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一人勝ち

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 もう一つは、これは、聴いた話なので、どこまで信憑性があるのか分からない。
「風俗嬢が、ホストに嵌る」
 というパターンだが、借金から風俗嬢になった人が癒しを求めるというパターン以外に、風俗嬢をしていて、精神的な疲労から、
「癒しを求める」
 ということで、考えられるのは、
「人気がある風俗嬢を、ホスト狂いをさせることで、陥れよう」
 という考えを持っている人がいるということだ。
 何もホストに嵌ったからといって、中には、
「だから、お仕事頑張る」
 という健気な人もいるだろう。
 しかし、相手のホストからすれば、彼女だって、
「ただの金づるにしか過ぎない」
 と思っているとすれば、そのギャップはすごいだろう。
 特にリピーターの多い女の子などは、まるで自分がアイドルのように好かれていて、
「私が尽くせば、男性は皆私のことを好きになってくれるんだ」
 と、単純に思っている子は、ホストに対しても思っているだろう。
 しかも、ホストは枕営業で、それくらいのことは平気でやる。お金のためなら、どんなブサイクな女に対してもお世辞を言って、相手をその気にさせるのがプロだと思っているのだ。
 つまり、女を道具としてしか思っていない連中が多いということだ。
 もちろん、皆が皆などとは言わない。
 特に、Vシネマなどでやっているホストが、あれが普通なのか、それとも映像のための虚空なのかということは分からない。
 少なくとも、
「火のない所に煙は立たぬ」
 というではないか。
 当然のごとく、誰もが分かっているように、そんな連中が多いということだ。
 だから、女が借金をする理由として、他には、
「ギャンブルが辞められない」
「買い物に嵌ってしまう」
 などという漠然としたものに対して、
「ホスト狂い」
 という特定の商売が原因として挙げられるのは、それだけ信憑性が高いからだろう。
 しかし、前述のように、SNSなどが発達してきたことで、女の子同士のネットでの交流や、実際に会って、
「同業者でしか分からないことを、呟き合ったりする仲であれば、そんな陥れるようなこともないのではないか?」
 と思われる。
 しかし、逆に、仲がよくなったとはいえ、別の店だとはいえ、どちらが人気があるか、あるいは、稼いでいるかなどということは、話をしていても分かるし、客のためと、キャストのやる気向上ということからなのか、地域においての、風俗サイトにおける、
「選手権」
 であったり、
「ランキング」
 などという余計なものが発表されたりする。
 仲良くなった人が、自分より上だったら、どうだろう?
 最初はいいかも知れないが、そのうちに、
「この人に見下されるかも知れない」
 と感じるようになると、話が通じなくなっても致し方のないことなにのかも知れない。
 相手が、
「そんなことないわよ。ずっとお友達じゃない」
 と言われれば言われるほど、相手にいやらしいような落ち着きが感じられ、無性に腹が立ってくるというものではないだろうか。
 そう考えると、
「もう、何を言っても、相手をしてもらえない」
 ということになり、余計に二人の仲が最悪になってしまうだろう。
「片方が片方を恨む」
 ということになると、恨まれた方も恨み返す。
 そうなってくると、最期には、
「半永久的な負のスパイラル」
 が待っているのである。
 もっとも、ここまでなるというのは、ごくまれなことで、信憑性をどこまで感じればいいのか難しいが、結局は、昔の特撮であったということで、今でも話題になっている、
「血を吐きながら続けるマラソン」
 ということになるのだろう。
 片方が、
「相手よりも上を目指そうとすると、相手は、もっと強力なものを作ろうとする。その繰り返しの堂々巡りのことを、血を吐きながら続けるマラソンだという」
 ということである。
 これは、戦後における、アメリカとソ連の、
「核開発競争」
 を皮肉ったものだが、子供が対象だったとすれば、この言葉は、あまりにも重たすぎるといえるのではないだろうか?
 風俗業愛においても、嫉妬ややっかみが渦巻いているというのは、実際にあることだろう。
 特に、店や業界が、女の子のスキルアップを考え、
「客をいかに満足させ、風俗離れをさせないようにするか?」
 というのは、大きな問題であった。
 風俗というのは、基本的には
「風俗営業法」
 というものに守られている。
 いや、縛られていると考える人もいるだろう。
 ソープなどは、新しく、この業界に進出してくること、あるいは、新規で開店することは許されていない。だから、老朽化を理由としない限り、店舗を綺麗に改装することもできなかったりする。だから、廃業した空き店舗に、他の店舗が入る場合も、内装をほとんど変えることもなく使用しなければいけないという。
 そうでもないと、
「新規店舗」
 として見なされ、当局から、調査が入ることになり、下手をすると、数日間の営業停止を求められるかも知れない。
 家賃を払わないといけないし、キャストに給料も払わなければいけない。数日間の営業停止でも、致命的だったりするのだ。
 そういう意味で、
「世界的なパンデミック」
 によって、戒厳令を敷くことのできない状態で、
「緊急事態宣言」
 なる、名前だけは仰々しいが、実際には、すべてが、自治体からの要請でしかなく、強制力を伴わないものがあるのだが、それは、憲法で保障する、
「基本的人権の尊重」
 が一番にあるからだ。
 いくら緊急事態だからといって、国民の自由を阻害することは許されないというわけだ。
 だが、これは考え方だが、キチンと守っている人からみれば、命令を無視している連中は、困ったもので、
「あんな連中がいるから、同業者というだけでキチンと守っている俺たちまで白い目で見られるんだ」
 と思うことになる。
 そういう意味では、全員が平等ということを考え、
「法の下の平等」
 として、自由を制限するくらい、仕方のないことではないかという意見もあるだろう。
 それを考えると、国民に一部の強制力を持つ方が、平等という観点からいけば、正しいのではないのだろうか?
 だが、そんな問題をいかに解決するかということで、結局、
「自分の身は、自分で守る」
 つまりは、金のある連中は、その金で、用心棒を雇ったり、政府を買収したりできるという考えだ。
 そうでもしないと、自分の身を守れない。それが犯罪に繋がるのだとしても、彼らからすれば、
「自治体や政府が動かないから、俺たちが自分でやっているだけだ」
 ということになるのだ。
 それを思うと、反政府勢力は過激ではあるが、
「今の時代が生み出したものであり、必要悪の一つなのではないか?」
 と思う。
 もっといえば、
「必要悪だと思わないと、その存在を否定しなければいけなくなり、結局、政府や自治体が悪いのだということになり、ブーメランが飛んでくることになる」
 ということではないだろうか?
 そんな緊急事態宣言下においても、風俗店は店を閉めるわけにもいかず、普通に営業していた。
 ただ、考えてみれば、あの時は、パチンコ屋がやり玉にあがり、空いている店を、
作品名:一人勝ち 作家名:森本晃次