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邪悪の正体

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 その内容は、どうやら、
「人が信じられない」
 ということだったようで、SNS内で、今までそんなに仲のいい知り合いというものがいないかすみにとって新鮮だったのだ。
 彼女がいう話としては。
「自分は、SNSの中で、仕事をしているのだが、その仕事というのは、イラストの仕事で、一人ではなかなかできないので、協力者という意味で、二人の男性が、自分のプロモーションをしてくれて、そこで、仕事をとってきてもらうという形式にした」
 ということがまず、前提としてあったという。
 そして、
「自分がそういう仕事をしているということを知っている、他の女の子がいるのだが、その子が、自分も同じような仕事がしたい。だとすると、いくらくらいで引き受ければいいか? と相談されたという。そもそも相談された方の子は、一度イラストレーターとしてデビューしたのだが、病気になったことで、活動ができなかったのだが、少し収まってきて、医者の許可も出たことから、再開したのだという」
 要するに、プロのイラストレーターと見込んで、女の子が相談してきたということなのである。
 SNSのサービスの一つにある、
「オープンチャットの音声バージョン」
 のようなものがあって、そこで相談してきたのだという。
 確かに、そういう場所で、相談する問題かどうかというのも、微妙であったが、その場所にいた人はほとんどが知り合いということで、別に隠すことでもないということから、相談を受けたのだ」
 という。
 だから、公開での、話となったわけである。
 実際の場所の主催者は、とりあえずは、反対もなく、
「話題の提供」
 ということからか、暗黙で、この話題になっても、口出しはしなかった。
 ということで、彼女は、相談してきた相手に、大体自分が考えている値段を提示したのだった。
 だが、それまで黙って聞いていた人が、
「それでは高すぎる」
 といって、口を出してきたのだという。
 その時はホストではなかったが、どちらかというと、その場の話題によっては、マウントを取りたがる人らしかった。その時も、話を聴いて、一言言いたくなったのだろうが、次第に話が拗れてきて、しまいには、
「俺だったら、こんなに高かったら、依頼なんかしない」
 ということになったようだ。
 彼女からすれば、
「それくらいの金額は妥当だ」
 というのが、かすみが聴いても、
「そうだね、下手に値段を下げると、高い正当な値段でやっている人から、文句が出ないとも限らない」
 と思ったのだ。
 それをいうと、
「そうでしょう?」
 といって、彼女も共感者がいてくれることを、真剣に喜んでいたのだ。
 話はさらにヒートアップして、どうやら、元々相談してきた女の子は、
「SNSを辞めた」
 というのだ。
 しかも、その時に悪者にされたのが、その時の相談を受けた彼女であり、余計な口を挟んだ男からは、ブロックを掛けられた」
 というのだった。
 しかし、その場でのことであれば、別に何ら問題はない。
「そんな連中と付き合わなければいい」
 というだけのことなのだが、問題はそれだけにとどまらなかった。
 というのも、
「その話は、かすみが相談を受ける、3日前だった」
 ということだった。
 話がここで終わらなくて、厄介になってしまったのが、その翌日からだったというのだ。
「彼女のことをプロモーションしていて、裏方として応援してくれていた二人の男性がいるのだが、一人の男性のところに、彼女についての問い合わせが殺到した:
 ということであった。
「問題が起こっているようだけど、大丈夫なのか?」
 ということの問い合わせだという。
 それは、イラストの製作依頼者なのだというが、その問い合わせは、プロモーション側にばかり殺到して、渦中であり、製作者としての彼女のところには、まったく相談がこないというのだ。
 確かに、
「何かの問い合わせは、私を通して」
 とプロモーションの人は言っているのかも知れない。
 しかし、実際の作品への要望には、個人間でのやり取りができるアプリで、メッセンジャーのごとくにできるもので繋がっているのだから、別に本人に問い合わせがあってもしかるべきなのに、まったくないというのも、
「少しおかしいな」
 と、その時、かすみは感じたのだった。
 ただ、問題はここからで、問い合わせをされたプロモーションの男とすれば、確かに、
「寝耳に水」
 だったことだろう。
「自分の知らないところで、勝手にトラブルを引き起こした」
 ということなので、当然、
「何してくれてるんだ?」
 と感じるのは、当然のことだろう。
 だから、当然の流れとして、彼女に、
「一体何があったんだ?」
 ということで、聴いてくるのだった。
 ここまでは、当たり前のことであり、当然の順序での対応である。
 だから、彼女は、事情を説明したのだという。
 ここまでも、普通であった。
 しかし、プロモーションをしている男は、そこまで聞くと、態度が急変したという。
 ここまでは、経緯についての話であり、彼女の感情は含まれていなかった。それなのに、男の方は、まるで、彼女が、
「余計なことをしてくれた」
 としてしか、見ていないようだった。
「あの人、私の話を聴いて、自分の意見をいうだけ言って、私に何も言わせないのよ」
 というではないか。
 かすみとしては、それを聴いて、
「それはひどいわね。プロモーションを引き受けたのだとすると、まずは、プロモーションをする相手を庇うのが当たり前なんじゃないのかしら?」
 というと、彼女の方も、
「うん、そうだと思うわ」
 というのだった。
 要するに、今のところ、
「他のところで、軽く相談されただけのことが、大げさになってしまい、しかも、相談者が、悪いのは、相談した相手ということとして、SNSからいなくなったことで、事態は、完全に彼女が悪者となってしまい、
「完全に、四面楚歌になってしまった」
 ということなのであった。
 要するに、
「梯子を掛けられて、上に登ることを促され、登ってしまうと、その梯子を外された」
 という事態になってしまったのだという。
 そして気が付けばまわりは敵だらけの四面楚歌。
 しかも、自分の死活問題としての、
「自分をプロモートしてくれている、スタッフが、彼女を信用していない」
 という事態となり、最悪な状態になっていたのだ。
 というのも、プロモートしてくれている男性は、最初に、
「それじゃあ、高すぎる」
 といって、キレた男性とは、繋がっているのだ。
 最初にキレた男性のことを、
「アニキ」
 といって慕っているくらいなので、彼女としても、自分のところに話を聴く前に、先に相手から聞いているだろうから、その時点で、彼女に勝ち目はないわけであった。
 ただ、プロモーションをしてくれる人が当てにならないといって、切ってしまうと、せっかk、軌道に乗りかけたイラストの仕事というのが、うまくいかなくなってしまうであろう。
 これは、本当に死活問題であり、実際に、依頼した人からの問い合わせが殺到しているということで、その人とすれば、
「何を余計なことをして」
作品名:邪悪の正体 作家名:森本晃次