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遺伝ではない遺伝子

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 そして、地球人というものが、どれほど彼ら地球人というものを分かっていないか。それは、
「宇宙の中での地球という星の立場」
 というものであり、そもそも、
「地球における人間というものの立場」
 ですら、何も分かっていないのだ。
 地球人は、自分たちこそ、地球の代表のように思っている。だが、地球上では、他の星に存在しない特殊な関係性が存在していた。
 それが、自然の摂理によって形成された、他種族共存においての、
「優位性」
 というものだった。
 なるほど、人間というのは、ある星が生まれて、その星の生物が、どんどん発展していく中で、まるでウイルスのように、変異していき、どんどん苦闘な動物に生まれ変わっていく。
 最初は単一種族だったものが、まるでネズミ算式に、長い年月をかけて、変異していくのだ。同時に別種族が変異していく。最初はそれが細胞分裂のように別れていっただけのものであったが、そのうちに、ある程度の数の種別に落ち着くと、そこからどんどんと、それぞれが同時進行で、繰り返される変異で、それまでは、大差のなかったそれぞれの種族に、次第に明らかな優位性が現れてきた。
 というのは、明らかに変異の違いによって、差別化されていき、高等生物と、原始動物とに分かれてくるということだ。
 その分かれ方は、時間が経てば経つほど、歴然としてくるのであった。
 その中には、史上最強の力を持つことで、いかにも、弱肉強食の時代を作ってきた恐竜というものの栄えた時期があった。たぶん、その頃から、
「自然の摂理」
 なるものが形成されていったのであろう。
 動物と、植物に分かれ、同じ動物の中にも、
「食う者、食われる者」
 という両者が現れ、それが宿命であるかのように、当時の、
「社会」
 を形成していたのだ。
 そんな時代が、かなりの間続き、地球は、氷河期を迎えた。
 それまで、栄華を誇ってきた恐竜は死滅していき、
「地球を代表する」
 という動物は、現れなかった。
 また、氷河期においても、生き残れるという単細胞であったり、原始動物が、生き残ってきたことだろう。
 そんな時代を、
「時代が逆行している」
 と見るのか、それとも、
「時代は時系列に沿って進んでいる」
 と見るのかは、同時の原始動物に分かるはずもない。
 氷河期という時代が何度か訪れ、今の現代から見て、最後に終わった氷河期から見て、そこから、いわゆる、
「ホモサピエンス」
 と呼ばれる、いわゆる、
「地球人の祖先たる種族」
 が生まれてきた。
 彼らは、原始動物から、高等動物への階段を着実に上っていき、本当の高等動物へのステップアップするための、スピード感を身に着けた種族だったのだろう。
 身体の曲がった状態から、次第に二足歩行が、自然な動物へと変化していき、次第に人類というものが出来上がってきた。
 彼らは、狩猟をするのに、武器を使い。集団で行動することを基本とする種族であった。そのうちに、火を使うことを覚え、ここに至って、現代人が形成されるべき、人類の先祖が確立したと言われる。
 気になるのは、
「そんな人類の先祖と言われるような種族が生まれてくるまで、地球を支配していた種族は何だったのだろう?」
 ということである。
「本当にそんな種族が、かつて存在したのか?」
 という疑問であるが、そもそも、地球上に、他種族が存在するようになってから、地球で代表する生物がいなかったのかどうかである。地球というものを創造した、
「創造神」
 のようなものが存在していたのであれば、生物の中に、
「地球の代表を作っていてもいい」
 といえるのではないだろうか。
 つまり、人間というものが、今の時代では、
「代表として君臨している」
 というのであれば、例えば恐竜がいた時代、
「本当に恐竜が、地球の代表なのか?」
 ということに関わってくる。
 要するに、
「その当時の資料や、存在を裏付けるものが何も残っていないことで、我々人間の頭では、創造することのできないような高等生物が存在していなかった」
 とは言い切れないだろう。
「一切、生存をうかがわせるものが何も残っていないということであれば、その高等動物は、滅亡する際に、自分たち生存した証拠を、決して未来に残さないように生存の形跡を消し去ることができるだけの文明を持っているのかも知れない」
 これが意味するものとして、
「人間というものは、自分たちだけが、地球の代表のように思っている」
 ということは、かつて、存在していたかも知れない、
「高等動物の先祖」
 ただし、あくまでも、
「決して、人間の先祖だとは言っていない」
 という但し書きがつくのであるが、彼らは、
「人間と根本的に違うものなのか?」
 いや、違っている種族なのかも知れないが、
「高等動物というものになればなるほど、高等動物という宿命を背負っているということになり、彼らも、地球の代表として君臨はしたが、その知能と科学力によって、自分たちがどこまで存在できるのかということも分かってしまっていたと考えられる」
 と考えて、さらに考えは深まって、
「そうなると、これから再度生まれるであろう、自分たちの子孫であるかも知れない、新たな種族に、自分たちの文明を託してもいいのだろうか?」
 という感情である。
 彼らは、それなりのプライドを持っていたことだろう。
 プライドというのは、ある程度の高等動物以外には持てるものではない。少なくとも、感情のある動物以上でなければ、持っていたとしても、
「宝の持ち腐れ」
 ということになるだろう。
 そうなると、そのプライドの高さは、進化の度合いに比例しているとすれば、彼らが自分たちの存在を一切、後世に残さなかったのだとすれば、それは、人類から見ても、想像もつかないほどの知能と文明を持った。当時を明らかに支配していた、
「地球の代表」
 にふさわしい種族だったのかも知れない。
 もし、創造主というものが、人間が信じている、
「神」
 という存在だったとして、神というものの存在をいかに裏付けるかということになる。
「もし、創造主が、地球外の生物、しかも、人類や、過去の存在した、人間よりもはるかに深い知能を持った種族よりも、さらに上の宇宙人であろう」
 そう考えると。
「創造主=宇宙人」
 という側面も、前述の流れで十分に考えられなくもない。
 そんなことを考えていると、
「地球の代表者」
 として、かつての文明人と言えるような人が、当時の宇宙人と、対等に渡り合い、交渉の場につけていたのかも知れない。それは、今の我々、つまり人類には想像もつかないようなことであるが、それも、
「過去の文明人が、その後の文明人に何も託さなかった」
 ということの証明になるのだろう。
 過去の文明人とは、果たして、どんな人種なのだろう?
 ここで、敢えて人種と言ったのは、現代の人類のせめてもの抵抗のようなものかも知れない。
作品名:遺伝ではない遺伝子 作家名:森本晃次