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死体発見の曖昧な犯罪

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 それぞれの大名として、守護職がそのまま大名となる場合、守護代や国人によって、とって変わられる、
「下克上」
 によって成立した大名、彼らが、隣国を攻めたり、あるいは、同盟を結んだりして、領土の拡大をしていく、それを、
「群雄割拠」
 といい、これらの時代を、
「戦国時代」
 と呼ぶようになっていった。
 この時代における、一番の画期的なこととしては、
「種子島に、鉄砲が伝わった」
 ということであった。
 さらにいえば、ほぼ同時期に、
「キリシタンが入ってきて、キリスト教の布教を行い始めた」
 ということが大きいのではないだろうか。
 戦国時代の、一時期ではあったが、覇者となった織田信長、彼が天下を取れたのは、この、
「鉄砲伝来」
「キリスト教伝来」
 にほかならなかった。
 基本信長は、天下統一目前で、
「本能寺」
 にて、殺害されたということであるが、それがなければ、天下を握った状態で、あとは、それを全国に号令するだけだったので、ここでは、信長は、
「天下を取った」
 ということにしたいと思う。
 結局、信長は、
「天下取りには、武力によるものでなければいけない」
 ということを、
「天下布武」
 ということで示していたが、
 天下布武というのは、
「力によって、天下平定をしなければ、いつまた下克上になるか分からない」
 ということも含まれているのだろう。
「絶対的な力で天下を取らないと、またすぐに、戦国の世に戻ってしまう」
 ということを分かっていたのだろう。
 そういう意味で、かつての君主と呼ばれる人たちが、ほとんど全員、絶対的な力に固執したという理屈も、そう考えれば、分からなくもないだろう。
 信長はそういう意味も込めて、まずは、
「鉄砲という新兵器が、戦場では大いに活躍する」
 ということを最初から分かっていて、まずは、
「鉄砲をいち早く、できるだけたくさん入手する」
 という目的を掲げ、
「それには、金がいる」
 ということも分かっていた。
 そうなると、
「貿易によって、金儲けをする」
 そして、その相手は外国だ。
 そこで考えられるのが、
「キリシタン」
 だったのだ。
 キリシタンを使って、貿易で収益を得る。
 ひょっとすると、自分が天下を取った暁には、キリスト教を広め、
「自分が神である」
 ということを大々的に宣伝しようと思っていたのかも知れない。
 そもそも、自分のことを、
「神である」
 と言いだしたのも、キリスト教の考えに従ったもので、領民を従わせるには、自分が神になるという必要があったのかも知れない。
 だから、信長は、国内で宗教団体に敵が多かったと考えるのは、無理なことだろうか?
 確かに、
「比叡山」
「本願寺」
「一向宗」
 などと、実に敵が多かった。
 実際に、他の戦国大名と結んで、信長が何度も煮え湯を飲まされたことが多かっただろう。
「比叡山の焼き討ち」
 というのも、一見、極悪非道に見えるが、
「一応、他の大名に味方をすれば、焼き討ちを行う」
 ということを勧告しているので、騙し討ちでも何でもない。
 それを考えると、信長が、
「問答無用で、皆殺しにした」
 というわけでもないのだ。
 普通に考えれば、いくら神社仏閣といえと、いや、神社仏閣だからこそ、どこかの戦国大名に味方をするなどというのは、許されることなのだろうか?
 相手からすれば、相手が何であれ、自分たちの敵であれば、これを撃滅するのは当たり前ということだ。
 そうでなければ、中立が当然であろう。何も信長は最初から、宗教を敵対視していたわけでもないのに、相手が勝手に敵に回ったのであれば、やってられないと思うのも当然というものだ。
 そんな時代において、信長が、
「キリスト教を容認した」
 というのも、他の宗教には許せないことだったのかも知れない。
 ただ、信長が、どこまでキリスト教というものの正体を知っていたかということが問題ではないかと思うのだ。
 そもそも、当時のキリスト教を布教していた、本国をポルトガルにおく人種は、当時はちょうど、
「大航海時代」
 ということで、次々と新しい土地を発見し、そこで採れる産物の利益を得ようと、それらの国を次々に植民地にしていった。
 そのやり方として、
「まず、キリスト教を布教させ、そもそもの宗教と戦が起こり、それを仲裁という名目で、一気にその国を植民地にする」
 というやり方をしていた。
 東南アジア諸国が、ほとんど、植民地化していく。当時の信長がそこまで知っていたかどうかは疑問だった。
 だが、そういう意味で、キリスト教と、日本にいわゆる宗教とが直接衝突しないように、それを一手に引き受けたのが、信長だったのだとすれば、
「信長という男は、実に賢い男だ」
 ということになる。
 だが、時代背景という意味では、どこまでそれが正しいのかどうか、正直分かったものではなかったのだ。
 だが、それくらいのことを考えていても不思議がないのも事実で、
「内乱という意味でいけば、今もすでに戦国の群雄割拠という時代ではないか。この戦乱を収めることができるくらいなら、自分たちでやっているわ」
 とばかりに、当時の日本を侵略できるだけの国かとうか、分かるはずもないだろう。
 結局、日本は、
「植民地化するには、とても外国に手に負えるだけの国ではなかった」
 ということで、外国もきっと方向転換したことだろう。
 というのは、
「まずは貿易を盛んにすること」
 これは、国内が荒れていることで、容易にできることは考えられる。
 特に、武器弾薬など、鉄砲を中心として売れるのは分かっているからで、特にたくさん買ってくれる信長などは、
「大得意」
 だったに違いない。
 この時代において、貿易港である境をしっかり押さえている信長は、宣教師たちも扱いやすかったことだろう。
 他の大名の中にも、鉄砲に興味を持つ大名はいただろうが、そのほとんどを信長が独占していたので、
「天下取りは十中八九信長だ」
 ということを一番分かっていたのは、渡来人だったのかも知れない。
 そういう意味で、信長に天下取りの方法、あるいは西洋風の戦い方など教えたのも、彼らだったかも知れない。
 信長の数々の奇襲であったり、戦法は、宣教師からの入れ知恵もあったのではないだろうか?
「長篠設楽原の戦い」
 においての、いわゆる。
「鉄砲三段内」
 と言われる戦法も、
「舶来だった」
 と考えれば、辻褄の合うことではなかっただろうか。
 それを考えると、
「時代が信長を求めた」
 といってもいいだろうし、そこに君臨したのが、宣教師だったといってもいいだろう。
 しかし、信長は、志半ばで、
「本能寺」
 において、謀反に逢い、殺害されてしまった。(自害であっても、攻められての自害なので、殺害ということである)
 これも、うがった見方をすると、世間でもいろいろ言われている、
「本能寺の変の疑惑」
 というものが、出てくるのである。
 疑惑というのは、他ならない、いわゆる、
「黒幕説」
 である。
 よく言われているのは、まず、
「足利将軍節」
作品名:死体発見の曖昧な犯罪 作家名:森本晃次