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「その病原菌がどこで発生したものなのか?」
 ということを突き止める必要がある。
 どこを経由にどのように回ってくるかということが分かれば。水際対策というものをいかに考えればいいのかということが考えられるのかということである。
 さらに、伝染病がある程度終息してくれば、
「国際的に、伝染病を流行らせた責任を取らせることになったり、伝染病の発生や、流行のパターン検証にも役立つことになるだろう」
 さらにいえば、そこから先の、
「ワクチン」
 であったり、
「特効薬の生成」
 に役立つことになる。何もかも分かっていなければ、先に進まないということになるのであろう。
 世界保健機構と呼ばれるところでは、国連とは違う活動をしているので、同じ機構が、国連にあったとしても、結局何もできないというような形になるに違いない。
 要するに、そこに、国家が絡んできたりすると、
「責任の所在」
 であったり、
「マウントの取り方」
 という意味で、いかに他に先んじた態度が取れるか?
 ということが問題になったりするだろう。
 それは、伝染病が流行った時に、国家での体制を見た時のことで分かるというものだ。
 政府とすれば、新たに、
「伝染病の名前の省庁」
 を造り、そこに対策を任せることになるのだが、もちろん、その中になるのか、それとも別の組織にての、
「有識者会議」
 というものが存在する。
 もっとも、伝染病によって被害を被ったり、問題になるのは、一つではないだろうから、それぞれに窓口や対策室も必要になるだろう。
「医療問題」
「経済問題」
「イベントや学校関係、会社関係の問題」
 など、それぞれに解決すべき問題は飾っているに違いないのだ。
 しかも有識者会議の医者と、経済関係の関係者は、当然、それぞれの畑の擁護を重ねて、自分たちの意見を勝手に、自分たちの立場からしか言わないだろう。
 それはそれで間違いのないことだ。
 それぞれの立場で場が紛糾してしまうと、まとまるものもまとまらない。しかも、
「これに、答えなど存在するわけはない」
 ということであろう。
 答えの、つまり、結論の出ない会議を続けることを、
「小田原評定」
 というらしいが、まさにその通りだ。
 有識者会議のように、まったく正反対の立場の人で、マウントの取り合いをすれば、結論が出るわけもない。
 ただ、それぞれの部門での、
「これは最優先というのがあるだろう」
 しかし、
「人の命が大切なのだから、まずは、人の命の医薬の部門を優先させれば、人流を抑えることになるので、経済は滞り、経済が回っていかず、失業者が街に溢れるというわけだった」
 いくら対応したとして、国家が、金を出したとしても、その財源にも、限りがある。
 さらに、
「誰にいくら出す」
 ということを話し合っていると、なかなか決まらない。
 一度、
「全国民に10万円」
 ということがあったが、それでうまくいくはずもない。
 スピード感もあり、その時は最善だったのだろうが、それから何年経っているというのか、本来なら、所得によって決めるべきなのだろうが、
「子供のため」
 とかいう、わけのわからないことをしているのだ。
「じゃあ、子供がいなくて、今実際に、商売などをしていて困っている人は、どうすればいいというのだろう?」
 それを考えると。
「子供だけに支給するというのは、政府の人気取りにすぎないのではないか?」
 と思われても仕方がない。
 確かに、子育て世代は大変であろうが、もう少し議論があってもいいはずだ。
 つまりは、
「議論しなくてもいいところでは、かなりの時間をかけるが、議論をしないといけないところで、簡単にスルーする」
 という、安直な考えになっているといってもいいのではないだろうか?
「子供と言ってもいくつまで?」
 ということもある。
 この国では、結構、
「子供の年齢に対する考え方」
 というのが、結構曖昧だったりするのだ。
 まず、子供の定義を考えるのだが、
「13歳」
「18歳」
「20歳」
 というのが基本だろう、
 まず、13歳というと、ちょうどその頃に、思春期がやってきて、女性では、初潮を迎えるなどして、身体が。
「大人」
 になっていく。
 ということになるのだろう。
 では、それ以上の年齢ではどうだろうか?
「18歳」
 というのは、高校を卒業して、社会人や大学生になる年齢で、いわゆる成人年齢ということになる。
 もっとも、この国では最近まで、成人年齢は、20歳だったようだが、青少年による犯罪の低年齢化などが大きな問題になるのだ。
 そもそも、若い年齢にしたのは、
「他の国に合わせる」
 というのが基本だったが、この国の青少年は、どこか考えが甘いと言えばいいのか、
「成人の年齢が下がったことを喜んでいる」
 ように見えるのだ。
 確かに成人になれば、
「親権者の同意がなくとも、契約を結べたり、訴訟を起こしたりもできる」
 とは言われるが、逆にいえば、何か犯罪を犯した場合、
「少年法」
 なるもののご加護を受けることはできないのだ。
 少年法のように、
「犯罪を犯しても、少年刑務所などの施設が違ったり、犯罪者の実名が晒されることはないので、かなり優遇されているのだろうが、それは、若くなるということは、それだけリスクも大きくなる」
 ということである。
 若年層による凶悪犯が、この国でも、広がっている。
 ただ、この国の元々の形成というのが、
「某国による、亡命者をかくまうため」
 というものであった。
 たとえば、戦争責任者であるが、今後の未来の社会情勢のために、本来なら裁判にかけられるべきなのだろうが、
「このまま処刑されるのは、もったいない」
 という考えになるのを恐れてのことだった。
 さらに、諜報活動を行った人が握っている、
「社会主義国家の機密」
 を知りたいというのもその理由である。
 何しろ、
「冷戦」
 という時代である。
 この時代には、何が問題なのかと言って、
「お互いのスパイ活動の活発化」
 である。
 特に、核ミサイルなどの開発競争であったり、
「大陸間弾道弾」
 というものの開発に不可欠な、ロケットというものを、
「宇宙開発」
 ということで、こちらも競争ということになるのだ。
 さらに、それらの開発において、
「相手国よりも、早く、そして正確に」
 ということが求められるので、相手国家への、
「諜報活動」
 ということは大切なことになるのだった。
 つまり、
「科学開発者と、諜報活動者」
 というのは、例えば、大日本帝国や、ナチスドイツには、かなりいたのだろうが、そんな人たちを一気に某国本土に迎えれば目立つし、問題が起こる。
 それを解消するという意味で、某国は、
「新しい国を建国し、そこに入植させる」
 ということにしたのだ。
 しかも、某国の属国ということにするだけではなく、
「新しい国を作って、独立国にしておいて、傀儡にする」
 ということで、いわゆる。
「満州国」
 のような形であろう。
 属国というよりも、さらに、独立国の様相が深いが、実際には、新国では、
「総理大臣や大統領はいるが、あくまでも、
作品名:禁断のライセンス 作家名:森本晃次