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減算法の都合

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 という発想からなのではないかと思うのだった。
 そういえば、昔の特撮ヒーローものの、例の、
「血を吐きながら続けるマラソン」
 の回の怪獣だって、巨大化したという設定ではなかっただろうか?
 というか、あの回の発想には、かなり無理があった気がする。
 というのは、例の怪物になった生命体であるが、
「細のあったところから、地球に一直線に向かって飛来する物体があります」
 と、地球防衛軍のレーダーが捉えているではないか?
 何がいいたいのかというと、
「そもそも、その宇宙怪物は、復讐にやってきたというが、どうして、地球が撃ち込んだミサイルによって、母性が破壊されたということが分かったのだろうか?」
 という疑問である。
 元々は、地球でいうところの、下等動物だったのだろう。
「生物はいない」
 と目されたところに実は生物がいた。
 その生物が、地球に復讐にやってきたという設定だったはずだ。
 本来であれば、地球が悪いのだから、何らかの制裁を受けなければ、教育的にはよくないだろう。
 しかし、地球が危険だからといって攻撃し、まるで侵略者のように、やっつけようとする。
「地球に飛来した怪物は、放射能を吐きながら、東京に迫っている」
 という。
 ここで不思議なことが出てきたのだが、
「なぜ、東京なのだ?」
 ということである。
 これを考えると、この特撮ヒーローものの話は、基本、
「宇宙からの侵略者を、宇宙からやってきた、正義のヒーローがやっつけてくれる」
 というのがテーマだった。
 そもそも、地球には防衛軍が存在し、最新鋭の武器を元に戦う戦士たちがいるのだが、ほとんどの場合、地球防衛軍では、侵略者たちには、歯が立たないので、そこで、正義のヒーローが現れて、侵略者をやっつけてくれるというものだった。要するに、
「地球防衛軍は、悪い言い方をすれば、役立たずということだ」
 そのうちに、防衛軍も、闘いながら、
「早く、ヒーローが出てきて、侵略者をやっつけてくれないか?」
 と思っていたかも知れない。
 だが、実際にはそうもいかないのだ。
 ここで、さらに、こじつけのような疑問であるが、
「そもそも、憲法9条が存在する日本という国が、世界連邦という発想だちはいえ、その支部のようなものを、日本に築いてもいいのだろうか?」
 ということである。
 確かに、
「地球上の国を相手にするわけではなく、地球全体の平和を守る」
 という意味であれば、日本に、防衛軍基地があっても、不思議ではない。
 しかし、今の法律を考えると、
「果たして、防衛軍基地にいて、実際の戦闘をするのが、日本人でもいいのだろうか?」
 ということである。
 今であれば、自衛隊も国際協力に赴いたり、
「憲法改正」
 という話も出て、自衛隊の存在明記の問題もあるので、それに関わるということで話も通じるのだが、昔の1960年代後半であれば、日米安保も落ち着いている時代なので、ある意味、一番、
「憲法9条に関しては、遵守した考えを持っていた時代だったのではないだろうか?」
 と言えるだろう。
 そうなると、基本的に、日本国内で軍としての効力を持っているのは、日本国内に展開している、
「米軍基地だ」
 ということになる。
 それを考えると、
「日本国内の地球防衛軍基地というのは、外人による運営ではなければいけないのではないか?」
 ということになる。
「日本人が地球防衛軍の軍人となるのは、憲法9条違反ではないだろうか?」
 という発想になってしかるべきではないか?
 という考えである。
 しかし、あの話を、
「SFものだ」
 という発想に立つと、確かに、日本という国を舞台に、地球防衛というテーマになってはいるが、
「実際には、同じ次元の同じ時間に存在している並行世界である、いわゆる、パラレルワールドではないか?」
 ということにしてしまえば、
「憲法9条違反ではないか?」
 という抗議になった場合、逃れられるとでも思っていたのかも知れない。
 何と言っても、テーマ的には、子供番組なのだ。子供相手に、
「憲法9条問題」
 を話しても分かるはずもないし、地球防衛軍がそもそも外人部隊だったとすれば、一生懸命に見るということもなく、視聴率はほぼないに等しいと思っていたのであろう。
 外人を俳優に使って、吹替ならまだしも、字幕などになってしまうと、完全に大人の番組と化してしまう。それでは、せっかくの、子供向けテーマがブレてしまうことになる。そうなると、子供だけでなく、大人も見ないだろう。
 結局。子供向けということにしておいて、
「大人も楽しめる番組」
 ということにして始めたのだが、最初の視聴率はそれほどよかったわけではないのかも知れない。
 実際に、再放送をしていくうちに、本放送を見た時、子供だった人が、大人になってから、再放送を見て、
「ああ、大人になって見ると、こんなに深い番組だったんだ」
 ということになるだろう。
 もちろん、それを製作者側が狙ったわけでは絶対にない、本放送の時に視聴率が稼げなければ、まったく意味がないからだ。
 実際に、この番組には、
「子供だから、あまり気にしない」
 というシチュエーションが結構あったりする。
 基本路線としての、
「宇宙人が地球を侵略にくる」
 ということであるが、
「普通、相手に戦争を仕掛ける場合、軍を編成してやってくるのが、普通ではないだろうか?」
 と考えるであろう。
 しかし、番組を見る限り、
「軍を率いている」
 とは、到底思えないのだ、
 というのも、相手の侵略してくる宇宙人が、例えば、作戦を見破られたとして、地球人を姿になっていた。
「宇宙人が、巨大化し、自分の温頼の怪物の姿になり、そして、正義のヒーローと戦う」
 ということなのだが、ここで、
「なぜ誰も不思議に思わないのか?」
 ということであるが、
「なぜ、1対1になるのか?」
 ということである。
 まあ、最初は一人目が様子見に戦闘を開始するというのであれば分かるが、ヒーローにやっつけられて、
「これは勝ち目がない」
 といって、宇宙船で逃げ出そうとすれば、正義のヒーローが、
「逃がすか」
 とばかりに飛んで行って、とどめを刺し、侵略行為を未然に防いだということになるのだろうが、この場面では、いくつかのおかしなことがある。
 まず、宇宙人は、なぜ、そそくさと逃げ帰ろうとするのかである。
 宇宙船ということは、無人宇宙船でのない限り、一人はいたはずだ。それなのに、味方がやられるのを、何もせずに見ていたということであろうか?
 せめて、援護の攻撃くらいしてもしかるべきだし、宇宙船に、どれだけの宇宙人が載っているのか分からないが、その連中が束になって攻撃してくれば、さしもの、正義のヒーローも負けてしまうだろう。
 何を、もったいぶって、
「味方を見殺しにしてまで、逃げ帰ろう」
 というのだろうか?
 一つ考えられることとすれば、
「地球を侵略に来たということで表に出てきた宇宙人は、実は母星では、奴隷であったり、犯罪者ではないか?」
 ということである。
 地球侵略に貢献すれば、
「罪は許される」
 あるいは、
「奴隷から解放される」
作品名:減算法の都合 作家名:森本晃次