輪廻転生のバランス(考)
「三店方式が悪い」
といって、悪の矛先をそちらに向けてしまうのは、やはり、最近言われるところの、
「コンプライアンス」
という問題になるのだろうか。
コンプライアンスであったり、女性問題であったりするのも、行き過ぎると、今度は別の社会問題を引き起こしかねない。
特に、20年くらい前からであろうか、
「男女雇用均等法」
の成立に合わせて、表記がいろいろ変わったりしているではないか。
「看護婦」
「スチュワーデス」
「保母」
などという言葉を使わなくなったりしているではないか。
それは、正直あまりいいことだとは思えない。
そもそも、男女雇用均等というのは、
「女性が無理をせずにできる仕事環境なのではないか?」
と思うのだ、
女性に、
「男女平等なんだから、男にはない生理休暇をオンナだからほしいというのでは、片手落ちだと思うのは違うのだろうか?」
と感じる。
逆に、
「女性は生理というものがあるのだから、男性のように無理をしないでいい」
という風にしておいて、
「だからといって、女性が休むことを差別に使わない」
という程度が一番いいのではないかと思うのだ。
そんなことを考えていると、中には、
「男女雇用均等法というものを、都合よく使おう」
という輩も出てくるのではないかということであった。
それが、
「男女差別」
あるいは、
「性犯罪」
というものに結びついてくると、一つの問題として、一般の人の頭の中に、
「女性は弱い」
という発想が刷り込まれているということだ。
例えば、痴漢犯罪など、昔は、
「女性による親告罪なので、女性の泣き寝入りが多く、女性が可愛そうだ」
という意識が強い。
そうなると、今度はそれを逆手にとって、女とまわりの人がグルになって、痴漢されたのを、まわりの人が見ていたという設定で、痴漢をしていない人に対して、その場で公表し、警察に突き出す場合もあれば、黙ってどこかに連れ出して凶悪することもある。
脅迫の場合は、男の方も、従うしかないと思い、それからそいつらに付きまとわれ、金をむしり取られ続けるという、まるで、美人局のような被害に遭いかねない。
警察に通報されれば、まわりの目もあることからやってなくても、まわりが見たというだけで、犯人扱いにされてしまって、その場で人生が終わってしまうというのも、女性の立場が強くなったことでの、冤罪を生むということになるであろう、
そうなってしまうと、今度は、
「女性が男性の立場と同等ではなく、完全に、男性が弱い立場に追い込まれる」
ということではないか。
「男女平等はいいが、行き過ぎてこういうことにならないかということを、果たして、皆分かってやっているのだろうか?」
と考えるのだ。
「まことにバランスが悪い」
と言っていいだろう。
いわゆる、
「美人局系」
の犯罪というのは昔からあった。
特にその中で難しいと言われるようになったのは、
「オンナが、誰か一人を狙って、その男に近寄ってホテルに入る。ずっと女が誘っているところを、急に女が怯えだしたと思うとそこに、別の男が入ってきて、撮影をしているので、これをばらまく」
といって脅しをかけるというパターンである。
犯人グループは、その男が、
「金を持っている」
そして、社会的な立場がある」
ということで、
「社会的な立場を揺るがされると困るだろう」
ということを狙って、美人局を行うのだ。
もちろん、女の色香にやられてコロッと騙される男も男であるが、騙す方は、もっとたちが悪いというものだ。
彼らはしかし、大きな間違いを犯している。この場合の美人局というのは、
「本当に成功するのだろうか?」
ということである。
というのは、犯人グループの間違いは、
「やる方は、自分がやられるということを分かっていない」
ということである。
どういうことなのかというと、
「相手のグループは、例えば狙ったターゲットが、芸能人であったり、社長であったりと、その肩書が重要だったりするわけではないか。だから、その分の金を持っているわけだから、確かに最初は、脅されれば、金を出してしまうだろう」
ある意味、犯人グループも、そこでやめておけば、まだよかったのかも知れないが、調子こいて、さらにその相手を、
「一生、金ずるにでもしよう」
とでも思うのか、まず間違いなく、最初にうまくいけば、最後脅してくるのは当たり前だというものだ。
しかし、やられた方は、
「はい、そうですか。私が悪うございました」
といって、ずっと金をむしり取られる人生を歩むと思うだろうか?
やられた方とすれば、問題はお金ではないのだ。
「もし、このことが世間に分かれば、自分の人生も終わりになってしまう。そうなると、全神経を集中させて、相手の攻撃を避けようとするに違いない」
と言えるだろう。
そうなると、やられた方は必至だ。
「金はこれからまた稼げばいい」
ということで、金に糸目をつけず、必死になって金を使って、防御することだろう。
そうなると、金で雇われた連中なのだから、プロといってもいい、ちょっと小遣い稼ぎ気分のチンピラに太刀打ちできるはずもなく、すぐに、素性もバレてしまい、奴らが揺すってきたのをこれ幸いにと、今度は、プロ集団がチンピラをボコボコにするというものだ。
要するに、犯人グループには、
「自分たちが、すべて攻勢であり、相手は、こちらのいうことを聞くしかない」
と思い込んでいるのだ。
だが、普通に考えれば、
「彼らは金を持っていて、立場の問題がある。だとすると、自分を守るために、金に糸目をつけず、こちらを壊滅させるまで攻撃してくるだろう」
ということが分かりそうなものである。
「何かの策を弄する人間は、えてして、相手もその作戦を使うことを失念している」
という当たり前のことを分かっていないのだった。
それが、
「美人局の限界」
と言え、
「そんなに簡単に成功するくらいなら、誰だってやっている」
というものである。
木造の急階段
今年の暮れくらいからであろうか。ちょうど交差点を一人の女性が渡っている時のことであった。年末なのに、人通りの少ないところは、本当に少なく、都会の喧騒をまったく感じさせないところであった。K市を通る国道から少し入ったところは、電車道から少し離れたところで、あまり高くない高架をくぐり、車であれば、徐行をしないと、道もあまりよくないことから、高架の天井にぶつかってしまう恐れがあった。
そんな場所を抜けてから、少しすると、車が線路沿いに走ってきたところと歩道がカーブになることで、見私の悪いところに出てくるというそんな場所がある。
以前からその場所は、
「出会い頭の事故の多いところ」
ということで、
「歩行者が車に引っ掛けられる」
ということがちょくちょく起こっていたりした。
本当は踏切でも作れば、このようなことはないのだろうが、今、鉄道法によって、
「新しく踏切を作ってはいけない」
という法律があるようだ。
要するに、
作品名:輪廻転生のバランス(考) 作家名:森本晃次