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怪しい色彩

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 伝染病の流行ということであり、最初の頃は、ただ、
「よくわかっていない」
 ということで。世間も政府お、
「ただ、怖がっていて」
 そのせいで、
「人流抑制」
 を余儀なくされ、自宅から出てはいけないというような宣言であったり、店などに対しては、
「休業要請」
「時短要請」
 などを行い、スーパーも、人がいるので、入場制限をしていた次第だ。
 それを思うと、ネットスーパーや、ウーバーイーツなどのサービスが注目されるのは当たり前のことであった。
 ウーバーイーツというのは、元々はタクシーなどの、配車システムから構築されたもので、
「会員が、カタログにある食べたいものを注文すれば、その情報が、各ファーストフード、ファミレスなどに、注文が入る。その注文を店が作っている間に、今度は、配達員に対して、配達するための会員の情報と、注文内容が入ってくる。そして、配達員は、その情報を見て、それぞれのダースとフードやファミレスを回って、出来上がった食事を持って、会員に届けるというシステムである」
 つまりは、配達員というのは、昔からの宅配サービスでいえば、
「デジタルピッキングのシステムと、宅配のための配達員の両方をしている」
 というようなものである。
 それに、今では、GPSという機能がついているので、
「配達員の誰がどこにいて、今は配達業務をしているのかいないのか?」
 ということまで分かるのだ。
 だから、それが分かったところで、本部の方で、人が手動であてがうのか、それとも、コンピュータが自動で割り振るのかは、その会社の形態によるだろう。
 この本部のシステムこそが、元々の、
「タクシーの配車システムの発展形だ」
 ということになるのであろう。
 何しろ、客から見れば、
「昔でいうところの、出前」
 であった。
 出前であれば、食べ物によって、それぞれに電話しないといけない。
 例えば、
「ピザであればピザ屋、すしであれば寿司屋。丼物やそばであれば、そば屋」
 などという感じである。
 それを、一か所に、しかも、ネットでの予約でできるというのだから、考えてみれば、
「まるで、このパンデミックというものを最初から分かっていたとでもいうかのようなシステム」
 という意味でも、ありがたいものであった。
 おかげで、パンデミックの時期に、ほとんどの会社が、ひどい目に遭い、中には、業界全体が全滅に近い状態になっているにも関わらず、
「特需」
 として、儲かった、希少価値の業界だといってもいいだろう。
 ウーバーなど、同じシステムで動いていたタクシー業界などは、本当に悲惨だったようだ。
「緊急事態宣言」
 なるものを政府が発令したが、あの宣言もいい加減なもので、
「目の前に見えているところにしか、補助金を出さない」
 という不公平なシステムでもあった。
 というのは、
「休業要請をする店舗に対しては、決められた範囲で補助金を出す」
 ということであった。
 しかし、問題は、それだけではなかった。
「店舗に休業要請を出すということは、店が閉店することで、そこがもし、飲食店であれば、店が仕入れる食材や、お酒の業者はどうなるというのだ?」
 国は、そこに関しての補助金までは考えていなかった。つまり、不公平な補助金だったのだ。
 さらに、その金額も、
「一律」
 ということであった。
 都会のように、家賃もバカにならないということで、回転率で営業しているところにとっては、自治体からの補助金などというのは、
「鼻糞にもならない」
 というものである。
 しかし、逆に、田舎のお店などは、そうではなかった。
「うちのお店だったら、店を開けても、閉めても、元々客がたまにしか来ないくらいなので、自治体から補助金が出るんだったら、喜んで閉める」
 というところも多かったようだ。
 何しろ、
「仕事をしなくても、自治体が食わせてくれる」
 というほくほくの人もいたことだろう。
 それこそ不公平だというものだ。
 そんな時代が、2年くらい続いただろうか、今では、ワクチンに頼り切っているのか、それとも、ウイルスの変異株が、
「感染力は強いが、重症化や致死率に関しては、かなり弱い」
 ということもあって、経済対策の方に舵を切ってしまったことで、果たしてそれが、今後どうなるか実に見ものである。
 ただ、今までの政府の政策は、
「すべてが裏目」
 だったので、今回も、そうならないという保証はない。
 むしろ、
「悲惨以外の未来が、誰の目にも見えてこない」
 というのが、本音に違いない。
「まあ、あの遣唐使がソーリをやっている間は、少なくとも、亡国の一途でしかないんじゃないか?」
 と、国民のほとんどは思っていることだろう。
 今のこの時代において、今回の、
「世界的なパンデミック」
 というものが、
「国の行く末を示している」
 といっても過言ではないだろう。
 そんな今の時代に、
「以前は24時間営業だった」
 という店も、今は、
「経営不振のため」
 ということで、深夜の営業をしないところが増えてきた。
 それも無理もないことで、パンデミックが起こった2年目くらいまでは、
「宣言を出して、その期間が終わったと思ったら、また宣言を出したり、延長したりするではないか」
 ということで、まったく、計画を店側も立てることができない。
「どうせ店を開けていても、すぐに、時短要請が出るんだから、それくらいなら、最初から時短にしとけばいいんだ」
 ということで、店は早く閉まるようになった。
 それに便乗して、鉄道会社も、終電を早める。
 そうなると、今まで、
「眠らない街」
 と呼ばれていた繁華街も、どんどん寂れてくるようになる。
 もちろん、それでも、夜中ずっと営業しているところもあるが、微々たるものだ。
 そんな街なので、宣言が出たり解除したりした時期には、犯罪が横行していた、
 その一番が、
「空き巣狙い」
 のようなもので、店を閉めたまま、たまにしか様子を見にいかないところは、行ってみると、やられていたということも少なくないようだ。
 真夜中は、基本営業をしていたので、警備会社と連結していないところは、やられ放題だったかも知れない。
 ひどい時には、強引に店を壊してでも、盗みに入る連中もいて、その強引さは、ひどいものであった。
 それを思うと、どれほど世の中が乱れているか、そして、
「眠らない街」
 というものが、本当に閉まってしまうと、どんなゴーストタウンになり、一気に、無秩序になるかということが分かるというものであった。
 そんな街において、今までは、空き巣などが多かったが、最近では、殺人事件などという、
「物騒な世の中」
 という言葉で言い表すには、不謹慎な状態になってきているということを、まだ、マスゴミは世間に伝えてはいなかった。
 新聞などの小さな記事や、ニュースフラッシュなどの、状況を伝えるだけの、数十秒くらいのニュースに埋もれてしまって、大きなニュースとしては取り上げられていない。
 それだけ、世の中というものが、
「全体的に物騒になり、そのせいで、少々おことでは驚かない世の中になってきたのではないか?」
作品名:怪しい色彩 作家名:森本晃次