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遺伝ではない遺伝子

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「自分たちの勢力を盛り返す時期がきた」
 ということで、各地で反乱がおこり、
「鎌倉幕府の滅亡」
 に繋がったのだ。
 要するに、このような、
「征服目的」
 という侵略行為以外には、
「やむを得ない場合」
 というものあるだろう。
 例えばであるが、
「星には寿命というものがあり、そこにいる民族が生き残るために、移住先の星を見付ける」
 というものだ。
 もちろん、一番最初に考えられるのは、
「無人の星」
 である。
 例えば前述の、
「架空の星」
 として創造したものに、
「空気もない単一種族だけが住む星」
 というものを考えた。
 ひょっとすると、広い宇宙の中では、それらの星も結構多いだろう。むしろ、空気もあって、他種族や、植物のようなものもあり。生きるために、たくさんの行動が求められるという地球のような存在の宇宙は、珍しいのかも知れない。
 そして、それらの星は、それぞれに、存在を知っていて、それどころが惑星間連邦のようなものを作っていたり、そこで、有効な法律のようなものも確立されているのかも知れない。
 地球のような事情の星が、それら、惑星間の条例のようなものを知らずに、好き勝手に、いわゆる、
「宇宙開発」
 などという目的を掲げて、勝手にロケットなどを打ちあげたらどうなるだろう?
「限られた我々の宇宙の平和と安定を乱している」
 ということで。地球を懲らしめようとやってくるかも知れない。
 ただ、逆に星の寿命が近づいてきて、そのせいで、種族がどんどん死滅していき、それでも生き残ろうとした種族が、必死になって生き残ったことで、地球でいうところの、
「自然の摂理」
 というものを必要としない世界が存在し、しかし、どんなに文明が発達しても、母星の滅亡を解消できるだけの科学力を持つにはとても及ばないとすれば、
「他の星に活路を見出す」
 かも知れない。
 しかし、少なくとも、連邦を組んでいる国を相手にそんなことはできない。惑星間条例において、
「侵略行為」
 と見なされると、ハッキリと、憲法には書かれている。
 そうなってしまうと、もうどうしようもないだろう。
「連邦の力の及ばない星を見つけて、早々に移住していくしかないだろう」
 ということだ。
 もし相手が地球だったとすれば、そんな宇宙の理屈も、まだ隣星との関係性もよく分かっていないという程度の文明しか持たないのであれば、
「よし、あの星を占領して、原住民である、地球人という連中を、奴隷として扱ってもいいのではないか」
 と考えていたとしよう。
 このあたりは、
「考え方は野蛮だ」
 と言われるかも知れないが、戦をしていただいたものをいかに使おうが、その国の勝手であるという法律が、連邦の昔の法律にはあったらしい。
 今では、まったく違った連邦法規になっているが、それが、惑星間の掟として存在しているのは、
「ある時期に、一つの星が、核実験を行い、母星もろとも、民族も全滅させてしまい、さらにしばらく、隣星、いくつかが、住むには危険を伴うということで、避難を余儀なくされたという黒歴史があったあという。
 それを思うと、今の平和条例に近いものも無理もなかった。
 下手をすれば、
「有事というものに、一切かかわることがないだろう」
 と、真剣にお花畑のような考えでいることも多いだろうということだった。
 だが、それでも、母星が消滅してしまうのであれば、本来なら、
「生命反応がなくて、自分たちが生きてさえいける星があれば、そこで暮らせばいいわけなので、案外、そんな星は、宇宙にごろごろあるだろう」
 というのが、最初の見解だった。
 だが、その見解が間違いであるということに気づくまでに、そんなに時間が掛からなかった。
 惑星間の連邦というのは、一つの大きな国が首長国のようなところで、そこに衛星国とでもいうのか、
「サテライト」
 と呼ばれる星が固まり、その法律も、
「首長国とサテライトの間」
 さらに、サテライト間では、基準となる法律が大きなものを占めていて、実際の、星間においては星間条例が結ばれ、それは、星間一般法に定められた内容の範囲内であれば、問題ないとされたのだ。
 だから、A星との間での取り決めが、B星の間でも有効だというわけではない。それぞれにお互いの主張を出し合って。お互いに妥協案を出すことで決めてきたことだった。
 そういう意味で、法律をきめるのも、毛工大変だったに違いない。
 ただ、本当にビックリしたこととして、
「この宇宙はかなり広いので、惑星間の協定が結ばれているのは、一部だけだと思っていた」
 実際に学校でもそういう教育を受けてきたのだが、大人になってみると。実際に、この宇宙で、この連邦の影響を受けていないところは相当に少なかったようだ。
 それを思うと、
「他の星を探すのも結構難しいな」
 と思った。
 なかなか決められず、右往左往してしまうと、母星の命も時間の問題なのに、いつまでもウロウロしてはいられない。
 そうなると手っ取り早く、知っている星を戦略目標にしないといけないのだろう。
 その白羽の矢の立ったのが地球ということであり、その地球に降り立った時、そこに、地球民族がいて、実は他にも生命がいるということを教えられた。
 さすがに先進国の彼らでさえ、初めて見る地球という星の正体が、想定していたよりももっといろいろあることに驚いた彼らは、さすがに無理はできないとして一度、母星に引き返した。
 母星からの光学望遠鏡には撮影装置もついていて、その照射によって、地球の生物、さらに、地球の歴史という情報を吸い取ることができるというテクノロジーまで存在していたのだ。
「うわっ、何て星だ」
 とばかりに。彼らは驚かされた。
 まず、緑に染まったジャングルや、氷河期に襲われた地表。生物が皆死滅したであろうという衝撃の光景。
 それらを見せつけられ愕然としたのだ。
 これらの映像はもちろん捏造ではない。このような星というのは、基本的にどこにでもあるものではないので、今の星を観測することで、どのような生命があったかは想像できる。
「ああ、こんな恐ろしい種族があり、滅んでいったものもあれば、退化するだけで、滅亡しない種族もあり、最終的に、人間なるものが、自分たちに一番近い、
「高等生物」
 ということになるのだ。
 しかし、彼らのような。
「単一種別社会」
 と違い、
「我々よりもずっと後進民族のくせに、逞しく生きられる証拠なんだろう」
 と感じた。
 次に考えたのは、
「他種族だということになれば、地球の所有権というのは、どの生き物にあるというのだろう?」
「人間だけでいいのだろうか」
 それとも、
「他の種族との交渉が必要なのか?」
 そのあたりが難しいところである。

                 過去の「人類に匹敵する種族」

 人間はそんなことは関係ない。しかし、宇宙人は、地球という、
「摩訶不思議に見える星」
 に対して、それなりに先のことや、この宇宙全体のことを考えていた。
 少なくとも、その星は、地球よりも文明が発達していて、宇宙における自分たち、さらに自分たちから見た宇宙という関係性が分かっていた。
作品名:遺伝ではない遺伝子 作家名:森本晃次