小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

自分の道の葛藤

INDEX|19ページ/23ページ|

次のページ前のページ
 

 最初からアイドルを目指している人は、ほぼ全部のオーディションに挑戦し、その中でしのぎを削っている人ばかりであった。
 そういうことであれば、
「そういえば、オーディションの控室で、懐かしそうに話をしている人もいたっけ?」
 と感じた。
 今までうまくいかなかったもの同士が、話をしたり、情報交換を繰り返すというのは、今に始まったことではないだろう。
 ここの訓練学校のようなところは、ダンスや歌、さらには、一班教養のようなものまで教えるというところであった。
 そして、いろいろなオーディションに、また出ることになる。
「それはアイドルのタマゴとして、これからの自分をいかに売っていくか?」
 ということを自分に知らしめることでも、会社側で適正を見るという意味でも重要なことであった。
 それが、昔のアイドルとの一番の違いであり、それらのことが、これからの自分をいかに生かすか、そしてその仕組みを知っていくことで、自分たちの生き残りが、まだデビューもしていない今から、始まっているということである。
 そんな中で、適性を見極めている先生がいるのだが、その先生というのは、昔は、音楽プロデューサーであったり、テレビ番組の構成や編成を行っている部署の、部長であったり、さらには、映画監督であったりした。
 中途半端に名前が売れた人たちであったが、
「ここで生き返った」
 という人も多いという。
 中には、作曲家の先生もいて、ちあきは、その先生のことをどうしても意識してしまった。
 作曲した曲にどんなものがあるのかを調べたところ、若い自分には馴染みのないものが多く、音楽サイトで検索し、何とか、数曲分かったので、ダウンロードして聞いてみたが、悪い曲ではなかった。
 プロの作曲家が作った曲を、悪いなどと、どの面下げていうのかということであるが、その曲を聞くと、
「昔の曲もいいものだ」
 と感じた。
 ブームというのは、ループすると言われている。
「十五年から二十年周期のものが多いんじゃないか?」
 と言われているが、音楽や映画など、そうかも知れない。
 そういえば、映画でも、最近では、昭和末期くらいの映画が、その時の俳優が同じで、時代がそのまま進んだというような設定の映画もあった。
 これは人から聞いた話であったが、カルトのブームとして、コンセプトカフェや、メイド喫茶などというものがあるが、
「五年周期で、流行りが来る」
 といっていたのを聞いたことがあった。
 五年というと、いささか短い気はするが、何度も繰り返せば、二十年、三十年になるのだ。
 まったく同じブームというわけではなく、似たようなブームを繰り返しながら、発展しているのか、後退しているのか分からないが、流行っているのは、間違いないようであった。
 音楽も同じであり、今流行っている音楽が、
「昔にも流行った音楽を少しアレンジしているだけ」
 というのも少なくないという。
 その先生の音楽が本当に流行ったのは、今から三十年くらい前だったという。
 その頃というと、ある有名なアーチストが幅を利かせているような時代であり、どんな曲を作っても、その人の色が消えない時代だった。
 よほど奇抜であるか、まったくジャンルが違っていない限りは、同じに見られてしまうという、どうにも理不尽な時代だった、
 それだけ、他に個性がない時代だったのかも知れない。
 だからと言って、そのアーチストに全責任があるというわけではない。
 むしろ、自分の個性を表に出して成功したのだから、尊敬に値するだろう。
 そんなことを考えていると、先生の曲だけではなく、他の曲も気になってきた。
 もちろん、一世を風靡したその人の曲ももちろんである。
 そう思って人気の作曲家の曲を聴いてみると、
「なるほど、レトロな感覚もあるが、今でも十分通用するわね、実際に、今も似た曲、結構あるような気がするわ」
 と感じた。
 これが、ブームのルーティンであろう。ぐるっと一周回って、また流行り出したということである。
 そして、それ以外に流行った曲を当時のランキングを元に聴いてみた。
 すると、
「当時のドラマのテーマ曲が多い」
 ということであった、
「当時のドラマは、トレンディドラマと言われて、有名脚本家がオリジナルでどんどん書いていた時代だ」
 ということであった。
 今のドラマというと、そのほとんどが、マンガが原作で、シナリオライターオリジナルであったり、小説が原作というのは、ほとんどない。
 今の作品には、有名な音楽プロデューサーで、今のアイドルの生みの親ともいえる、作家が、原案を考えているというのもいくつかあったりした。
 そうすることで、彼が総合プロデュースするアイドルが、ドラマの主演などで出てくると、それだけで、視聴率が稼げるというものだ。
 特に、最近のテレビ関係は昔と違って、まったく変わってしまった。
 昔であれば、ゴールデンタイムというと、野球があって、そのあとにドラマがある。
 そのドラマが野球中継で延長になったりすること、さらに、野球ファンからすれば、ちょうどいいところで終わってしまうというのが許せないということであった。
 テレビ局からすれば、相手h視聴者ではない。一番強いのは、
「番組に、いや、その時間帯に金を出しているスポンサーが一番強く、彼らには頭が上がらないのだ」
 というのが、問題だったのだ。
 だからこそ、今では、スポーツ特に野球などを専門に見れる、有料チャンネルに移行し、
「試合開始から、終了まで、ノーカットでお送りします」
 という触れ込みで、ちょうどいいところで放送中止などないということで、月間、数百円で契約し、毎日野球を楽しむということだ。
 月間数百円で見れるのであれば、それは有難いことだろう。
 そうなると、民放では、ゴールデンタイムの野球を放送しなくなる。
 さらには、ドラマも、どんどん、有料放送で、昔の再放送などをしているので、民放のドラマもあまり見る人がいなくなった。
 そのため、1時間番組が30分程度で、10回程度のちょっとしたドラマにしかならない。そうなると、
「深夜のドラマでいいではないか?」
 ということになり、深夜ドラマが増えていった。
 これも、有料放送の影響であろうが、そうなると、ゴールデンに進出してきたのは、バラエティであった。
 以前からあったクイズ番組だけではなく、昔は深夜帯だったものが、ゴールデン進出ということなのだが、これだけ皆ゴールデンに来てしまうと、ある意味、
「ありがたみというものがないではないか?」
 といえるのではないだろうか?
 まあ、昔に比べてなくなった番組というと、前述の、
「時代劇」
 などもそうであろう。
 昔の番組は、有料放送でいくらでも見れる。いまさら、新しい番組に視聴者が食いつくことはないというわけだ、
 それでも、一時期は、元アイドルをレギュラーに入れたり、
「セクシーな女優の、入浴シーンに使ったり」
 と、どれも、一定の年齢以上の人間に対する。
「サービス」
 でしかないのだ。
 要するに、いまさら、
作品名:自分の道の葛藤 作家名:森本晃次