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時代回顧

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「感染しないようにする」
 というのは、あくまでも、二の次であった。
 もちろん、
「打たないよりも。打った方が、感染の危機は若干でも回避できる」
 ということになるのだろうが、
「絶対に回避できるわけではない」
 ということで、副反応との間でのメリットデメリットを考える人が多く、デメリットが多いと判断した人は、接書をしないのだった。
 特に女性などは、
「妊娠した時、どんな影響があるか?」
 などということを心配するのだろう。
 そういう意味もあってか、
「若年層の接種率はかなり低い」
 と言われていた。
 ただ、この中には、
「若年層よりも、高齢者の方が、重層化率はかなり高い」
 と言われているのをいいことに、
「ああ、若者はそんなに重症化しないのだ」
 と単純に判断し、
「だったら、副反応から比べてデメリットの方が大きい」
 と考えたのかどうか、それすら考えずに、
「ただ、摂取しない」
 という結論を出した人もたくさんいたことだろう。
 それを考えると、
「こんな連中が、これからの世界を回していくんだ」
 と思うと恐ろしくなってくる。
 もっとも、そんなことを考えるのは、
「常識ある大人」
 であろう。
 悲しいかな、そんな大人は、年配に多い。そうなると、
「どうせ、こんな連中が国を回すようになる頃には、わしらは、この世にはおらんだろうから、関係ないわ」
 と思っているかも知れない。
 若年層と高齢者との意識の溝は、結構深いところにあり、
「自分たちが意識している以上に、お互いを軽蔑し合っているんだろうな」
 ということだったのだ。
 そのことが分かるのが、
「ネットによるコミュニケーション」
 ではないだろうか。
 特に、今回のような
「自粛期間中」
 というものが存在し。リモートワークなどが増えると、
「会社にいるよりも気が楽だ」
 という人もかなりの数いるに違いない。
 なぜなら、最初こそ、慣れないリモートワークでは、どうしても接続に時間差があることから、仕事をしていても、パソコンが重たく鳴ったり、下手をすれば、フリーズしてしまったという不具合もあるだろうが、そこは慣れてくると、次第に、不便さを感じなくなる。
 しかも、リモートワークの一番の利点は、
「通勤しないでもいい」
 ということだった。
 朝早くに起きて、眠い目をこすりながら、満員電車に揺られ、時間をかけて出社する。都心部では、通勤に2時間くらいかかるという人もざらにいることだろう。しかも、何回も電車を乗り換えてである。
「片道通勤に2時間ということは、往復で4時間。会社での定時までの拘束時間は、昼休みを除くと8時間であり、その半分の時間、通勤に使うことで、一日の半分を完全に会社のために使っているということになる」
 というものである。
 睡眠時間を8時間とすると、残り4時間で、食事や風呂などをしなければならない。すると、本当に自由な時間というと、1,2時間ということになり、
「読書が趣味だ」
 という人は、ほとんど読めないだろう。
 ただ、行き帰りの通勤時間内で読めるかも知れないが、逆にそれくらいの趣味がなければ、やってられないと思う人も多いことだろう。
 今では、ゲームをしている人も多いだろう。スマホがあれば、電車の中でも十分にできる。
 しかし、気を付けなければいけないのは、読書の場合もゲームの場合も同じことで、
「乗り過ごしてしまったらどうしよう」
 ということになるのだ。

                 テレワーク

 そんなテレワークでは、通勤時間がないということと、
「会社の開始がほとんどない」
 ということだった。
 とはいえ、自粛期間中なので、買い物などの、どうしてもやむを得ない場合を除いては、自宅での軟禁状態というのは、避けられないことであった。
 だからこそ、
「家の中では自由にしていたい」
 という思いからか、
「仕事はしないといけないが、あくまでも、無理をすることはない」
 ということであった。
 ただ、一つ言えることは、
「誰も見ていないのだから、仕事が終わらなかったといって、拘束時間をすぎて仕事をしていたとしても、残業手当は絶望的だ」
 ということである。
 別に見られていないという利点はあるが、残業手当という意味でいけば、結果損となる。そう考えれば、
「就業時間中に必死にやって、その間に終わらせる」
 ということに結果的にはなるであろう。
 ただ、中には、
「24時間家にいるのだから、自分がやりたい時間、あるいは、はかどる時間にやればいいということである」
 と思っている人もいるだろう。
 ただ、それも、
「納期を守って」
 ということであり、
 いくら深夜の方がはかどるといっても、今日中に提出する資料は、夕方までに作る必要なあるので、その日は普段通りに仕事をすることになるだろう。
 もっとも、前詰めでやっていれば、その限りにあらずであって、元々の納期に余裕があれば、最初に集中して終わらせてしまい、あとは、悠々自適な生活を送るというのも、その人の自由ということだろう。
 会社とすれば、
「仕事さえ終わればいいのだ」
 ということになる。
 1カ月ほどであったが、会社がリモートワークになったことで、元々、
「世界的なパンデミック」
 が流行するまでにも、
「事務所の3割ほどを、数年後には廃止するという計画がある」
 という企業も少なくはなかったはずだ。
 だから、自治体が行っている、
「ビッグバン」
 などという計画は馬鹿げているといえるだろう。
 街のビルなどというのは、老朽化が進んでいるというのと、
「耐震構造に似合うように作り替える」
 という計画があり、今では、都心部のビルは、地域別にどんどん取り壊し、新たなビルの建設ラッシュだった。
 だから、
「ビックバン」
 などというものがあるわけだ。
 耐震構造というと、かつて、関西を襲った未曽有の大災害から、それまでの、
「建造物の安全神話」
 というものが、まるで、
「バブル時期の銀行不敗神話」
 などというものと同じように、簡単に崩れ去っていた。
 調査してみると、
「当時の耐震基準ですら、満たしていない建造物がたくさんあった」
 ということで、国が基準をさらに深くして、再度全国で調査を行った結果、元々の基準ですら満たしていない建造物がボロボロ出てきたのだ。
 つまりは、一言でいえば、
「手抜き工事」
 というものである。
 そんな手抜き工事が多かったことで、新しい建築基準で立て直しが行われたにも関わらず、この期に及んで、
「建築基準をまったく無視した建造物」
 が、実際に、大震災の後の建築物に見られたことが発覚したりした。
 それだけ、地震は頻繁に起こっているのであって。政府も基準を上げるだけではなく、
「基準に満たないものは、調査して、立て直しを義務付ける」
 という法律を通したのだった。
 ただ、これは本当に当たり前のことであり、ゼネコンなどというと、下請けの会社が、まるでピラミッド状に、下部に向かって広がっているという状態なので、
「中抜き」
 と呼ばれる、要するに、
作品名:時代回顧 作家名:森本晃次