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元ソーリ暗殺未遂

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 そんな時代においても、
「頭の中がお花畑だった占領軍は、さすがに、ソウルが陥落したのを受けて、これはまずいと思ったのか、すぐに、人選上陸作戦を成功させた」
 ということであった。
 しかし、実際に、その後、今度は、
「中国の人民解放軍が攻めてこない」
 と思い込んだこともあって、要するに、
「考えていたことがすべて思い込みとなってしまい、作戦も後手後手に回ってしまった」
 といえるだろう。
 しかも、
「ソ連とアメリカの代理戦争」
 とまで言われていたのに、相手は中国軍は出てきたが、ソ連軍が出てきたわけでもないのに、戦争が膠着状態になってしまったのは、連合国側の、
「甘い考え」
 ということなのだろう。
 何しろ、
「朝鮮戦争」
 というのは、アコーディオン戦争と言われるくらいに、前線が上に行ったり下に行ったりであった。
 それだけ、
「厄介な戦争だったのだろう」
 アメリカが、ちゃんと見誤らずに戦争をできていれば、ひょっとすると、多国籍軍がなくとも、韓国軍だけで、防げたのかも知れない。それを思うと、あれだけの長い間戦争が続いていたというのも、伺えるというものだ。
 そんな戦争が、今度はベトナム戦争に及び、またしてもアメリカは、北部ベトナムの力を見誤った。
 というよりも、
「大東亜戦争の時代であれば、戦争を早く終わらせることで、アメリカ兵の命を一人でも救う」
 ということで、
「絨毯爆撃
 というものを行い、批判を浴びはしたが、何とか、戦争に勝つことができた。
 しかし、朝鮮では、自分たちの考えが甘かったことで、中国の台頭を見誤り、長期化してしまったことで、また爆弾を大量に降らせることになった。
 だが、ベトナムにおいては、最初は、
「軍事基地を中心に、ピンポイント爆撃」
 というものを行っていたのだが、実際には、
「成果が上がらない」
 ということであった。
 つまり、ピンポイント爆撃であれば、
「相手からの報復もあり、作戦の被害のわりに、効率のいい攻撃ができない」
 ということになり、国内から、攻撃や作戦に対して、避難があがった。
「自分の息子がなんで、死ななければいけないのか?」
 というようなことであろうが、その声に押される形で、アメリカは、またしても、
「無差別爆撃」
 に走ったのだ。
 ということになると、今度は、爆撃被害を撮影した写真が世界に公表されると、それが今度は、物議をかもし、
「残酷すぎる」
 ということで、
「ベトナム戦争の反戦運動」
 が巻き起こったのだ。
 だから、その状態をアメリカはまずいと感じ、兵を南ベトナムから引き始めたのだ。
 つまり、
「中国や朝鮮でやったことを、また、ベトナムでやるという、南ベトナムからすれば、アメリカに援助されて行った戦争で、肝心なところでアメリカに見捨てられた」
 ということになるのである。
 日本の置かれている状況としては、
「日米安保」
 という観点で、
「日米地位協定」
 というものがあった。
 これは、
「一応日本が、占領国ではなくなったことで、新たな日本の枠組み」
 ということでの、主に、
「日本国内でのアメリカ軍の占める位置」
 とでもいえばいいのか、それを規定したものである。
 これにより、日本国内においての、米軍基地の在り方などを規定したもので、それにより朝鮮戦争、ベトナム戦争では、
「日本国内のアメリカ軍基地から、出撃していった」
 というものも結構あった。
 つまり、日本国内の、米軍基地というのは、
「アジアにおける、米軍の前線基地」
 ということを示している。
 つまり、米軍にとって、朝鮮であっても、ベトナムであっても、重要な基地であることに変わりはなかったのだ。
 もちろん日本は、
「敗戦国」
 であるため、このような仕打ちは仕方がないのだが、考えてみれば、せっかく、ペリー来航からの、不平等条約の撤廃にまでこぎつけた明治政府の日本であったが、結果として、それから半世紀も過ぎないうちに、日本は、欧米列強に宣戦布告をし、最終的に、国土が焦土になったところで、無条件降伏。
 それまでの、明治政府の努力を踏みにじる結果になってしまったといってもいいだろう。
「どこで、変わってしまったのか?」
 というのも、重要なところだ。
 ところどころでターニングポイントがあった。
 満蒙問題と、食糧問題を解決するための、満州事変は、
「しょうがない」
 としても、そこから先の中国本土への侵攻。
 あるいは、偶発的な事故だったとはいえ、盧溝橋事件も、一度は解決したとはいえ、中国による虐殺は挑発で引き込まれた、シナ事変。ここでの問題は、
「トラウトマンによる和平交渉」
 がその一つだっただろう。
 これは、ドイツ人の駐華ドイツ大使であった、トラウトマンと大佐が、仲介となって誘導された、
「シナ事変の和平交渉」
 だったのだ。
 日本側が提唱した内容に対して、最初、蒋介石は、
「これくらいであれば、応じることができる」
 ということで、和平に乗り気だったのだが、日本軍が、
「南京を陥落させた」
 ということで、その条約内容を、かなり厳しくしてきたので、せっかく乗り気だった蒋介石を頑なにしたことで、シナ事変の和平がならなかった。
 それによって、日本は、中国奥地に誘い込まれて、長期戦となったのである。
 また、もう一つのターニングポイントは、
「大東亜戦争において、当初の計画通り、勝っている間に、日本国が有利になるような、和平交渉というものを行っていれば、戦争は、少なくとも、焦土にならず、占領という憂き目にあることなく、日本の顔が立つように、終結していたかも知れない」
 ただ、元々戦争には引きずりこまれたのだから、アメリカが、いずれは勝てる戦争を、むざむざ辞めるとは思えないが、ひょっとすると、戦争を辞める最後の機会だったのかも知れない。

                 自首してきた男

 そんな時代を超えて今の時代に入ってきたが、暗殺未遂をされそうになった元ソーリは、今回も、
「憲法改正」
 を強く謳っていた。
 今回は、何とか難を逃れたが、今までにも実は何度か、殺害未遂があるにはあったのだ。
 その時の犯人は、結局捕まることはなかったが、今度の犯人は、前の時と違って、防犯カメラにもその顔が写っていた。警察も、
「とりあえず、モンタージュを作成し、全国に配布する」
 ということにした。
 実際の防犯カメラの映像は、その形相と、少し暗く、さらにスピードがかなりのものだったので、かなりぼやけている。それを証拠として、犯人を絞ることはできても、証拠としては、少し難しいのではないだろうか?
 何と言っても、その顔は、凄まじい形相をしていた。
「怒りに満ちている」
 と言えばいいのか、それとも、
「まるで、断末魔の表情」
 のようだった。
 つまり、自分が犯人として、相手を狙っている表情というよりも、自分が殺されそうになっているかのような、どちらかというと、恐怖に満ちた表情だった。
 そんなおかしな表情なので、容疑者がもし捕まったとしても、相手が、
「自分ではない」
 と言えば、証拠能力はなさそうだ。
 それでも、
作品名:元ソーリ暗殺未遂 作家名:森本晃次