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神のみぞ知る

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「そうだろう、結果そうなるよな。俺も少しはお前が何かいいアイデアを出してくれないかと期待もしたが、俺も分からなかったんだから、他の人に分かるはずはないという考えなので、戻ってくることになるだろうとは、感じているよ」
 ということであった。
 結局。この4人は、どう転んでも、お金を手に入れるとすれば、この方法しかないということになるのだろう。
 そんなことを考えていると、いよいよ4人の立場が決まっていき、事件計画の骨格が見えてきたのであった。
 そのために、真田は、
「自分なりに、いろいろな切り口からの事件の青写真を描いていた」
 真田にとって、
「とにかく、まずは、金を手に入れることだ」
 ということで、皆の計画を、
「お金を手に入れるところまで」
 と定めたが、さすがに、
「それから先はどうするんだ? お金を得ても逃げられなければそれまでだぞ」
 ということであった。
「ああ、そのことなんだが、私の一存に任せてくれないか。田舎に恰好の隠れ場所があるんだ」
 といって、
「神崎村」
 という地名を教えてくれた。
 調べてみると、
「何とも歪な村なんだ」
 ということであった。
 しかも、今の時代に、村というものはまだ孫座はしているだろうが、世の中にどれくらいの村が存在するのかということは、よくわかっていなかったのだ。
 神崎村にやってきた皆は、
「こんな村にどれだけの間いなければいけないんだ」
 ということを考えていた。
 しかし、そのことについては、真田はノーコメントだった。
 なぜなら、真田にも、
「いつまでいればいいのか?」
 ということを分かってはいなかったからだ。
 下手に思い込ませて、それが違ったということで、変に、空気を悪くすることだけは、逃亡者という身であることから、
「やってはいけないことだ」
 ということであった。
「ここから先は、半分は運任せのようなものだ」
 ということになるだろう。

                 六道への入り口

 神崎村での滞在期間は、ほとんど決めていなかった。
「この村にいる間は、安全なんだ」
 という思いがあることから、動く時は、よほど、しっかりしておかなければいけないということであろう。
 実際に、この村に来てから、そろそろ半年が経とうとしていた。この事件については、マスゴミもまったく意識していないようだ。
 何と言っても、
「マスゴミというのは、新しいものを求める」
 世間が思っているよりも速いスピードで世間を見ていかなければ、うまくいくはずもないというものだ。
 それを考えると、世の中において、半年が経とうとする中で、その間に、真田が動くということはなかった。
 そんな中において、動きを見せてきたとすれば、副リーダーと言ってもいい、北条が少し動き出した。
「俺たちは、このままずっとここにいれば安心なんだろうか?」
 ということを考えたからである。
 確かに、真田はリーダーとして立派にやっているだろう。だが、そのことを真田は自分で自覚しているのだろうか?? 何かまだ、自分に満足していないような気がするのだ。
 それを思えば、真田というのは、どこか、疑心暗鬼だといえるのではないだろうか?
 実際に、その人のいうところでは、
「ここにいれば、とにかく安心」
 ということであった。
「真田がリーダーとして君臨することが一番いい」
 そして、
「真田の言う通りにしていればいい」
 と、計画を聴いた時、北条はそう感じたのではなかったのだろうか?
 真田という男は、確かにしっかりとしたビジョンを持っていた。
「想像力が豊かだ」
 ということで、
「彼のような男が、計画し、設計図を作るのが一番なんだ」
 と思うようになっていた。
 確かに、その計画がうまくいくかどうか分からない状態で、今は潜伏期間という、隠れていなければいけない時期に、疑心暗鬼になれれてしまっては、どうしようもないというものだ。
「俺の計画は、間違いない」
 という力強く言う時もあれば、時折見せる寂しそうな雰囲気に、他の二人も、少し疑問を感じているようだった。
 三人が三人とも、疑心暗鬼になっている時期があった。
「本当にあいつで大丈夫なのあ?」
 という思いが、災いしたといってもいいのだろうか?
 三人が揃うと、ありがちなのだろうが、
「三すくみ」
 の関係になっているようだった。
 三すくみというと、じゃんけんなどが、代表的だ。
「チョキはパーに勝ち、パーはグーに勝つ。そして、グーは、チョキに勝つ」
 というような三角関係である。
 これと同じことが言えるのが、
「ヘビ、カエル、ナメクジ」
 の関係である。
「ヘビはカエルに強く、カエルはナメクジに強い、ナメクジはヘビに強い」
 ということで、これこそ、自然界の摂理というべき形で、うまくバランスが取れているというべきであろう。
 そのことを考え、一つ気になるのは、
「世の中というものは、この三すくみによって成り立っているのだろうか?」
 ということであった。
 三すくみというと、世の中において、普通に考えれば、
「均衡が保たれている」
 と言っていいのだろう。
「二つが相手であれば、お互いに力関係はハッキリしているのだが、そこにもう一つが絡んでくると、動くことができない」
 ということである。
 三すくみの関係は、SFやミステリーなどでよく用いられるものだが、
「力の均衡」
 ということであり、それが、
「距離の均衡」
 であったり、
「お互いの見る方向のバランス」
 だったりするということになるのではないだろうか?
 そんなことを考えていると、
「三すくみ」
 というのは、世の中のバランスすべてであり、何かに偏ってしまいそうなところを、バランスよく保つことが大切だということになるのだろう。
 そんなバランスというものを、どのように考えるかということである。
 物理学や、数学などによってバランスというものを考えると、
「一体どういうバランスが、世の中を支えているというのだ?」
 と考える。
 世の中において、基本的に、バランスは保たれているものだと思うのだ。
 そのバランスにおいて、
「例えば、精神疾患の人がいて、その人が、パニック障害であったり、双極性障害であったりした場合」
 鬱状態の時には、
「助けてほしい」
 ということで、人に寄り添ってもらいたいという感情になるだろう。
 もちろん、その人のことを好きであったり、気持ちに寄り添って、
「自分が何とかしてあげたい」
 と思うに違いない。
 特に、相手が、大鬱になったりなどすれば、
「精神状態が不安定なので、相手を支えるためには、自分が壊れないようにしないといけない」
 ということを考えて、相手を見るようにしていると、
「相手が、精神疾患だから」
 ということで、どこまで我慢すればいいのかが、その境界線が分からなくなる。
 以前、ちょっと考えただけで、危険なこと、パニック障害を引き起こしかねないことになった時、
「相手に対して、明らかに危ないと思ったから、起こってでも、必死になって止めようとする」
作品名:神のみぞ知る 作家名:森本晃次