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記憶喪失の悲劇

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 だが、一人の雑誌記者が、そんな日本を取り巻く、属国の影ということで、極秘に捜査していた。
 それでも、その人は、
「日本という国を舐めていた」
 といってもいいだろう。
「まさか、ここまで腐り切っていたのか?」
 とうことよりも、
「そんな日本を舐めていた」
 という方が、本人たちにとっては、ショッキングなことであっただろう」
 ということであった。
 確かに、日本という国は。
「政府の腐敗は、国家の腐敗だ」
 と一緒にしていたのが間違いだった。
「バックに何かがあるとしても、行動するには、勝手なことはできないことで、命令系統などめちゃくちゃだろうから、いくらでも、攻撃ができる」
 と思ったのだろう。
 だが、実際に、
「政府はポンコツだが、裏組織がしっかりしているというのは、日本にとっては有難かった」
 ということである。
 変な組織もあるが、そのほとんどは、水面下にいるので、浮上してこない。
 浮上してこないということは、その存在そのものすら、信じがたいというものであり。
「どうすればいいのか?」
 ということを考えているうちに、組織がどんどん忍び寄ってきて、
「逃れることができなくなる」
 ということになってしまうのであった。
 被害者は、そこに、
「何かが忍び寄ってくるということが分かっていなかったのだ」
 ということになるのだった。
 その人が、どのように、
「抹殺されたのか?」
 ということは分からない。
 しかし、抹殺されたことは事実で、
「国家による命令で、裏の組織が動いた?」
 と考える人もいるが、そのような
「縦割り」
 というわけではないといえるのだった。
 そんな裏組織を、密かに取材を試みようとしている出版社があった。
 もちろん、そんなものは、
「重要国家機密」
 ということで、政府に、まともに言っても、打て遭うわけはない。
 もっといえば、
「もし、そんなしがらみがなかったとしても。政府が自分たちの立場上、行うわけがないはずなのだ」
 ということである。
 なぜなら、
「政府にとっては。自分たちの尻ぬぐいをしてもらっているわけで、この組織の存在が分かってしまうと、自分たちのポンコツさを、世間に知らしめるということになるからである」
 と言えるからだ。
 そういう意味でも、政府にとって、この組織を守るということが、
「政府の仕事」
 になっているのだ。
 自衛のために、この組織が自ら動くわけにはいかない。それは、常識から考えれば分かることであるからだった。
 そもそも、政府がポンコツでなければ、この組織は存在しなかったかも知れない。
 ただ、政府だけでは、賄えない、非常事態が起こった時のために動く団体として控えているのであれば、分かるのだが、
「影の存在」
 ということであっても、実際に動いているのは、彼らであった。
 確かに、彼らがやっているという対策であっても、国民からすれば、
「納得のいかない」
 ということも結構あったりする。
 しかし、実際には、
「さらにひどいアイデアや、発想しか出てこず、行動も鈍い政府に比べれば、どれだけマシなんだ」
 ということになるのであった。
 国民にとって、
「自分たちの代表として、政治を行ってくれるのが誰であれ、ちゃんとマシなことさえしてくれれば、それでいいのであって、それを、いかにも、政府の手柄、さらには、ソーリの手柄などと言われると、税金を払っている我々からすれば、納得がいかない」
 ということになるだろう。
 そういう意味では、本来なら、
「影で暗躍している組織」
 であれば、別に放っておけばいいのだろうが、政府や政治家が、自分の手柄にしようと企むことで、世の中が少し、怪しくなってきているということを、考えた出版社が、
「この組織を探ることで、実際の政府や政治の在り方が、これでいいのか?」
 ということを探る必要があると、考えることから、この企画が持ち上がったのだった。
「ただ、そのために、わざわざ危険な目に遭うかも知れないということを、行ってもいいのだろうか?」
 ということであった。
 その出版社では、さすがに、この危険な任務を。
「命令」
 という形でさせるというわけにはいかない。
 やらせるとしても、かなりの
「危険手当」
 を弾む必要があるだろう。
 ただ、その相場がどれくらいなのか分からない、そもそも、いくら会社の事業の一環だとはいえ、モラルの問題もあるので、このような、
「スパイ行為のような、諜報活動をしてもいいのか?」
 ということになるだろう。
「政治を行っているのが、誰なのか?」
 ということが、本来の取材の目的だったはずなのだが、どうも、スパイをしている人間から、
「少し違う」
 といってきた。
 今回、諜報活動として入り込んだのは、女性である。
 彼女の名前は、池本つかさと言った。
 彼女が、どのようにして、この組織の中に入り込んだのかというのは、とりあえず、
「最重要機密」
 ということにしておこう。
 もっとも、彼女としては、
「別にそれくらいのこと、誰かに知られても、別に関係ない」
 というくらいに考えていたのだ。
 だが、彼女が今、どういう立ち位置にいるかというのを知っている人は少ないかも知れない。
 実は、彼女は、影で、
「風俗嬢」
 をしていた。
 他の風俗嬢の中に一定数いる、
「目標を持って、金を溜める」
 という目的のためだった。
 彼女は、ハッキリいうと、
「百年に一度の天才」
 といってもいいかも知れない。
 実際にどういう目的を持っているのか?」
 ということは、誰にも分からない。
 正直、
「彼女が、風俗嬢をやっている」
 ということは、普通に誰もが知っていることのようであった。
 といっても、
「誰が好き好んで、このような仕事をしているわけではない」
 ということは、彼女自身が、彼女の仕事を知っている人に言っていたことだ。
 別に愚痴っているわけでもなく、風俗嬢に嫌悪感を感じているわけでもない。
 どちらかというと、
「お金のためだけ」
 というのが、本音だった。
 だが、別に借金をしているわけでもなく、
「目的のためには、手段など選んではいられない」
 ということである。
 彼女の所属するお店は高級店であり、すぐに、つかさは、ナンバーワンとなった。
 彼女を知っている人は、
「転は二物を与えた」
 と評されるくらいで、頭のよさは、前述のようであるが、美貌に関しても、
「他を寄せ付けないオーラ」
 を持ってるのであった。
 といっても、彼女の美貌は、
「風俗だからこそ輝くもので、普通のOLなどの中にいれば、なるほど、キレイな部類であろうが、ナンバーワンを譲らないというほどの美しさということではないに違いない」
 ということであった。
「美しさというのは、万人受けする美しさというのは、本当の極めた美しさではない」
 といっている人がいたが、
「まさしく、その通りだろう」
 ということであった。
「一芸に秀でる」
 という言葉があるが、まさにその通りで、
「万人受けする人は、決して、それぞれでは、ナンバーワンにはなれない」
 ということになるのではないだろうか?
作品名:記憶喪失の悲劇 作家名:森本晃次