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パンデミックの正体

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 だから、値上げのシステムによって、社会現象がどうなるかということは、絶えず世の中で値上げが行われているので、分かりそうなものなのだが、やはり、値上げ前にはガソリンスタンドに長蛇の列を作るという、
「学習しない連中」
 が、そのまま、
「オリンピック特需」
 を見逃し、その後に訪れる、不況とインフレが一緒に襲ってくるような、雁字搦めになった経済困窮を、ただ待っているだけになるのだ。
 数回前のオリンピックを開催したことで、
「経済破綻してしまった国がある」
 といって、世界的に問題になったことがあったではないか。
 それでも、何がよくてオリンピック招致をしようというのか、それは、もう考えられることは一つであり、
「一部の特権階級の懐が潤う」
 というだけのことである。
 いわゆる、
「中抜き」
 というやり方がある。
 これは、子会社や孫会社に丸投げしたりした時、その利益を親会社がそのまま抜く場合などがあげられるが、今度のオリンピックの場合では、
「人材に関しての費用の中抜き」
 だった。
 というのも、
「オリンピックのような一大イベントともなれば、かなりの人材を必要とする、アルバイト、ボランティアを含めてのかなりの人数になるだろう」
 ということが、まず前提で、
「そのために、アルバイトなどを派遣する人材派遣のために、国から、一人時給として十数万円という金を受け取っておいて、そして、実際には、当然のごとく、二千円くらいの時給を、労働者には支払う」
 というものであり、その差額を、人材派遣会社が懐に入れるという仕掛けだった。
 それをマスゴミにすっぱ抜かれ、
「いったい、誰のためのオリンピックなのだ?」
 と、世間は紛糾した、
 しかも、その会社の社長が、元々、かつての政治家であったことで、
「政府から、金が流れている」
 とも言われていた。
 そもそも、この男は、
「日本経済をダメにした男」
 ということを言われてきた人間でもあったことが、相当、世間から反感を買い、
「なるほど、オリンピックを政府が強引に強行しようとしているのは、このためだったのか?」
 と言われるようになると、
「日本の政治と経済の癒着」
 さらに、
「国内外のオリンピック協会との癒着と金儲け」
 ということがクローズアップされたのだ。
 アメリカの大統領から、オリンピック委員会の会長は、相当な言われ方で、
「金の亡者」
 とまで言われているほどだった。
 それでも、何とかオリンピック開催にこぎつけ、日本選手の活躍ということもあって、一応の成功という形で幕を下ろしたが、癒着などの解決は一切なされず、すべてがうやむやに終わった。
 結局、政府が掲げた、
「パンデミックからの復活」
 というスローガンは曖昧になってしまったが、結果、大きな問題を引き起こすことなく終えたということになった。
 ただ、今回のオリンピックは、実際に悲惨だった。
 それも、開会の一か月前から、スキャンダルが次から次に起こり、スタッフが数名辞任に追い込まれるという、
「異例の事態」
 が発生したことも忘れてはいけない。
 人権問題に発展しそうな、人道上の問題を抱えた人間を、オリンピックのスタッフに加え、それが、開会の一か月前にも迫って発覚したというのだ。
「ひょっとすると、リークは最初からあり、オリンピック開催の反対意見が過熱し、熟した時期に合わせて公表する」
 という、磁気を狙ったかたちのリークだったのかも知れない。
 それを思うと。
「本当に、今回のオリンピックの何が成功だったというのか?」
 といえるだろう。
 そもそも、オリンピックというのは、
「何をもって成功した」
 といえるのだろうか?
 そんな問題提起をした大会でもあっただろう。
 実際にオリンピックが終わってから、すぐにあった解散総選挙で、与党は負けはしなかったが、その後の総裁選で、
「今のままのソーリが続いたら、党の票が減って、比例代表で残った我々が、今度は議員になれなくなる」
 ということから、総裁交代という意見が多く出た。
 それに対して、さすがに当時の幹事長が、続投を望まない趣旨の話を、ソーリにしたことで、ソーリは、次回の総裁選に出馬しないということになり、少なくとも、
「オリンピックへの強硬開催が、ソーリ辞任に繋がった」
 ということであり、
 それが、今回のソーリ交代になったとして、本人は、どちらがよかったというのか?
「ソーリを辞めてでも、金が入った方がよかったのか?」
 あるいは、自分のソーリ在任中に、オリンピックを開催することで、
「オリンピック開催時のソーリ」
 という名が残ることをよしと考えたのか、
「辞任しなければいけなくなる」
 という状況になることを想像していなかったのか?
 さらには、もう一つ考えられることとして、
「オリンピック開催は、すでに決定事項で、世界オリンピック協会のトップが儲かるためには、一国のソーリごときに、逆らうだけの力がないということで、国民を担保にして、ソーリをしていたような人間が、最期には、その国民の犠牲をいとわない形で、オリンピック委員の一部の人たちに対する、まるで奴隷のような駒として扱われただけなのか?」
 ということなのであった。
 つまり、政府として、世界で暗躍している、
「オリンピック協会」
 という巨大組織の言いなりになり、国民を犠牲にしてでも、彼らの金儲けにしたがわなければいけなかったということなのだろう。
 そういう意味では、
「政治家も犠牲者だ」
 という人もいるかも知れないが、
「国民を盾にした時点で、情状酌量の余地はない」
 と言われても仕方がない。
 あれだけ、
「安全安心」
 という言葉を口にしていたのだが、実際には、かなりの数の感染者を出したのも事実だった。
 本来なら、あの頃に、もっと徹底して感染対策を徹底する形を国が指導していれば、その後の爆発的な感染、そして、決して収まることのない時間が積み重なっていって、結局、誰も何も言わず、最期には、果てしなく変異を繰り返す病原菌とのいたちごっこになってしまい、国民も、そんな状況に慣れたのか。医療崩壊しても、
「自分が罹らなければいい」
 とでもいうかのように、医療法愛している中で、関係のないふりができているのが、現実だった。
 それを思うと、
「あまり長引かせるというのは、ロクなことにならない」
 といえるだろう。
 つまり、そんな中において、ソーリは交代させられ、
「そういえば、そんなこともあったな」
 と、一年もしないうちに、まるで何があったのかということを皆が忘れ去っているということになるのだ。
 果たして、強行までしたオリンピック。
「ソーリを辞めさせられることになってまで、一体自分はどんな存在だったのだろう?」
 と、当時のソーリは、今では大いに後悔しているかも知れない。
「せめて、国民が、悪評を口にしていたとしても、さすがに忘れられるよりはマシだったのではないか?」
 といえるのではないだろうか?
「一体、オリンピックというのは、誰のための、目的は何だというのか?」
 それを誰が証明してくれるというのか?
作品名:パンデミックの正体 作家名:森本晃次