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マルチリベンジ

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 推薦した方には、一定のマージンが入るというそういう流れがあるということなのだが、実際には、そんなにうまくいくわけはない。
「無理をさせて、ケガをする選手だっているだろう」
 本当であれば、そんな選手を学校のためにケガをしたのだから、保証してやるくらいでもいいはずなのに、選手として役に立たないと思うと、お決まりの、
「学費免除」、
「学生寮免除」
 などを、撤廃し、特待生としての立場も反故にされる。
 つまりは、
「スポーツができる。学校の名誉に役立つということで連れてきたのに、できなくなった人間を、養う必要はない」
 ということであった。
 だから、
「学校というところは、血も涙もない」
 ということで、ついてくれない人、ケガをする人がいることを見越して、大目に取るということをするのだろうが、実際に、落ちこぼれた子供は、どうしようもない、
 それを思うと、
「文武両道などと言っているが、しょせんは、生徒というのは、学校経営、いや、もっといえば、一部の人間の懐が潤うというだけの、政治家でいうところの、贈収賄と何が違うというのだろうか?」
 というところである。
 そういう意味で、一番そのたとえとして言われそうなのが、昔から、
「高校野球」
 を中心とした
「学生野球」
 である。
 さらに、高校野球が嫌いな人で、よくあるのが、
「学校の名誉とかいうけど、どういうことなんだろうか?」
 という人がいる。
 また、気に入らないこととして、マスゴミなどでよく言われることとして、
「過去7回出場の名門校」
 などというような言い方をしたり、
「初出場のフレッシュな高校」
 などという言い方をするが、考えてみれば、今回が生徒にとっては初めてなので、
「過去にいくら全国出場が何度もあるからといって、強豪かどうかというのが分かるわけはない」
 といえるのではないだろうか?
 強豪ということであれば、少なくとも予選大会を勝ち抜いてきたのだから、
「各地の代表はすべて、強豪校だ」
 といえるだろうということだ。
 しかし、そんな中で、
「そんなことは分かっているつもりでいて、しかも、こういう言い方が一番嫌いだと自分で感じているくせに、○○高校は強豪校だから、などという話を知り合いと話す時に、無意識に口走ってしまう自分が一番嫌だ」
 といっている人がいた。
 その人の気持ちはよく分かる。一番嫌いなはずなのに、知り合いと話を合わせるという意味で、嫌いなことを棚に上げて言ってしまう自分が情けなく感じられ、嫌な気分に陥るのだった。
 実際に有名校だというのであれば、贔屓目に見て言えるとすれば、
「監督が変わっていないので、伝統的な連中で鍛えられているので、それが実を結んだ」
 というくらいのことであろうが、それも、試合をしているのは、生徒たちで、監督ではない。
 監督が昔からの監督で、
「いつも生徒を全国大会に導いている」
 ということなのかも知れないが、高校野球などは、プロ野球や大学野球と違い、
「一人の超高校級などと呼ばれる選手がいれば、全国制覇ができる」
 といえるのではないだろうか?
 だから、昔から、
「大学野球のマンガはそんなにないが、高校野球のマンガはたくさんある」
 といってもいいのではないだろうか?
 一人の選手にスポットを当て、野球漫画を描くということは、よくあることだ。脇役として、いろいろなキャラクターで、チームメイトやライバルが出てくるというのが面白いのだ。
 プロ野球を描くのであれば、サクセスストーリーというよりも、人情者であったり、本当に昔のスポコン関係でしかあまりないような気がする。
 そういう意味では、
「高校野球は描きやすい」
 といえるのではないだろうか?
 また高校野球において、
「学校の名誉のため」
 あるいは、
「県の代表として」
 などと言われるが、確かに県の代表として、全国に行く時は、壮行会のようなものを開いてもらったりして、大応援団で、球場に駆けつけるということになり、選手がいよいよ、新幹線などに乗り込んで、大会の場所に遠征するという時、まるで結婚式が終わったカップルに対してのように、新幹線のホームで万歳三唱を行う。それこそ、
「大日本帝国における、学徒出陣のようではないか」
 と言われるだろう。
 しかし、一回戦で負けて早々と帰ってくれば、駅には誰も待っている人はいない。まるで修学旅行が終わって、戻ってきたかのようだ。さすがにそこは優勝でもしない限り、この態度は変わらない。
「県の代表といって送り出したのだから、いくら負けたとはいえ、帰ってきた時に、最低でも見送った時の人くらいはいてもいいのではないか?」
 といえるだろう。
「もし、それができないのであれば、最初から駅での見送りなどしなければいいんだ」
 と思う。
 実際に、そういうシーンを書いた4コマ漫画もあり、気の毒なところを風刺して敢えて書くというのも、ありなのではないだろうか?
「その裏に何があるというのか?」
 あるいは、
「お金が絡んでいる」
 ということもある程度分かっているのに、それでも、
「地元の代表」
 というのがありなのだろうか?

                 プロ野球制度

 さらに、問題は選手たちである。
 煽てられて、さらには、
「地元の誇りなどと言われて、勇んで全国大会に臨んでも、全国の壁は厚いもので、すぐに敗退して戻ってくる」
 それでも、まだ、学校が迎えてくれたりすればいいが、ほとんどの選手は、大学や社会人で野球を続けるという人もいるだろうが、果たして、そこでどうなるかは分からない。
 ベスト4くらいに入った学校の選手だったら、ある程度は、プロの目があったり、社会人や大学から誘われたりするかも知れない。
「キャプテンをしていた」
 ということであっても、戦力にならなければ、声も掛けられないだろう。
注目されるのは、やはり一部の中心選手。
 プロ野球ドラフト会議にかかるとしても、そこでは、優勝投手ともなれば、よほど、大学や社会人志望でもない限り、
「ドラフトの目玉」
 と言われることだろう。
 中には、
「社会人に内定しているから」
 ということで、他の球団が指名しないのをいいことに、ドラフト下位で、隠し玉のような指名方法で、
「一本釣り」
 をするチームもあった。
 また、かつては、
「野球協約」
 の、重箱の隅をつついて、
「空白の一日」
 を使って、ドラフト前日に、電撃契約をしたりした球団があり、問題になった。
 実際にドラフト会議となり、別の球団が、その人への指名権を取ったのだが、本人は、どうしても、
「汚い契約」
 であっても、そこに行きたいという。
 その問題解決として、
「三角トレード」
 というものが行われた。
 最初にその選手は、
「ドラフト指名されたチームに入団し、数か月後にトレードという形で、行きたいチームに行ける」
作品名:マルチリベンジ 作家名:森本晃次