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静岡のとみちゃん
静岡のとみちゃん
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悠々日和キャンピングカーの旅:⑨東北太平洋岸(茨城~岩手)

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 古い話だが、森進一の「港町ブルース」で歌われた気仙沼、その歌を口ずさみながら運転していると、その港に到着。ご当地ソングを歌いながら、その地に入る気持ち良さを知った。
 道路の横がすぐ岸壁で、そこに「ジル」を停めて歩いた。ずらっと係留されている巨大な漁船の大きさに驚き、恥ずかしながら、津波に遭った港町との意識は薄らぎ、次から次に船を見ながら歩いた。それほど、船の巨大さに驚いていたのだろう。ひょっとしたら、これまで見た漁船の中でも最大クラスのものに違いない。
 客待ちをしていたタクシーのドライバーに尋ねたところ、これら漁船は赤道を越えた場所での漁も可能な遠洋漁業船だと教えてくれた。ところが、かつお漁が終わる6月頃からは「さんま漁」が始まり、その時は、小さな漁船が夥しいほど入港し、ものすごく活気があるとのこと。
 そして、巨大な漁船の横に「ジル」を並べて、写真を撮った。デジカメの液晶モニターで撮った写真を確認すると、「ジル」が小さく写っていた。
 海産物を売っている店に入り、色々と迷った結果、夕食用に、真空パックの「ぶり大根」を買った。鰤の味が染みて旨い大根は気仙沼の味か?

 その後は、「はっとFM」の高橋さんが勧めてくれた大島に行くことにした。
 気仙沼から大島に渡る橋は新しく、大島の住民が東日本大震災時に長期間にわたり孤立を余儀なくされたことから、橋の必要性が再認識され、復興のシンボル事業として架けられたものだ。
 橋を渡った先の道はまだ工事中で、「ウェルカム・ターミナル」の道路に面した入口も工事中、海側を回って駐車場に入った。残念ながら定休日だったが、そこからは、小高い亀山の展望台が見え、近くにいた人にそこまでの道順を尋ねたところ、丁寧に教えてくれた。
 かなり急な道を上ってゆくと、これ以上は対向車とのすれ違いができない幅員になりそうなので、どうしようかと思っていた時、工事の作業員がいたので尋ねると、少し下った所に駐車場があり、そこにクルマを停めて登ってゆく人が多いと教えてくれた。その駐車所は有料だったが、その手前にかなり広いスペースがあったので、そこに停めて、長い階段を登り、そのまま頂上を目指した。有酸素運動のプチ登山になった。
 234mの亀山の頂上の展望台からは360度広がる最高の景色だった。南方向には午前中に行った岩井崎、北西方向には気仙沼港、東には唐桑(からくわ)半島もくっきりと見えた。

 ちょうど今、NHKの朝ドラ「おかえりモネ(主演:清原果耶さん)」が放送されている。
 その中では、大島が亀島になっていて、主人公の百音(モネ)の故郷だ。高校を卒業した彼女は宮城県の登米の森林組合に就職。この旅で偶然にも、この二つの地を訪れたことになり、何やら縁があるのか・・・、そうなると、毎日見ている朝ドラで、今回の旅で回った場所が朝ドラに映らないかとか思って見ているが、なかなか、その偶然はなかった。

 後日談だが、主人公のモネが気象予報士の資格を取り、東京でお天気お姉さんの仕事に従事している頃、“モネは、故郷の気仙沼に帰郷して、コミュニティFMで天気予報に関わる仕事に就く”のではないかと、「はっとFM」の高橋さんの番組宛てに、おたよりを送ったことがある。そのとおりになったことで、朝ドラファンの私の“朝ドラのストーリー予想”が始まった。
 ついでにもうひとつ、このドラマのモネの妹の未知役の蒔田彩珠さんが気になり始め、2023年の8〜10月のNHKの夜ドラ「わたしの一番最悪なともだち」で主演の彼女の演技が気に入ってしまい、推しのひとりになってしまった。

 亀山から下山して「ジル」に戻った時、この日の宿泊場所を決めることにしている午後3時を1時間も過ぎていた。さ〜て今夜はどこに泊ろうか? 今朝、ちょっとだけ入った岩手県には、もう1度、意思を持って県境を越えたいと思っていたので、岩手県内の道の駅を調べると、かなり先に、道の駅「さんりく」があった。そこまでは無料の三陸沿岸道路で距離を稼げば、午後5時頃には到着しそうだ。

 50km弱の道のりを50分強で走って、道の駅「さんりく」に到着したが、道の駅の閉店時間は、思っていたより早い4時だったため、もう閉店していた。この道の駅は三陸沿岸道路のICの正面にあり、海岸には近いのだが、そこは山の中で少し寂しい、海が見えない道の駅だった。駐車場はかなり空いていて、寝るだけなので、静かな夜になりそうで、まあ正解か。
 パックご飯をレンチンして、温めた「ふかひれ丼の素」を掛けて、味噌汁、カキの甘露煮という、ちょっとリッチな地場産品の夕食になり、満腹、満足、満笑。
 ここは山間のためか、地デジ電波を受信できず、ビデオを見ながら、今日の「旅のメモ」を書いていると、今日は、息子と嫁の結婚記念日だったことを思い出し、酒好きな二人なので、どこかで地酒を買うことにした。

 ふと、このあたりで、この「キャンピングカーの旅」を折り返すことに決めた。
 特段の理由はないが、初めて訪れた岩手県、その三陸海岸は、北側にまだまだ続くが、その先は、次の「キャンピングカーの旅」の行き先になるので、それもいい。この旅に疲れてきたという訳ではないが、来た分だけ戻らなければならないので、このあたりを折り返し地点にするのが、気持ち的に、ちょうど良さそうな気がした。
【本日の走行距離】113km