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つかさの頭の中

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 というくらいまでの熟練パイロットをたくさん作るということだったのだ。
 いくら、科学が発展し、理想の戦闘機を作ることができても、その操縦をできる人がいなければ、鉄くずも同じであった。
 まさに、
「絵に描いた餅」
 であり、日本が大東亜戦争で敗戦した無数の理由の中の一つに、
「熟練のパイロットを数多く失った」
 ということが大きいだろう、
 特に、大東亜戦争の雌雄を決すると言われた、
「ミッドウェイ海鮮」
 において、いわゆる、
「兵装転換のミス」
 から、飛びたてずに甲板に残っていたり、格納庫にしまってあった爆撃機が、急降下爆撃を受け、燃料ごと、ゼロ戦格納庫までもが、火の海になってしまったのであろう。
 だから、パイロットが出撃前に、
「ゼロ戦とともに火に包まれる」
 ということになり。空母までもが、海の藻屑となるのだから、それも当たり前のことであろう、
 熟練パイロットが死んでしまったこともあって、
「ゼロ戦を操縦できる人がいない」
 ということと、運悪く、ゼロ戦がアメリカ軍に、十分に解析できる形のものは手に入るということになり、
「ゼロ戦が、丸裸にされた」
 ということになるのであった。
 それを考えると、このことが、
「大東亜戦争の雌雄を決した」
 といってもいいだろう、
 何しろ、勝ちすぎたことで、占領地が増え、戦線が伸び切ったことで、死守が難しくなった。これも相手の作戦の一つであり、相手の補給を立ってしまえば、戦闘不能になるということで、そんな簡単なことも、日本では分かっていなかったのだ。
 要するに、
「ゼロ戦というのは、軽量ということを、とことんにまで特化した戦闘機だったために、これほど操縦しにくい戦闘機はないわけで、もちろん、多くの機体を失ったのは、当然厳しいことであったのだろうが、それよりも、どんなに作り直しても、今度は、それを操縦できる人がいないということになると、
「無用の長物だ:
 ということになるのである。
 相手は、手に入れた機体を徹底的に解析し、弱点を見つけ、本来の熟練パイロットであれば、ゼロ戦を熟知しているのだろうから、相手の罠にはまることはないだろうが、素人パイロットであれば、
「ゼロ戦の限界」
 を分かっているわけではないので、すぐに相手の作戦に引っかかり、無理な運動をして、相手の弾に当たるまでもなく、空中分解などをして、自滅することになるのがオチだったりするのだ。
 ひょっとすると、その時の記憶。つまり、
「壊れるはずのない戦闘機が、いきなり空中分解を起こしてしまった」
 という記憶を持って、死んでいったので、今の世界に戻った時、
「空を飛ぶ」
 という意識を感じた時、自分の前世が、ゼロ戦のパイロットであり、最後が、
「ゼロ戦における、ドッグファイトだった」
 ということであれば、わけもわからないままに死んでいくことになった記憶だけが、まるで、タイムリークしてしまったかのように、思い出されたのであるとすれば、夢に出てきたことで、空を飛ぼうとしても、そこには、
「絶対に不可能なことなのだ」
 という当たり前のことを裏付ける気持ちがついていたとしても、無理もないことであろう。
 人間の魂に、前世というものがあるとすれば、男女の違いがあっても、それは無理のないことではない。
 今社会的に問題になっている、
「LGBT」
 なる問題も、そもそも、
「人間というものが、一つだったのではないか?」
 と考えられる。
 それは、勝手な考えであるが、宗教的に、
「人間の始まり」
 という考え方の中に、
「一人の人間の中に、異性が存在する」
 という考え方はない。
「アダムとイブ」
 などの聖書であったり、
「イザナギ、イザナミ」
 のような古事記の話であったり、最初から、男女がそれぞれいての、
「世界の始まり」
 なのである、
 さらに、ギリシャ神話では、最初の方では、
「男性しかいなかった」
 とされる。
 そして、
「人類最初の女性」
 として登場するのが、
「パンドラ」
 という女性だというのだ。
 神の世界では、
「争いなどの原因となる火というものを、人間には与えてはいけない」
 と言われていたのだが、プロメテウスという者が、人間を可哀そうだと感じ、火を与えてしまった。
 すると争いが起こるようになり、収拾がつかなくなってしまった。
 そこで、人間を懲らしめ不幸のどん底に陥れるため、人類最初の女性として、パンドラを作り出し、地上に送り込んだ。
 パンドラは、神から送られた匣を持っていたが、それを、
「開けてはいけない」
 と言われていたのに、好奇心から開けてしまった。
 すると、そこから、
「あらゆる禍の種が飛び出した」
 というのが、ざっくりとしたお話だったが、要するにギリシャ神話に至っては、
「女性の登場は、ずっと後になってのことだ」
 ということであった。
 そういう意味では、人間の同一の肉体の中に、二つの性が潜んでいるというような、まるで、
「両生類」
 のような考え方というのはありえないということになるのではないだろうか?
 ただ、
「後世に生命をつないでいくのは、子供を産むのは女性だ」
 ということで、肉体は女性から作られるといってもいいのだろうが、子供が生まれるためには、男性の精子が混じらなければ、子供というものが女性の身体に育まれることはないのだ、
「なぜ、その機能が女性だけのものなのか?」
 というのは分からない。
 というよりも、そのような身体の機能を持った女性は、子孫をつないでいくという意味で、本来なら大切にされるべきはずの女性であるはずなのに、なぜ、太古の昔より、つい最近に至るまで、
「女性というものが差別され、権利のほとんどを奪われていたのか?」
 と言えるのではないだろうか?
 そこで考えられるのが、ギリシャ神話における、
「パンドラの匣」
 として有名な、前述の、
「世界で最初の女性」
 とされる、パンドラの存在である。
 あの話では、
「人間という神から見て、下等で愚かな生物に対し、与えてはいけない火を与え、神が思っていた通りの争いのない世界になってしまったことで、神が女というものを創造し、その下等で愚かな人間どもに、禍を与える」
 ということだったのだ。
 だから、女というものは、
「悪の使い」
 であり、人間からすれば、
「邪悪の根源だ」
 ということになる。
 しかし、だからといって、
「子孫を残してくれる。あるいは、家系の存続に、必ず必要な女性は、絶対に必要なのだが、邪悪な存在である女に、権力を与えては、そもそもの人類の存亡の危機にも関わる」
 ということで、人間社会において、女性の権利を著しく制限していたといってもいいのかも知れない。
 そおそも、ギリシャ神話であっても、発想は逆なのかも知れない。
「パンドラの物語が書かれている」
 ということから、
「女性というものは、邪悪なものだ」
 と考えるのではなく、
「そもそも、女性がその当時、邪悪な存在であったということを、神話になぞらえて、その邪悪な理由を、実しやかに正当化しようとして、パンドラの匣なる話をでっち上げたんおかも知れない」
作品名:つかさの頭の中 作家名:森本晃次