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一蓮托生の息子

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 最近では、法律も変わってきたが、相手に攻撃されても、防衛しかできなかったし、
「防衛のための、先制攻撃」
 というものもできなかったのだ。
 つまり、自国が攻撃されることを分かっていて、相手の前線基地も分かっているのに、こちらからの先制攻撃をしてはいけないということになっていたのだった。
 それが、
「専守防衛」
 というものであり、
「守るための攻撃というものを、先制してはできない」
 ということだったのだ。
 そんな国において、
「一体、この国を守るために、どのようにするのが一番いいのか?」
 ということになり、最近では、法律の変えられてきたが、自衛隊ができる行動はそれでもかなり限られているのだ。
 自衛隊という組織は、
「海外では、軍隊として見られている」
 ということで、世界では不思議であろう。
「日本だけが、同じ多国籍軍だというのに、攻撃を同じとしてできないということは、一体どういうことなんだ?」
 ということだ。
「後方支援」
 と称して、できることは、空中空輸であったり、物資や兵の輸送といったことで、攻撃は、
「相手から攻撃された時だけ」
 ということになるのだった。
 そんな時代になってから、今度は、同じ伝染病でも、すぐには伝染病だということが分からない事態が起こった。
 それは、伝染病だと分からなかったというよりも、それ以前に、
「病気だ」
 ということも思っていなかったということであったのだ。
 これに関しては、元々は、
「錯覚だ」
 と言われていたことで、
「精神的な問題」
 ということで、精神的な病気ということであれば、病気認定もあったのだろうが、病気としての定義にいまいち当て嵌まらない状況だったのだ。
 だから、社会的な問題になりそうであったが、世間の人は、
「ニュースとして取り上げられないから、大げさなことではない」
 と思っていた。
 しかし、それは間違いであり、実際には、
「国家が、情報統制をしていた」
 というのが、正解だったといってもいいだろう。
 そんな状態において、誰がそんな情報統制を分かることができただろう。
 マスゴミを黙らせて、コメンテイターも黙らせる。国家ぐるみであることは間違いないのだが、果たして、どこまで貫けるかということであった。
 ただ、これが成功すれば、国民は完全に騙されることになる。特に、
「大東亜戦争の時代には、軍が情報統制をしていた」
 ということを知っていて、今の日本が、まったく違う時代に突入しているということを信じて疑わない人に、
「日本で、情報統制が行われている」
 などということを言っても、
「そんなバカな」
 と言われるのがオチである。
 しかし、本当であれば、それでも言い続けなければいけないのではないだろうか?
「いい続ければ、そのうちに国民も分かってくれる」
 というのは、実は甘いことなのかも知れない。
「オオカミ少年の話を思い出すではないか」
 ウソをつき続けていれば、そのうちに本当のことになったら、誰も信じないとおうことであったが、この場合は逆の効果だが、結果は同じである。
 本当のことを言い続けて、
「ウソだ」
 と言われ続けることで、言っている方が、次第にバカバカしくなって言わなくなる。
 そのうちに、
「嘘から出たまこと」
 というように、本当のことを言っているのに気づかないまま、ウソだと思い続けて、日本は、亡国へと導かれる運命にあるということである。
 そんな状態が、その時の日本を襲いつつあった。
 情報統制をされていることで、誰も最初は、
「何かおかしい」
 などと疑うことはなかった。
 もし、これが他国であれば、普通なら気づくレベルの問題であったが、それだけ日本という国は、
「平和ボケ」
 しているといってもいいだろう。
 というよりも、
「それだけ、占領軍の教育によって、平和ボケが、さらに減和ボケを生み、
「平和ボケの、マトリョシカ人形を作り出しているのかも知れない」
 と言われているのだろう。
 それが、日本という国であり、いい意味でも悪い意味でも、バカ正直に、相手を信じてしまうということになるのだろう。
 そんな日本で、誰も分からない、暗躍が渦巻いている。それが、かつての、テロ組織であった、
「○○真理教」
 のようなものであったり、
「○○協会」
 というものが、水面下で暗躍していると思うと、恐ろしい以外の何物でもないといえるだろう。

                 日本国家の危機

 完全にデマだと分かってはいたが、ちょうど、新興宗教団体が、鉄道の中で、毒ガスを撒くというテロ集団と化した時、実はその数か月前に、未曽有の大地震が、大都会と襲うということがあったのだ。
 その時に、
「今回の地震は、○○真理教がやったのではないか?」 
 という噂まで流れたのだ。
 というのも、そもそも、そのテロ組織というものが、どうも、
「ナチスのようなことを企んでいる」
 というウワサが流れたことがあった。
 このウワサというのは、本来なら、
「そんなバカな」
 といって、一蹴すれば済むことなのだろうが、何しろ、この事件が起こる2年前くらいであろうか、やつらが、画策した事件があり、その時にも毒ガスが使われたのだが、それが、
「ナチスの残党によるもの」
 というウワサがあったのだ。
 ナチスの残党が、今の時代、まだ生存しているわけはない、生きていたとしても、100歳を超えているだろうということであった。
 しかし、ナチスに対しての妄想は留まるところを知らず、
「不老不死の薬を実は開発していた」
 などという話もあったのだ。
 しかし、考えてみれば、ナチスの残党と呼ばれる連中は、当時の二大超大国と呼ばれた、
「アメリカとソ連」
 に取り込まれ、それぞれの国の科学技術の発展に寄与したと言われている。
「科学技術の発展」
 というのは、表向きの表現で、実は、
「核開発競争」
 であったり、
「宇宙開発競争」
 などというものに、参画させられることになったのだろう。
 そうでもなければ、即刻死刑判決を受けるか、その前に、自決しているかのどちらかであっただろうから、罪にも問われず、科学者として君臨しているのだから、超大国は、利用しようと最初から考えていたのだろう。
 これに関しては日本に対しても同じだった。
 ナチスと違って、日本軍は、満州国のハルビンに、
「731部隊」
 と呼ばれる、秘密部隊を組織していたという。
 毒ガス実験や、気圧調整の実験、さらには、
「生きたままでの解剖」
 などという恐ろしいことを、捕虜であったり、現地民に行っていたということになっている。
 なっているというのは、戦争敗北が決定的となった時、本土の軍から、
「徹底的に破壊せよ」
 という命令が出た。
 そんなものが残っていれば、完全に日本はテロ国家だということになり、敗戦後は、立ち直れないということだったからだ。実際に破壊が行われたのは、原爆投下前後ということで、まだ、ソ連が戦争に介入する前だった。陸軍としては、もうそのあたりで、戦争継続は真剣に無理だと気づいたのだろう。
「あまりにも遅き」
 ということであろうが、
作品名:一蓮托生の息子 作家名:森本晃次