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マルチリベンジ

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 というものであり、
「感覚をマヒさせるだけで、違和感に繋がる」
 といってもいいのではないだろうか?
 ただ、この時間差の物語、今まで普通に教育を受けたことのある大人であれば、この時何かの話が頭をよぎることだろう。
 そう、
「アインシュタイン」
 が提唱したと言われる、
「相対性理論」
 と言われるものである。
 相対性理論というものは、
「光の速度を調節するほとの速度で移動した場合、移動するものに載っていたものの世界は、静止している物体にくらべて、時間が経つのが圧倒的に遅い」
 と言われるものである。
 つまり、
「宇宙船に乗って、光速で宇宙に行って、数日後に帰ってくれば、数百年後の世界が開けている」
 ということになる。
 そのことを想像したとして、最初に思い浮かぶのは、確かに、
「自分の知っている人は誰もいない」
 という考えである。
 ただ、これは、不老不死の考え方とは違う。確かにこの世では数百年が経過しているが、本人の感覚としては、数日でしかないのだ。
 それでも、
「この計画は実現させなければならない」
 という考えがあるのも事実だ。
 その計画というのは、
「冷凍保存」
 という考えで、研究されているものである。
 それは、
「人間を冷凍保存して、数百年後に目覚めさせる」
 という計画であるが、この計画の理由として考えられることは、
「不治の病の人間を救うことだ」
 といえるだろう。
「今の世の中では助けることはできないが、数百年後には医学が発展して、目覚めた時に、治してくれているかも知れない」
 というような考えである。
 あるいは、
「近い将来、核戦争があり人類は滅びるが、核の放射能が消えた頃によみがえるようにした時、人類が生き延びられる:
 という安直な可案替えであれば、真剣に考えている人もいるだろう。
「これだって、本当は、世界自体がなくなり、カプセルさえも崩壊するくらいの勢いの可能性もあるが、カプセルだけが生き残って、表に出た瞬間、地球が存在していなかったということであったり、あるいは、核兵器の知力のようなもので、カプセルから出た瞬間、時間軸が一気に回って、身体が腐っていき、跡形も残らないようになるのではないか?」
 と思われるだろう。
 そんなことを考えると、
「浦島太郎の話も、相対性理論側から強引に解釈しようとすると、いくらでも切り口があるのではないだろうか?」
 と思えるのだ。
 その切り口が、今度は、
「落としどころというもの」
 で、考えるということもできるのではないだろうか?
 浦島太郎の話がSFであるとすれば、時代の流れもSFとして解釈できるのかも知れないといえるだろう。

                 復活

 野球でうまくいかなかった間、どうしてもいろいろなことを考える。
 野球に対しての姿勢では、余計なことを考えず、
「目指しているものに対して、最短距離で行ける方法」
 ということを考えていた。
 本当は、柔軟に考えないと、焦りに繋がって、先に進んだはいいが、結局目標を見失ってしまうだろう。
 しかし、目標が決まっているのであれば、見えているものを、一刻も早く仕留めないと、相手は次第に曖昧になってきて、捉えどころが分からなくなってしまう。
 それが、
「落としどころを見失う」
 ということになるのではないだろうか?
 それを思うと、一番大切なことは、
「手術後の養生と、その後のリハビリだ」
 ということであった。
 せっかく手術が成功しても、焦りが先にくると、せっかく見えているはずの目標を見誤ってしまう。
 そうなってしまうと、ゆっくり、もう一度見えてくるまで待って、再度照準を合わせるものなのだろうが、そうもいかないというのは、
「それまでの成績が焦りを生み、その焦りが手術を余儀なくされるようなことい繋がってしまった」
 ということに気づいているくせに、見て見ぬふりをしているかのようで、次第に疑心暗鬼になり、心細さが、すべてをあからさまにすることで、一番大切な信頼を失うことになるのだろう。
 心細いと思っている人間は、えてして、気持ちが相手に丸わかりだったりする。
 それをこっちも分かっているから、お互いに気持ちが相手に知られていることから、疑心暗鬼になり、知られないようにしようとすればするほど、相手の気持ちが分からなくなってくる。
「自分が相手の気持ちが分かるからこそ、相手にも分かられる」
 というジレンマがトラウマになっている以上、まるで三すくみに襲われているようで、自分から動くことはできないというものであった。
 その時の手術は成功した。
 はなから、
「手術は成功する」
 ということが大前提としてある、これからの自分の復活に向けた対応だった。
 手術を受け、数年表舞台に立たないと、どんなに中心選手であっても、ファンから忘れられてしまう。
 フロントは、
「代役、いやそれ以上の選手を引っ張ってこようと必死になる」
 からであった。
 実際に、それらの選手がやってくると、球団も全面的にバックアップすることであろう。元々、いくら球団が一押しであっても、ケガをしてしまったり、目立てなくなると、その運命は悲惨なものだといってもいいだろう。
「あの選手、どうしちゃったんだ?」
 とウワサをしていて、気が付けば、2軍としても、
「戦力外通告」
 を受ける場合もあることだろう。
 戸次は、毎年そおことが気になっていた。成績はそこそこであるが、2軍から1軍への階段が、どうしても上ることができなかった、
 しかし、7年目を迎えたところで、急にブレイクし、そのきっかけが、
「1軍への切符」
 であった。
 それまで、どんなにいい投球をしても、2軍監督が、
「明日から1軍」
 とは言ってくれなかった。
 しかし、その日は、戸次は敗戦投手となったにも関わらず、
「明日から1軍だ」
 と、その日の夕方2軍監督からm監督室に呼ばれて、そういわれた。
「はい、ありがとうございます」
 と答えはしたが、何がよかったのかは、話してくれなかった。
 もっとも、1軍への切符を手に入れる選手に、どこがよかったかなどという監督はいない。
 逆に、2軍に落とす時の監督も、それに触れる人はいないだろう。ただ、マスゴミに対しては、
「調整の意味で行ってもらった」
 と、どちらとも取れる、当たり前のことしか言わなかった。
 そもそも、マスゴミも聞きたいのは、本当の理由ではなく、
「けがによるものかどうか」
 ということであろう。
 故障ということであれば、故障者リストに載ることになるだろうから、後にでも分かるので、監督がウソをいうことはないだろう。ただ、
「様子を見ている」
 あるいは、
「結果待ちの間、登録抹消」
 ということくらいは普通にあることなので、監督も別に隠すことなく話をする。しかし、ケガもない場合、選手にも、理由をハッキリ言わないのだから、マスゴミのも話すことではないだろう。
 しかし、翌日のスポーツ新聞には、その理由が書かれている時がある。
作品名:マルチリベンジ 作家名:森本晃次