小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

遅れてきたオンナ

INDEX|10ページ/19ページ|

次のページ前のページ
 

 このような奇抜で、一見信じがたい話は、普通は誰も嫌がるだろう。
「お前おかしいんじゃないか?」
 というのを恐れてのことだろうが、何もそんな話題をわざわざ振ることもないというわけである。
 夢の中で覚えている夢のほとんどが、
「もう一人」
 の自分が出てきた時。
 ということで、
「これほど怖い夢はない」
 と思っているからであった。
「もう一人の自分」
 というものが怖いという発想は、
「一度自分が、タイムリープしてきたもう一人の自分に乗っ取られたという意識があるからではないか?」
 ということからであった。
 タイムリープという考えから、夢の中で見る、
「もう一人の自分」
 という理屈が分かるというものだった。
 しかも、それを意識させないというのは、タイムリープというものを、まだまだ人間としては、解明されていないことが多いので、一介の一個人が、簡単に分かるレベルでも、理屈でもないということで、それ以上、考えないようにしているといっても過言ではないのではないだろうか。
 ということになれば、
「夢というものの理不尽な理解不能な部分も、タイムリープという考え方で説明すれば、理屈に合うといってもいいだろう」
 ということだ。
 タイムリープというのが、
「タイムパラドックスを起こさせないための理屈だ」
 ということになると、
「夢というのも、タイムリープによって証明される」
 ということだと思うと、
「タイムリープというのは、ただ都合のいいものでも、辻褄を合せるだけのものでもない」
 と言えるだろう。
 そうなると、
「タイムリープという考え方」
 も、まんざら理に適っていないともいえないに違いない。
 そう考えると、
「五分後のオンナは、タイムリープなのかも知れない」
 と思うと、
 最初は、同じ時間に現れないのは、
「タイムパラドックス」
 というものに、違反しているからだと思っていたが、そこにタイムリープという考え方が起こってくると、
「それは、当たり前のことだ」
 と言えるのではないだろうか。
 五分後のオンナが、男にとって、どういう存在なのかというと、答えは出ていない。しかし、ここまで分かってくると、五分後のオンナは、
「五分しか自分の前にいない」
 と思っていた理屈が変わってきた気がした。
 しかし、あくまでも、まわりから見て、
「五分しかいない人なんだ」
 と、思っているに違いない。
 もちろん、あくまでも、五分後のオンナだということを分かっていてという理屈つきである。
 なので、そんなことの可能性は非常に低いということで、どうしても、考えさせられてしまっているのだった。
 そんな中において、
「五分後のオンナ」
 との一緒にいる時間が、どんどん長くなってくるのが分かってきた。
 というのも、
「自分の感情に合わせて、消えないでいてくれる」
 という、こちらも、
「都合のいい」
 という存在になってきているようだった。
 だから、五分という存在が、今までは、
「短すぎて、何もできない」
 という思いから、彼女のことが気にはなるが、結局は、
「幻のような存在」
 として、割り切ろうとしていたことだろう。
 実際に割り切っているのだし、目の前のオンナは、自分にとって、どのような存在なのかということを、次第に忘れようとしている自分がいるのだった。
 正直、
「どうしても気になる」
 というほど、タイプの女性というわけではない。
 むしろ、今までであれば、
「その他大勢」
 という意識の中にいる女性の一人だったはずだ。
 何か特徴がなければ、気にすることもないオンナ、その特徴が、
「五分という時間」
 だったのである。
 時間が、まさかオンナに対しての意識を感じさせるものになろうとは、思ってもみなかった。
 それを思うと、
「このオンナの世界に、入れるものなら入ってみたい」
 と思うようになっていた。
 ただ、戻ってこれなければ、これほど辛いことはない。それさえなければ、今の気持ちとしては、どこまでもついていく。
 と思うようになっているようだ。
 ただ、この男は、思い込みが激しく、それを自分でも分かっているだけに、余計に、自分がのめり込んでいく姿が想像でき、それをどうすることもできない自分という両局面を示す思いも感じるのだった。
 しかし、そんな思いも、
「自分が、どっちも同じオンナだ」
 と思っていたのが悪いということに気が付いた。
 正直自分では、
「どちらのオンナを好きになるか?」
 ということを考えると、
「どこがどう気に入り、どちらが、どのように違うのか?」
 ということが分からないということが、分からないということを踏まえたうえで考えてみると、
「五分後のオンナだ」
 と感じたのだ。
「五分前のオンナ」
 に対しては、一度も、
「オンナとして見たような気がしない」
 と思った。
 なぜなら、
「五分後にまた同じオンナが来る」
 ということが分かっているからであり、そのことが、自分の中で、
「何かの証明」
 というように感じるのだった。
 そう思って、
「五分後のオンナ」
 を意識していると、やはり、そのオンナを意識するようになったのだ。
 正直、
「贔屓目に見ているからだ」
 という感情があるのも事実である。
 今まで好きになった女性とはタイプは違うが、シチュエーションを考えれば、これも、無理もないことだといえるのではないかと思うのだ。
 男が好きになる女性というのは、今までは、基本、
「自分を好きになってくれるオンナ」
 だったのだ。
 つまり、
「好きになってくれそうなオンナでなければ、自分が好きになったとしても、結局は、片思いで終ってしまうのではないだろうか?」
 という思いからである。
 この思いは男とすれば、まずほとんどの人はそうではないだろうか?
 好きになってくれる望みが極小の場合は、好きになっても、辛いだけだということは分っている。
 本当は、
「好きだから、好かれたい」
 と思うものなのだろうが、実際には、
「好かれたから好きになる」
 というものである。
 だから、好かれることがなければ、女性を好きになることはない。その思いが、
「草食系男子」
 というのを生むのではないだろうか?
 昔は、そんな言葉はなかった。
 下手をすれば、肉食系が蔓延って、モラルや治安が不安定な時代への警鐘が、マンガなどであった時代が、昭和だったのに、それがいつの間にか、
「恋愛に興味のない男性」
 が増えてきたというのか、
 いや、恋愛に興味がないのではなく、
「肉体関係」
 つまりは、
「セックス」
 というものに、興味がなくなっているのではないか?
 それは、逆に恐ろしいともいえる。
 肉食系ではなく、草食系を装っている人の中には、アブノーマルな人間もいて、
「本当は草食系なのではなく、自分の異常性癖を隠すために、草食系を装っているというわけだ。
 それを思うと、
「男の本性を偽ったり、装ったりしようとすると、簡単に本性がバレてしまう」
 ということになる。
 人がばらすわけではなく、自分からばらすことになるのだ。
 それだけ、
「隠すことがへたくそだ」
作品名:遅れてきたオンナ 作家名:森本晃次