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タバコと毒と記憶喪失

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 怪物も必死なので、それでも、何かのエネルギーを使おうとする人がいれば、エネルギーを吸い取られて、後は、
「ただの箱」
 と化しているのであった。
 つまり、
「人間が、文明の利器を使えば使うほど、怪物に餌をやっているものだ」
 ということである。
 やはりそうなると、
「怪物をやっつけるのではなく、怪物の活動させないということを考えるしかない」
 ということしか、解決方法はないと思われた。
 そのためには、
「人類が作り出したものを使わないようにする」
 ということしか、方法はないのだ。
 だが、そうなると、人間は原始時代に戻ったことになる。
 その時、一人の話せが、呟いた。
「あの怪物は自然現象なのだ。洪水や地震に、現在の兵器で立ち向かっても、どうなるものでもない」
 というのだった。
 そして、
「今の世の中は、文明の利器というものにあまりにも甘えている。そろそろ、自然現象が、休息を欲しているのだ。交通戦争もない、公害問題もない。何と、すがすがしい朝ではないか。これで人間は救われるのだ」
 という。
 すると、それを聴いていた人が、
「そんな原始の世界に戻れば、皆が救われるというのですか? 今死にそうになって苦しんでいる人もいれば、世の中の機能が回らなければ、自分たち人類はもう生きていけないところまで来ているんですよ」
 というのだった。
 科学者は、そこで思い立ち、一つの案を持って、地球防衛軍に話に行った。
 そして、その怪物からの、
「人類に対しての危機は終わった」
 というのが、ラストであったが、今も、そのシーンを忘れることはできないのであった。
 この番組は、30分番組で、後から思えば、
「よく30分でまとまったものだな」
 と感じたのだ。
 何といっても、見終わった時に感じたことは、
「宇宙空間って、何て広いんだろう?」
 ということであった。
 あんな宇宙生物がどこから来たのか分からないが、明らかに宇宙生物だったということであった。
 さらに、
「あんな危険なものを地球に送り込んだわけだが、地球人が一番どうすることもできないと思われる、いわゆるピンポイントな怪物を探して送り込んできたものだ」
 ということであった。
 これは、あくまでも、その宇宙生物を、
「地球以外にも生物が存在し、しかも、人類と同等、いや、それ以上の知能を科学力を持った連中が存在し、地球の存在を許せないとでもいうのか、全滅を目指して送り込んできた兵器だ」
 といってもいいだろう。
 実際の破壊兵器である、ロボットや、本当の怪物ではなく、人類にはどうすることもできず、自滅を待つか、あるいは、怪物の巨大化を止めることのできないということで、
「もしあの後、あの宇宙生物が巨大化していけば、いつか、破裂しないとは限らないのではないか?」
 ということになれば、
「最後に、破裂してしまうという運命を救うことができないとすれば、どこまで膨れ上がってしまうのだろう」
 ということだったのだ。

                 冤罪と美人局の盲点

 ある日の昼下がり、F警察署で、書類整理をしていた三浦刑事は、県警本部からの入電にビックリし、さっと身体に緊張が走った。
 その日は、事件もなく、朝から、小さな事件の片づけをいくつか済ませるという、本当の事務的な仕事に従事していた。
「事件なんてないに越したことはないんだ」
 と日ごろから思っていて、
「警察が暇なのは、世間が平和な証拠だ」
 という気持ちと、単純に、
「楽がしたい」
 という気持ちとの両方があるのも、当然のことであった。
 警察というところは、縦割り社会であり、公務員でもある。もちろん、民間企業でも嫌なことは多いだろう。
 むしろ民間企業の方が、さらにひどいところもあるだろうとは、警察として捜査をしていて思うこともある、
 当然、捜査ともなると、会社への踏み込んだ捜査をしなければいけない場合も多く、犯罪が起こる土壌として、会社の在り方が問題だったということも少なくはなかったい違いない。
 いわゆる、
「ブラック企業」
 と呼ばれるところで、昔のように、何でもありの時代ではなく、今のように、
「プライバシー」
「男女平等」
 などという、いわゆる、
「コンプライアンス問題」
 というものが絡んでくると、企業や上司も、
「下手なことはできない」
 と言われるであろう。
 しかし、そんな時代においても、劣悪な環境で、業務を強いる会社であったり、先輩風邪を吹かせる人の一定数あったりするので、コンプライアンスの問題を、普通に正面から見るだけでは、どうしようもないということだってあるのだった。
「男女平等」
 などと言われるところで、よく聞くのが、
「痴漢などの犯罪に対しての冤罪」
 ということであった。
 以前であれば、痴漢などの犯罪は、男側が、
「女の子が抵抗できないのをいいことに」
 ということで、やりたい放題だったというような話を聴き、さらに、親告罪ということで、恥ずかしさなどから、名乗り出る女性も少なかったりした。
 そういう、
「女性の泣き寝入りが多い」
 ということで、
「卑劣な犯罪」
 と言われるようになり、男女平等が叫ばれた時など、痴漢犯罪に対しての目はかなりひどかったというものであった。
 しかし、それらのことも、
「男女雇用機会均等法」
 というものの成立に伴い、さらに他のコンプライアンスが叫ばれるようになった社会情勢の中で、
「痴漢というのは、相手が逆らえないのをいいことにする、卑劣な犯罪だ」
 と言われるようになった。
 その頃から、携帯電話などの普及から、
「盗撮」
 という問題も起きてきて、
「女性が逆らうことのできない犯罪」
 の代表例と言われるようになった。
 コンプライアンスが叫ばれ、法整備が進んでくる中で、女の子の方も、
「泣き寝入りする必要なんかないんだ」
 という意識が広がってきたのだろう。
 電車の中でも、
「この人痴漢です」
 といって、手を挙げる女性も増えてきただろう。
 さらには、他の乗客の中にも、
「こいつ痴漢だぞ」
 といって、騒ぎ立てる連中もいたりする。
 確かに検挙という意味で、一般市民の協力が不可欠ということもあり、これだけ協力者が多いというのは、いいことなのかも知れない。
 しかし、物事というのは、
「表があれば、裏もあるのだ」
 自己申告にしろ、まわりが騒ぐにしろ、
「果たして、すべてがその通りなのだろうか?」
 ということであった。
 中には、冤罪ということもあるだろう。
 女性が、
「自意識過剰」
 ということもあれば、他のまったく関係のない連中が、
「俺が逮捕に協力してやったんだ」
 という
「自己顕示欲」
 の強いやつもいることだろう。
 特に、数年前からの、
「世界的なパンデミック」
 の中で、言われてきたものの中に、
「自粛警察」
 と呼ばれる、少し過激な連中がいた。
 彼らは、パンデミックによる伝染病の蔓延において、国が、
「緊急事態宣言」
 などという、
「人流抑制政策」
 に乗り出したことがあった。
作品名:タバコと毒と記憶喪失 作家名:森本晃次