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同一異常性癖の思考

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 ということで、簡単な預かり証のようなものを渡しただけだったようだ。
 もちろん、詐欺なので、その購入というのも真っ赤なウソで、会社の金庫に入れているというのも、すべて贋者。中には一つくらい本物があったかも知れないが、それも、
「何かあった時のため」
 というものだったのかも知れない。
 だが、こういう詐欺行為というのは、幅を広げれば広げるほど発覚する可能性は高い。
 その発覚を、犯人グループが最初から予測をしていたのかどうか分からないが、疑惑が、次第に真実だということになってくると、いよいよ、マスゴミが騒ぎ出す。
 この時の発覚は、
「内部告発」
 つまりは、
「マスゴミに対してのリーク」
 というものがあったのではないだろうか?
 さすがに、非道な犯罪だということで、心ある社員が、ジレンマから苦しんだうえでのマスゴミリークだったのだろうが、結果、マスゴミが世間を煽ることで、警察も本腰を入れていた。
 ただ、実際には、このリークというのは、警察とすれば、
「余計なことをしてくれる」
 ということであった。
 実際に、警察も、詐欺グループの存在を把握していて、実は、
「内偵」
 というものが、進んでいたのだった。
 せっかく水面下で証拠を掴み、この詐欺グループを一網打尽にしようという計画だったのが、完全に崩れてしまった。
 世間でもマスゴミでも、
「内部からのリークをしてくれたおかげで、世間にこの事実が公表されたことで、リークした人を、正義の味方のように考えていた」
 ということであった。
 しかし、実際には、このリークは、
「会社ぐるみ」
 だったようだ。
 というのも、
「警察の捜査が入っているのが分かり、大規模捜索が行われるのも、時間の問題」
 と言われるようになってきたことで、やつらは、
「世間の目を引き付けることで、警察の捜査を攪乱させてやろう」
 ということだったのだ。
 ただ、それを自らの罪を告白するようであるが、こうやって先手を打っておいて、
「警察の出鼻をくじき、内偵からの捜査という基本的なやり方を崩すことで、少しでも、時間を稼ぐという方法で、今度は世間が期待している成果を警察があげられず、面目を丸つぶれにすること」
 で、
「このあたりが潮時」
 ということで、撤収するつもりだったようである。
 だから、まるで、敵前強行突破のようなやり方をしたのだ。
「攻撃こそ最大の防御」
 という言葉を使ったといってもいいだろう。
 だが、悪いことはできないもので、そんな悪徳組織の思っているようには動いてくれなかった。
 想像以上にマスゴミの効果はすごく、
「切り抜き報道」
 などのおかげで、あることないことをすっぱ抜かれ、そのあたりは完全に悪徳組織も計算が狂ったようだ。
「何だこのマスゴミの圧力は、悪徳という意味でいけば、我々よりもひどいじゃないか」
 というほど、完全に計算が狂っていた。
 そんなこともあり、会社には、マスゴミが押し寄せて、社長の突撃インタビューを試みようとしていたのだ。
 やつらは、自分たちが悪徳であり、
「自分たち以上の悪徳はいない」
 というくらいに思っていたようだ。
 だから、マスゴミをうまく利用しようと思ったのだろうが、まさかそのマスゴミは自分たちの上前を撥ねるような、もっとひどい集団であるということを完全に失念していたのである。
 元々、マスゴミは、勧善懲悪ではないし、実際に、
「囲み取材」
 のすごさは、政府などへのインタビューでも分かっていたが、ここまで煽るとは思っていなかったのと、
「世間はウワサニなったとしても、その時、センセーショナルな話題として騒ぐだろうが、すぐに他の話題が出てきて、忘れてくれる」
 と思っていた。
 だから、一度は世間を騒がせることをしておけば、次に何かあった時は、
「ああ、あの集団ならありえる」
 というくらいの、
「テンション低め」
 で推移すると思っていた。
 しかし、
「マスゴミというのは、勧善懲悪ではないが、世間は勧善懲悪だった」
 いや、勧善懲悪のふりをしているというべきか、何か大きな事件や疑惑が起これば、
「俺たちは勧善懲悪の立場だ」
 ということを前面に出し。そのことが、逆に話題を長引かせることに繋がるのであった。
 だから、その勧善懲悪に対して、マスゴミがまたしても騒ぐのだ。
 つまり、話題が長引くというのは、
「堂々巡りを繰り返すことで、なかなか世間が忘れるということはない」
 ということだったのだ。
 だから、この詐欺事件は次第にヒートアップし、最初の組織がもくろんだ計画は完全い裏目に出たのだった。
 そのせいで、マスゴミが密集する中で、
「社長の殺害未遂事件」
 というものが発生した。
 テレビカメラが動いている、生中継の中で、暴漢が現れ、社長にナイフを突き立てて、素早く去っていくというものだった。
 生放送で、しかも、一瞬の出来事だったことと、マスゴミの習性というのか、カメラを回すことが優先されて、結局、全国に暴漢の一部始終が流れることになった。完全なる、
「放送事故」
 だったのだ。
 それだけに、またしても、センセーショナルな話題が続くことになった。
 だが、いきなりの映像は世間を凍り付かせたというもの事実で、マスゴミも。
「これ以上、この事件に前のめりになるわけにはいかない」
 ということで、今までのような、囲み取材のようなこともなくなり、何か別の案件でこの会社が浮かび上がってこないかぎり、様子を見るということにしたので、世間の方も徐々に忘れていった。
 社長は、何とか命が助かり、曲がりなりにも組織の思惑通りになったというのは、組織にとっては良かったのかも知れない。
 ただ、社長の負傷という、大きな犠牲も元であったことも、彼らが悪徳であるという因果応報だったのかも知れない。
 ただ、結果としては、疑惑の中で罪に問われるということがなかった組織であったが、もうこれ以上の悪事はできない。確かに引き際ではあっただろうが、当初は、
「もう少し儲けるつもりだった」
 ということであったようで、計画は狂ったが、それも、自分たちが世間を甘く見ていたことから起こったこと。
「俺たちが招いたこととはいえ、痛み分けということになったかな?」
 と組織幹部は思っていたことだろう。
 この組織が結果どうなったかというと、二代目社長が、初代が一旦身を引いたはずだったのに、もう一度同じことをしようとして、今度はまた同じように、マスゴミの集中砲火を浴びたが、今度は、警察が介入してきて、完全にやっていたことが暴露されたことで、もう世間から、相手にされず、徹底的に罪に問われることで、会社の息の根は止まってしまい、幹部は罪に問われることになった。
 この代の幹部は、初代の時の幹部とは違い、頭が切れる人もおらず。結果、無能な社長と一緒に、先代と同じことをしようとして失敗したのだ。
 そもそも、二番煎じがうまくいくこともなく、しかも、初代のようにキレるわけではない。しょせんは、
「二代目のジレンマ」
 ということによって、焦ったところもあったのだろう。
「親父を超える」
 という意識であったり、
「二代目の甘さ」
作品名:同一異常性癖の思考 作家名:森本晃次