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タバコと毒と記憶喪失

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「特効薬や予防薬を開発しながら、相手が自然に弱まってくれるのを待つしかない」
 ということになるのだ。
 しかも、今まで伝染病にもあるように、
「ゼロにすることは不可能なので、蔓延しないように、注意しながら、うまく付き合っていく」
 という法皇しか、今はないということになるのだろう。
 今では専門家もその線でいるようなのだが、国の方針には、疑問を感じることが多い。
 確かに、
「疲弊した経済を回す」
 というのは、至上命令であり、急務なことではあるが、しかし、伝染病がまたしても蔓延しては、本末転倒だというものだ。
 実際に、ほとんどの規制は取り払われ、
「入国制限も撤廃する」
 ということで、
「外人が入国してくるようになると、どうなるかということを、本当に考えているのだろうか?」
 という問題が浮かび上がってくるのだ。
 すでに、外国では、
「マスクをしなくてもいい」
 というようなことをいっているようだが、実際に、国内では、一年くらい前に、段階的な入国緩和によってもたらされた、
「蔓延の波」
 によって、
「世界で一番感染者の多い国」
 ということになってしまったではないか。
 つまりは、そんな国になってまで、経済を回すというのは、確かに難しいこともあるかもしれないが、結局は、
「政治家が自分たちの私利私欲を考えて」
 ということになるんだろう。
 自分たちに入ってくる金。あるいは、いずれ選挙になった時の、票集めと言ったところであろうか?
 結果がどうなるかなど、今の時点で予測するのは難しい。しかも、このパンデミックの中では、想像すらできないだろう。
 そうなると、政治家としての自分たちの保身に走るのは当たり前なのかも知れない。
 そのせいで、
「国家は、もう市民を抑制したりはしないから、自分の命は自分で守ってくれ」
 といっているようなもので、表でマスクをすることを容認するようなことをいうのだった。
 いくら政治家がバカの集まりだとしても、自分たちの発言を、国民の多くは、
「都合のいいことだけを切り抜いて判断する」
 ということは分かっている。
 まるで、
「マスゴミ」
 と同じであり、今回のパンデミックをパニックとして引き起こした日本のベストスリーとして、上から、
「マスゴミ」
「自分の都合のいいようにしか切り取って話を聴かず、蔓延の直接的な原因を引き起こした一部の国民」
「国民を正しい方向い導かなければいけないくせに、一番右往左往し、一番ひどかったのが、最初の水際対策を行った政府」
 という順番ではないかと言われている。
 それを思えば、
「自粛警察」
 というのも、その中に食い込むだけのものであってもいいのではないかと思える人は結構いることだろう。
 しかし、自粛警察というものが、言われているように、
「本当の悪だ」
 と言えるのだろうかという問題がある。
 いわゆる、
「勧善懲悪というものの、進化系ではないか?」
 と考えるのは危険であろうか?
 自粛警察が行っていることは間違ってはいない。ただ行き過ぎているわけではない。そういう意味で、禿も近いのかもしれないが、一歩間違えれば社会問題になるということは、同じことであろう。
 だから、
「痴漢という犯罪が招く冤罪」
 という問題も、この、
「自粛警察」
「禿」
 という時代を超越した社会問題の一つとして浮かび上がってきたものではないかと思えるのだった。
 痴漢犯罪の冤罪と、ほぼ同意語のように見られるのが、
「美人局」
 なるものである。
 美人局というと、一般的に思い浮かべるものとして、
「男が女を誘惑し、それに乗った男が女と連れ立って、ラブホテルなどに行き、いよいよというところで、男が入ってきて、「俺の女に何をする」などといって、脅迫し、身分証明などを強奪し、そこから、さらに脅迫をする」
 というものである。
 これは、脅迫する方からすれば、狙う相手として、
「相手が芸能人などの著名人で、お金を持っている」
 ということであった。
 さすがに大御所というところは狙わないが、最近売れ出したりした人間を狙ったりするのだ。
 これは、
「バラされると困る」
 つまりは、
「知名度が落ちる」
 ということで、脅迫する側からすれば、
「そんな連中だからバレたら困るということで、ホイホイ金を出すだろう」
 という目論見なのだろう。
 警察が考えると、
「なんて浅はかな考えなんだ」
 と思うのだ。
 今までの経緯から、警察は逆のことを考える。
 つまり、
「狙われた連中は、脅迫に屈して、最初はお金を払うだろうが、あくまでもそれは最初だけで、彼らには、脅迫者に払うだけの金があるのだから、そのお金で、自分をまもってくれる人たちを雇うことだってできる」
 ということを、脅迫する側は分かっていないのだ。
「脅迫されてお金を払うだけの知名度があるのだから、彼らは自分の名誉を守ろうとして、お金を払ってでも、何をするか分からない」
 ということが分かっていないのである。
 つまり、彼らとしては、
「手を出してはいけない相手を敵に回してしまった」
 ということである。
 ひょっとすると、芸能プロダクションが、裏でタレントを守るための組織を持っているかも知れない。
 それを思うと、
「脅迫をしている連中のバックには、何もついていない」
 ということが言えるだろう。
 芸能界と、裏組織が繋がっているかどうかまでは分からないが、
「お金を持っていて、美人局に引っかかりやすい」
 ということになれば、プロダクションは、少しでも、その被害を減らそうと、動くことだろう。
 もちろん、その芸能人の見返りを求められることは当然で、助けられた方も、裏組織から抜けられないということになるだろう。
 しかし、チンピラのような連中から助けられたのは、本当のことで、元をただせば、自分が美人局のような、古い脅迫に引っかかってしまったことが、自業自得ではないかと言えるだろう。
 だが、チンピラから逃れられたのも本当のことで、結局、スター街道を昇っていくには、
「避けて通ることのできない道」
 というものを、
「助けられた」
 ということで、少し早く経験するというだけのことではないか?
 それを思うと、
「まあ、仕方ないだろう」
 と本人も思っているのではないだろうか?
 もちろん、
「どっちが正しい」
 などということは、いえるわけもない。この場合は、
「裏と表のどちらが、タイミング的に表を向いているか?」
 というだけで、どうしようもないことだった。
 世の中において、
「結局、悪というものが亡くならないのだから、どんどん、進化しながら進んでいくだけだ」
 ということで、まるで、
「伝染病ウイルスが変異していくようなものではないか?」
 と言えるのではないだろうか?

                 県と市の抗争

 県警本部からの入電で、さっそく駆けつけた場所は、城址公園であった。そこはF市の中心部にあり、
「城址公園」
 というだけに、そんなにたくさんの遺構が残っているわけではなかった。
作品名:タバコと毒と記憶喪失 作家名:森本晃次