小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

禁断のライセンス

INDEX|6ページ/19ページ|

次のページ前のページ
 

「某国の国際警察というものの配下にある」
 という形が取られる。
 さらに、国家としての体裁を整えるということで、
「某国からの移民」
 を受け入れていた。
 某国では、特に、
「ある団体が、住みにくい」
 という状態が続いていた。
 そのある団体というのは、
「ある宗教」
 といってもいいだろう。
 いわゆる元は、キリスト教なのだが、某国内で、急に信者が増えだしたのだ。
 元々は、兵士を募るということで、利用できたのだが、最近では、国家としての兵士の募集がいらなくなったので、実際の行動部隊として、新たな国にその体制を築かせた。
 つまり、
「某国の代表」
 であるがごとく、国家を運営している。
 それが、新国であり、新国というのは、言い方は悪いが、
「某国の掃きだめ」
 であり、
「某国にとっての、流刑地」
 のようなところだと言ってもいいだろう。
 流刑地というのは、日本でいえば、
「佐渡島」
 などのようなところで、金の採掘をさせられたように、ここでも、流刑者は、強制労働をさせられていた。
 そもそもここは、
「731部隊」
 のような、日本人や。
「ナチスの科学者」
 と呼ばれる、
「ドイツ人」
 というのが、幅を利かせているということであろう。
 だから、国家とはいいながら、ここは、少なくとも、5民族くらいが暮らしているという、
「他民族国家」
 なのだ。
 そういう意味で、国家体制をいかに組みたてていくかということは大いに問題だった。
 法律や、モラル。さらに、風俗習慣などの違いをいかに合わせていくかによって、治安や生産性がなくなってしまう。
 何といっても、彼らは元々プロフェッショナル。本来なら、流人などと一緒にするのはいけないことなのだろうが、これ以外に方法はなかったのだ。
 せめて、
「日本人とドイツ人を隠したい」
 ということからここに入ったのだから、彼らとしては、
「他に行くところがないのだから、居心地悪くても、いるしかないんだ」
 ということである。
 何と言っても、彼らは、
「敗戦国出身者」
 なのである。
 敗戦国出身者ということは、
「第一次大戦が終わった時の、ベルサイユ体制を考えれば、どういうことなのか?」
 ということは、分かるというものである。
 何と言っても、
「あの時のドイツを締め付けたことが、ナチスの台頭に繋がったのだ」
 ということだからである。
 そんな新国で、何をやっているかというと、今の一番は、
「新薬の開発」
 というものであった。
 やはり、
「元731部隊」
 と呼ばれる連中の子孫が活躍しているという。
 ただ、もう一つ大きな言われ方をしているのだが、これは、ウソか本当か、どちらにしても恐ろしい発想であった。
「彼らの死んですぐの脳を電極水の中に浸けて、そこで活性化しながら、まるで、人工知能のような働きをさせる」
 というものであった。
 確かに、脳の機能は死んでいない。
 そして、脳が身体を伝わる時の周波数のようなものを解読できれば、彼らの頭の中にあるものをいくらでも利用できるのではないかという考え方なのだった。
 つまり、一つとしては、
「俺の考え方として、まだまだ自分たちの頭脳が、今後も生き続ける」
 ということだ。
 何しろ、
「今の時代でも、いや、今の時代だから、人体実験などできやしないんだ。だが、俺たちは、それを目の当たりにしてきたのだ」
 という自負のようなものがあるというのだ。
 彼らには、まったくの、
「悪かった」
 という気持ちはない。
「戦争というものが、自分たちの気持ちをマヒさせて、何でもできるという感覚にしたことで、今でも、人体実験が、正しかったと思っている」
 と考えているのではないだろうか?
「祖国のため、自分たちの名誉欲のため。それが本当に正しいのか、間違いなのかなどということは、まったく考えていないということである」
 と思っているのだろう。
 しかし、今は、世界的に平和やモラルを叫ばれている。
 これも正しいのかどうかということも、何とも言えないといっていいだろう。
 実際に、昔のアニメや特撮などでは、簡単に人間の脳をロボットの中に入れ込んで、それを使っているというのもあった。
 あの特撮では、二つの利点があったのだ。
 というのも、助けたい博士がいて、その、
「悪のアンドロイド」
 の頭の中にある脳は、生きている、博士の脳だったのだ。
 つまり、
「相手のアンドロイドに勝つということは、相手を破壊するということになり、博士の脳もろとも、破壊する」
 ということになってしまうというのだ。
 それは、やってはいけないことだった。
 何とか脳を取り外し、本人の頭に据え付ける手術をしないといけない。
 ちょっと考えれば、一度切断した脳を、くっつけたとして、前のように、簡単に動くかどうかという方が問題であるが、そのことについては、言及されていなかった。
 やはり、
「子供相手だ」
 ということに終始していたのだろう。
 それを思うと、
「脳をロボットの頭に付ける」
 という発想のインパクトが強ければ強いほど、疑問に感じることはないと言ってもいいのではないだろうか?
 それは、拒否反応を示すものであって、一種の
「副作用のようなものではないだろうか?」
 血液の輸血であったり、臓器移植などにおいても、ドナーとどんなに相性が合うといっても、実際にいれてみなければ、本当に合うものかどうか分からないだろう。
 それを思うと、
「副作用というものと、医療の関係は、切っても切り離せないものとなるのだろう」
 ということであった。

                 惚れっぽい効果

 この国は、独立国で、しかも、単一民族ではない、完全な他民族国家だった。
 それだけに、本来なら問題が起こってもよさそうだが、基本的には、ナチスや、日本軍によって、ほとんど強制的にやらされた、本来であれば、
「平和のために、何かを開発する」
 という形の方法を取っていたのだ。
 だから、
「これからやっと、平和のために開発ができる」
 と思っていると、何やら、某国から、
「731部隊の情報をくれ」
 ということになった。
「本来なら、戦犯で処刑されるところだったのを、わが国が社会主義国に対抗するための科学力を持つために、必要な人材だ」
 ということである。
 ナチスの場合は、ベルリンに攻めこんだのは、ソ連だったので、ソ連がナチスの科学者の多くをさらっていったというのもあるということで、
「ナチスの科学者はあまりあてにならない」
 ということになった。
 さらに、某国としては。
「ナチスに、核爆弾を開発する力はなかった」
 という情報が分かっていただけに、まだ、実際に核を使ったのが某国だけということで、某国は、ナチスの科学者を必要としていなかっただろう。
 むしろ、ナチスは、
「ホロコーストのために、毒ガス研究などをしていた」
 ということで、民族撲滅の観点が強かったので、
「実際の殺傷能力さえあれば、それでいい」
 というものではなかったということであろう。
 もっと言えば、
作品名:禁断のライセンス 作家名:森本晃次