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パンデミックの正体

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 いくら、相手が攻めてくるということが分かっても、先制攻撃はできないのだった。
 そんな国が、特定の国と敵対関係になったらどうなんだろう?
「我が国は、平和憲法があって、先制攻撃できないから、攻撃しないでくれ」
 などということが言えるわけもない。
 それこそ、
「頭の中が、お花畑のようだ」
 といわれても仕方のないことであろう。
 それを思うと。最低でも、
「絶対中立:
 が当たり前なのだ。
 それを今頃になって、
「防衛費拡大」
 などと、
「日本は社会情勢で危ないところにいる」
 といって、
「そんな国なのに、さらに敵を増やしたのは、どこのどいつだ」
 と言いたくなってくる。
 今年になると、さらに、攻められている国に対して、経済支援を行うようになった。
 人道的には、
「いいことをした」
 というのだろうが、そのお金は、
「政治家のポケットマネーではなく、国家予算」
 から払われているのだ。
 子供でも分かる、国民一人一人が払っている、
「血税」
 というものである。
 しかもである。
「数年前からのパンデミックによって、経済は冷え込んでしまい、今すぐにでも、支援金がほしいと思っている人がたくさんいるのに、自国の国民の窮地を放っておいて、海外に金をやるとはどういうことだ?」
 ということだ。
 つまりは、
「苦しんでいる人の首をさらに絞める」
 という行為であり、さらには、
「傷口に塩を塗る行為」
 といってもいいのではないだろうか?
 そもそも、支援する相手国にも政府があるわけで、そちらはそちらでやらせればいいのだ。
 そりゃあ、お金が有り余って、
「どう使っていいのか分からない」
 というほどの国であれば、
「人道支援のために、お金を使うというのは、素晴らしい政治家だ」
 ということになるだろう。
 しかし、そうではなく、国民を見殺しにして、他国を救おうという、まるで、
「売国奴」
 のような男が、一国のソーリだというのだから、
「この国も、来るところまできてしまったか?
 ということになるに違いない。
 それを思うと、
「政府なんて、なくてもいいんじゃないか?」
 という人まで出てくるのではないかと思えるほどだった。
 とにかく、今の時代は、
「税金を高く取られて、国民生活は苦しい。しかも、国は借金だらけ」
 という状態なのだ。
「お金は一体どこに消えたというのか?」
 と、小学生にでも解けるはずの算数が、完全に、
「解なし」
 の状態になっているのである。
 まるで、
「どこかに捨てられているのではないか?」
 と思えるような状態に、誰も回答できる人がいない。
 それだけ、金の管理が政府にはできていないということか?
「できるわけないじゃないか。それができるくらいなら、年金を消したりなんかするはずないだろう」
 ということになる。
 ここまでくれば、
「年金は消したわけではなく、どっかの誰かが一人、あるいは、特権階級の連中ばかりで、貪っているのではないか?」
 という疑念も湧いてくる。
「そんなバカなことはないだろう?」
 と前だったら、言えたかも知れないが、今は、
「そんなバカなこともあるかも知れない」
 と思えるほどになったのだ。
 それを考えると。
「我が国というのは、政治家が魑魅魍魎のようで、きっと違う生き物なのではないか?」
 ということさえ思えてくるくらいであった。
「自○党の、キ○ダソーリ。早く辞めてください」
 という声が聞こえてきそうだ。
 支持率も30%を割り込んでいるというではないか。
 普通だったら、退陣問題が目の前に来ているというのに、そこまで盛り上がっていない。なぜなのだろう?
 増税問題で、さらに支持率もさがり、下手をすれば、20%も割り込む気配になってきている。
 それなのに、あのソーリの強気派どこから来ているというのか?
 確かに、大きな選挙は近々あるわけでもないし、ソーリの任期も、まだ3年近くある。そういう意味では、安泰のはずで、しかも、
「何かをするなら今でしょ」
 という感じである。
 だから、強気なのであろうが、それよりも、見方によっては、
「やけくそ」
 という見方もできる。
 今まで、順風満帆に来たのかどうかは分からないが、少なくとも、国のトップに上り詰めたのだから、
「もう、これで満足だ」
 とでも思っているのかも知れない。
「ここから先、この国がどうなっても、どうでもいい」
 というくらいにしか思っていないのであれば。それに巻き込まれるのは、国民であった。
「一億二千万」
 という国民全員を敵に回しているという意識は、あのソーリにはないのだろう。
 そう思うと、今年になって、いろいろあったことに対して、
「検討します」
 と、
「遣唐使」
 を貫いてきたのも、逆に簡単に決めてはいけない、
「国葬問題」
 であったり、
「増税問題」
 などを、ソーリという看板にものを言わせて、強行突破しようというのだから、
「わがままだ」
 といわれてもいいだろう。
 昔だったら、わがままな子は。親でなくとも叱る大人がいたのに、今は実の親でも叱ることはおろか、言って聞かせるということすらしようとしない。
「大人に、それだけの技量がない」
 ということなのだろう。
 ソーリという、皇室以外のトップの権力者にまで上り詰めると、
「どんなわがままでも通る」
 と思うのだろうか?
 もしそうだとすれば、自分がソーリの側近だった時、何を見てきたというのか、
「いや、側近として見てきた歴代のソーリが、すでにろくでもない連中だった」
 というだけのことだったに違いない。
 それを思うと、
「今のソーリがああなったのも、しょうがないのか?」
 といえるのかも知れないが、
「国民という当事者が、しょうがないなどという言葉でごまかしていいのだろうか? そんなことをしてきたから、今のとんでもない政府ができたのであって、この流れで、いい方に向くなどありえない。亡国の一途をたどるに違いない」
 としかいえないだろう。
 それを思うと、
「国家や政府って、誰のためにあるんだろう?」
 という、単純なはずのことが、一番分からないことになってしまうのではないだろうか?
 そんな世の中の理不尽さを、美亜は知るわけもないはずであった。しかし、そんな美亜が、
「服毒自殺をした」
 ということの衝撃が走ったのは、、美亜が退院してから、一カ月くらい経ってからのことだった。
 家の中でぐったりしている姿を見つけた母親が、急いで救急車を呼んだ。一刻を争う事態だったので、当然、救急病院に搬送されることになった。
 救急病院は、自宅から、救急車で15分のところにあり、急いで解毒治療が行われた。幸いにも、
「致死量にまで至っていなかった」
 ということと、
「発見が比較的早かった」
 ということ、さらには、
「毒物が早く分かり、幸いにも血清がすぐに届けられた」
 という偶然がしっかりと重なり、一命をとりとめたのだった。
 この救急病院の今回執刀した医者は、大学時代に、若先生とは、
「昵懇の仲」
 だったのだ。
 同じサークル。二人はサッカー部に所属して、一緒に汗を掻いた仲間だった。
作品名:パンデミックの正体 作家名:森本晃次