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マルチリベンジ

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 札幌などの、穏当に寒いところはしょうがないのだろうが、仙台でも、露天のスタジアムなので、
「寒くても野球はできる」
 ということになるのかも知れないが、以前、仙台で、雪の中での試合ということもあり、
「サッカーじゃあるまいし」
 と言われながら試合が行われたようだった。
 実際に野球ができる環境であることは分かったのだが、他の球場は、必ずしもドームである必要はないだろう。
 それでもドームにこだわるというのは、
「他の球団よりも中止が多く、シーズンが推してきた時に、日程が嵩むというのは、難しいことなんだろうな」
 ということであった。
「ドームは、関東にこれで3つ目だ」
 ということで、関西に私鉄球団が多かったのと、同じようなもので、
「立場が逆転したということだろうか?」
 ということであった。
 以前は、関東、関西に球団が集中し、それ以外の地方というと、名古屋、広島、福岡くらいだった。
 しかし、今では、北は北海道から、仙台、そして、今は四国の松山にも球団があったりする。平成になったくらいから、
「各地に根差す、地元球団」
 というイメージが定着してきた。
 サッカーの地元球団というイメージも大きかっただろう。
 そもそも、サッカーの地元意識というのは、プロ化する前から根差したものがあった。それが、jリーグというプロサッカーチームの理念として、
「地元密着化したクラブチーム」
 というものの発展と、
「世界レベルの選手を育成」
 という、オリンピックや、ワールドカップの日本代表のレベルアップが目的だったといえるだろう。
 プロ野球界には、そこまでハッキリしたビジョンのようなものはないだろう。
 そもそもの歴史は、サッカーほど浅いものではなく、もう戦前にさかのぼる。実際にプロ野球選手が、戦争に召集され、戦死した人もたくさんいたのも事実である。これまでの歴史も結構あった。球団が増えてきたことで、
「2リーグ制になったこと」
 あたりから始まって、
「前期後期制の採用」
「指名打者制の採用」
 これら二つは、片方のリーグだけだったが、前後期制というのは、10数年くらいのもので、すぐに1シーズン制にもどったのだ。
 やめるきっかけになったのは、確か、前期の優勝が決まってしまうと、後期に向けての対策と消化試合になってしまい、シーズンがだらけてしまうというような理由ではなかっただろうか?
 そのせいで2シーズン制はなくなったのだが、今度はそこから、20年後に、今度は、
「プレイオフ制度」
 が採用された。
 これは、それぞれリーグの6球団でのペナントを争うわけだが、今まであれば、優勝チームがそのまま、日本シリーズに進出し、日本一を決定するという、シンプルなものだったが、この制度になると、
「リーグ優勝チームがかならずしも、日本一になれるとは限らない」
 というような、おかしなことになってきたのだ。
 つまり、このプレイオフ制度というのは、
「シーズンを戦うのは同じことであるが、優勝チームとは別に、Aクラス、つまり、3位以内に入れば、そこから、勝ち抜きを行い、日本シリーズ進出チームを選出する」
 ということなのだ。
 要するに、ペナントレースは、予選のようなもので、リーグの代表を決める代表戦には、上位3位までが進出できるということになる。
 まずは、2位と3位が対戦し、先に2勝した方が勝ちということになる。ただし、会場は、2位のチームのフランチャイズで行うというのが、ルールで、これが唯一の、アドバンテージということになるのだ。
 選手としてというよりも、フロント側の方が、観客が入るのだから、ありがたいに違いない。
 だから、球団側からすれば、
「絶対に2位以内に入ってもらいたい」
 と思っていることだろう。
 そして、そこで2勝したチームが、今度はリーグ優勝チームと、日本シリーズ進出を会座して雌雄を決することになる。
「優勝チームのフランチャイズを使うというのは、同じ条件だが、今度は、1勝が優勝チームにはアドバンテージとしてついている」
 だから、本当は4勝先取が勝ち抜け条件なのだが、優勝チームには1勝がついているので、第一試合の段階で、
「1勝0敗」
 ということになっているのだった。
 そこで、いよいよシリーズ進出をかけての最終決戦が行われるのだが、やはり、状況は、優勝チームの方が、有利であることに変わりはない。
 ただ、何といっても、優勝チームがリーグの代表になれないということに、その制度が始まってから、そろそろ20年近くがたつが、まだまだ違和感として残っているような気がする。
 そもそも、このやり方が導入されたのは、
「2シーズン制を取りやめた時と何となく似ている」
 といっても過言ではない。
 つまり、優勝チームが早々と決まってしまったりすると、そこで、シーズンが白けてしまい、本当に消化試合になってしまう。
 来年のためということで、二軍から有望選手を上げてきては、テストをしたり、場数を踏ませるなどの意味で、ファンからすれば、完全に白けてしまうことになるだろう。
 しかし、優勝チームが決まっても、
「日本シリーズに出て、日本一になるには、とりあえず、3位以内に入ってしまえばいいのだ」
 ということで、Aクラスへの滑り込みの可能性がある間は、Aクラス入りを目指すという意味で、チームは必至だった。
 だからこそ、
「優勝チームが決まっても、まだまだシーズンは続くという意味で、消化試合と呼ばれるものがかなり減ることで、球場の観客動員が、極端には減らない」
 という目的があるのだった。
 もう一つは、レギュラーシーズンだけではなく、前述のように、2位以内に入れば、少なくとも、シリーズでの観客動員が望めるということで、球団経営にも一役買うという意味でのことだったのだ。
 だから、球団としては、
「優勝しなくとも、2位通過であれば、クライマックスシリーズというプレイオフでも観客動員が見込めるということでありがたい」
 ということであった。
 日本シリーズ進出ともなると、プラス、最低でも2試合の観客動員が望める。しかも、日本シリーズということで、普段はあまり人気のない球団であっても、満員の観客を集めることができるということで、球団経営に大きく貢献することになるだろう。
 そういう意味で、ファンが、半分疑問視するこの制度であったが、球団経営としては、この制度はありがたいのではないだろうか、ファンとしても、疑問には感じているが、肝心の試合が、数多くみられるということは、嬉しいことなのであろう。
 そんなクライマックスシリーズなどというものがあるおかげで、野球界が盛り上がっているといっている人もいることだろう。
 また、選手入団をきめる、
「ドラフト会議」
 というものも、いろいろ変わってきたりした。
 以前からの懸念としての、
「好きな球団にいくことがかなわない」
 ということが言われてきたことも、途中から、
「逆指名」
 というやり方が導入されたりした。
 高校生に関しては、逆指名はできないが、社会人、大学野球などからは、逆指名ができるようになり、
作品名:マルチリベンジ 作家名:森本晃次