノと呼ばれていた時代には、
「借金のかたに、娘を風俗に」
 というのも、当たり前のように描かれていたので、そんな悪いイメージが染みついているといっても過言ではないだろう。
 しかし、実際に、今の時代では、そんなこともない。
 中には、
「ホストに狂って、借金をしてしまったり」
 あるいは、
「買い物依存症などになって、借金を背負ってしまった」
 ということで、
「風俗嬢になった」
 という人も少なくないだろうが、
「依存症」
 のような、病気の人は別として、それ以外の人は、ある意味、
「自業自得」
 という人が多いのではないだろうか?
 それを思えば、
「今の時代の風俗嬢は、自分から、望んでなっている」
 と言ってもいいかも知れない。
 理由はいくらでもあるだろう。
「もちろん、今までのように、借金の人もいる」
 であろう。
 ただ、結構今の女の子は、
「夜は風俗をしながら、昼間は、普通に大学に通ってたり、昼はOLとして働いている子も多い」
 もっといえば、
「それが当たり前」
 という時代になってきている。
 昼間の仕事だけでは遊ぶ金がないから、風俗で、小遣い稼ぎという女の子もいるだろう。
 また、もっと真剣に考えている人もいる。
 それは、スナックやクラブなどで働いている女の子と発想は似ているかも知れないが、
「いずれは、自分の店を持ちたい」
 というような、
「経営者の道」
 というようなものを目指している女の子も結構いたりする。
 それを思えば、
「風俗嬢」
 というのは、世の中や、将来のことを真剣に考えている子も、結構いるのではないだろうか?
 それを思うと、
「風俗嬢」
 という職業も、男性にとっては、癒しになり、彼女たちにとっては、
「夢への第一歩」
 ということで、
「winwinの関係だ」
 と言ってもいいかも知れない。
 それを思うと、
「自分たちが何も、後ろめたい気持ちになることもないだろう」
 ともいえるのだ。
 奥さんがいて、奥さんに後ろめたいというのであれば、それは仕方がないだろうが、結婚しているわけでもなく、彼女がいるくらいであれば、何も後ろめたくなることではない。
「風俗嬢に、本気になった」
 ということであれば、少し話が変わってくるだろう。
 しかも、
「相手の女の子が本気になった」
 と言えば、またややこしいが、考えてみれば、この状況は、相手が風俗嬢であろうがなかろうが、関係のないことではないだろうか?
 もし、相手の彼女が、
「何を風俗嬢なんかに真剣になって」
 などと言って、バカにしたような言い方をすれば、
「名誉棄損」
 という形になるのではないだろうか?
 それを思えば、
「風俗嬢は、何も特別な職種でも何でもない」
 と言えるだろう。
 特に、特殊浴場という職種は、風営法で法律上、キチンと認められた職業なのだ。
 法律にしたがっている限り、その問題はないのであって、もし、それを差別的な発言をしようものなら、
「名誉棄損であったり、侮辱罪」
 ということで、訴えることもできるというものだ。
 それだけ、法律も厳しく、その中で合法で営業もしているのだから、
「市民権は、風俗嬢側にある」
 と言ってもいいだろう。
 もちろん、その時が、
「風俗デビュー」
 だったので、
 そんなことは分からなかったが、考えてみれば、当たり前のこと。
 その日相手をしてくれた、
「彼女」
 を見ていれば、それはよく分かるというものだった。
 まず、最初、待合室から呼ばれた時、
「こちらにどうぞ」
 と、ボーイ風のスタッフが呼びに来た。
 それも、片膝をついていて、まるでこっちが、王様にでもなったかのような気分であった。
 形式的に冷たさに見えるが、こちらは、初めてのことで興奮しているので、これくらい落ち着いてくれている方が気が楽だった。
「俺が、初めてだから、こんな感じなんだろうか?」
 と思ったが、それから何度か来たが、毎回態度に変わりはなかった。
 ただ、さすがに慣れてくると、相手もリラックスしているように見えてきたのだが。それはこちらのリラックスが、そう感じさせたということであろう。
「おトイレの方は、済まされましたか?」
 と言われると、いよいよ緊張が頂点に達してきて、とりあえずは、
「ハイ」
 と答えたが、実際には、初めてのことで、自分でも分からない。
 いや、これに関しては、何度回数を重ねても、自分ではわからない。緊張を抑えられないからこそ、興奮は倍増するのであって、
「お金を払って求めてくる癒し」
 なのだから、それくらいでなければいけないと感じるのだった。
 お金ということを口にすると、
「泥臭い」
 ということになるかも知れないが、それだけではない。
「とにかく、興奮をいかに、自分で感じるか、どんなことをしてでも、感じるか?」
 ということであった。
 そういう意味でも、風俗嬢との相性は、大切なことである。
 三十郎は、
「飽きっぽい性格」
 であった。
 相手の女の子がいくら可愛くて、癒しになるとしても、何度か相手をしてもらうと、
「そろそろ、今度は違う子」
 という風に思うのだ。
 遭いたいという気持ちに変わりはないが、何しろ、身体が求める興奮は違うところにあるのだから、それはしょうがないと言ってもいいだろう。
 中には、
「同じ女の子で、何十回」
 と通っている人もいるということだが、
「俺には、できないな」
 と思うのだった。
 これは、どちらがいい悪いという問題ではない。お互いの相性であったり、性格的なもの。
 男性としての、性癖が、どうしても許さないという人も普通にいるだろうから、
「そのあたりの問題も難しいお-ところだ」
 ということであろう。
 その時相手をしてくれた女性は、先輩が指名してくれた。
 どうやら、
作品名:記憶喪失の悲劇 作家名:森本晃次