風俗の果て
という思いもあるのも事実だが、結構そういうことを知るのも、楽しいものである。
マサムネは、デリヘルを利用したことはなかった。お店が好きなのだ。
他の人が、
「どうしてデリヘルを使おうという気になるのか?」
ということを考えてみた。
漠然といくつか考えてみたものに、
「店に赴いて、スタッフや、待合室で他の客と顔を合わさないでいいからだ」
という理由、もう一つは、待合室で待たされる間、待っている時間が嫌だという場合、ホテルでも待つことになるのだが、自分の部屋と同じ感覚で、テレビなど、好きなチャンネルを見ていればいいからではないか?
と感じたからだった。
他にもいろいろあるのだろうが、もし、これだけであれば、
「お店に行く方がいいかな?」
と感じるのだった。
確かにスタッフや、待合室で他の客を顔を合わせるのが嫌な人は仕方がないが、そうでもないと思っている客は、店に来る方が気が楽ではないだろうか?
何しろ、デリヘルというのは歴史が浅い。年齢を重ねた人は、店に行って、待合室で待つのが当たり前だと思っている人の中には、その時のドキドキ感を新鮮に感じている人もいるだろう。
待たされたとしても、実際に対面した時の喜びで、待っていた時間も、気持ちを高ぶらせるという意味で、一つの楽しみではないだろうか?
しかも、あの待合室の雰囲気がいいのである。ホテルで待っているといっても、セコい話をするようだが、ホテル代だって、こちらもち、それを思うと、
「デリヘルの何がいいのだろう?」
と考えてしまうのだった。
実際に、店舗型の店に行って、番号札を貰って待っている時間というのは、若い頃はあまり好きではなかった。どうしても、欲望が先に来るので、待っている時間が忌々しく感じられるからだったが、それも、時代の流れや、年齢を重ねることで、少しずつ変わっていった。
以前は、まだまだ風俗というと、
「性欲を発散させるためのところ」
というイメージが強かった。
本当に昔は、今のように、プレイ時間が何段階もあったりしたわけではなく、すべてが、
「30分、7000円」
などという決まった時間の、同一時間だったりした。
つまり、部屋に入ってから、シャワーを浴びて、サービスを受けて、最期にまたシャワーを浴びて服を着るという決まった流れしかなかった。だから、女の子も、多様性を必要としないし、店側とすれば、
「来店してくれた客に対して、サービスすればいい」
というだけである。
割引券なども貰えたが、
「さすがに風俗の店と分かるようなあからさまなものではなく、まるで、居酒屋の割引券のような形のものを貰ったものだ」
というのが懐かしい。
そう、当時は特殊風俗のお店というと、確かに、風営法に守られて、市民権のある仕事であったが、世間一般の目から見ると、偏見に満ちていたのだ。
しかし、それが時代とともに変わってくるのだからすごいものだ。
以前は、客寄せどころか、店が風俗のお店だということが分かりにくいように、飲み屋街の奥の方に、隠れるように固まってあったものだ、
それこそ客は、
「会社の先輩から聞いてきた」
というような、口伝による。
「口コミ」
でしか、客が増えるということはなかった。
ただ、最初から風俗に行きたい人は、どういうところにいけば、風俗の店があるのかということを分かっているので、きっと探そうとするだろう。
探している人にはすぐにわかるというもので、だからこそ、細々とやっていても、商売が続けられるのだった。
ただ、昔は、少し危ない店もあった。
「〇円ポッキリ」
などという呼び込みに騙されて入ってみると、ビール一杯飲んだだけで、数万円、いわゆる、
「おさわり」
など、一切なしでである。
それこそ、
「ぼったくり」
と言われる店であり、今ではそういう店はほとんど見なくなった。
店の前で呼び込みをしたりするのも、禁止のところが多かったりする。それだけ、特殊風俗の店というのも、以前とは様変わりしたということだろう。
特に大きいのは、料金的な幅ができたからだろうか?
「高級店、大衆店、格安店」
などと料金体系によって、サービスも違うというものだ。
これは、ある意味、パチスロをする人間にも気持ちは分かるかも知れない。
以前は、
「四パチ」、
「二十スロ」
と呼ばれるもの。
つまり、パチンコの玉が、1玉4円。スロットのコインが、1枚20円で買うことになる。
だから、1000円であれば、250玉か、あるいは、50枚のコインかということになるだろう。
パチンコなどの場合は、スターターと呼ばれるところに球が入らないと、大当たり抽選が行われない。だから、
「1000円で何回転するか?」
というのが、目安だった。
しかし、スロットは、
「コインを3枚入れさえすれば、1回抽選を必ず行ってくれる」
というわけだ。
だから、問題は、
「どれだけ早く設定推測ができるか」
ということで、朝一など、どのような演出が出れば、高設定が期待されると考える。
スロットというのは、6段階の設定があり、基本的に、設定の数が大きいほど、大当たりする可能性が高いと言われる。あくまでも確率としての問題だが、スロットをする人は、まずその設定推測を楽しむためにやっていると言ってもいいだろう。
そんな中で、スロットであれば、機種にもよるが、2,30ゲームくらいで、少し分かるものもあれば、100ゲームまで回さないと分からないものもある。1000円ということは、途中リプレイなどがあったとしても、20ゲームくらいしか回せないだろう。だとすると、5000円くらいまでやらないと、設定推測すらできないということになる。
しかし、これが、5スロつまりは、1000円で200枚出ればどうだろう? 100ゲームくらいは、1000円とちょっとくらいで、回せるのではないか? もちろん、大当たりがまるでお祭り騒ぎのように続いても、換金すれば、微々たるものなので、面白みはないかも知れないが、あくまでも、ゲームを楽しむという意味でするのであれば、5スロで十分ではないかといえる。
パチンコでも、
「1パチ」
というのがあり、同じ意味で設けられたものだ。
客が自分に合った遊び方ができるという意味で、バリエーションが広がったのはいいことである。
ただ、今ギャンブル業界は、いろいろな意味で、大変である。このギャンブル業界も、風営法によって管理されているいわゆる「風俗業」といってもいいのかも知れない。
風俗のパターン
パチスロ業界は、実際に、四面楚歌といってもいいかも知れない。
まずは、機種への規制がいろいろ掛かっているということだ。
以前であれば、大当たりが続けば無制限でいくらでも出てきたものだったが、今はスロットなどは、最高でも2400枚までしか出ないというような機種しか出してはいけないようになった。
ただし、リプレイであったり、ベルなどが頻発することで、
「コイン持ちがいい」
という台は増えてきた。
つまり、