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必要悪と覚醒

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 犯人の勝手な都合で、縁もゆかりもない人間が、突如被害者になってしまう事件が起こる場合、子供だけではなく、前科者や、危ない人にもGPSを装着しなけれないけない時代が、ひょっとすると、近い将来に訪れるかも知れない。
 そうなってしまうと、
「これほど暮らしにくい社会もない」
 という時代が、すぐそこまで来ているのではないだろうか?
 そんなGPS機能とは、切っても切り離せないものとして考えられるのが、ここ十数年くらいで普及してきた、スマートホン」、通称、
「スマホ」
 というものだ。
 スマホ以前には、ケイタイ電話と呼ばれ、スマホと区別するという意味で、
「ガラケー」
 と呼ばれるものがあった。
 ガラケーという言葉はスマホと同じように、略称であり、ガラケーの正式名称としては、
「ガラパゴスケイタイ」
 というのだそうである、
「ガラパゴス」
 というのは、ガラパゴス諸島で有名であるが、要するに、
「孤立した環境、日本の中だけで高度な発展を遂げたものが、実は海外のシェアとは違う発展の仕方をしたことで、互換性を失ってしまったことで、孤立してしまった」
 というような、日本におけるビジネス用語として、
「ガラパゴス化」
 という言葉が生まれたのだった。
 いわゆる、スマホができる前のケイタイ電話で、メール機能や、簡単なWEB環境などはできていたのだが、それが、海外でのスマホの開発に乗り遅れてしまったことで、日本の携帯業界が孤立し、業界からの撤退を余儀なくされるということに陥ったことから、
「孤立した島で、独自の発展を遂げた、ガラパゴス諸島」
 にあやかって、
「ガラパゴス化したケイタイ」
 ということで、スマホ以前の機種を、
「ガラケー」
 というのだった。
 ガラケーというのは、大体、1990年代前半から出てきたものである。だから、歴史としては、30年くらい前からであろうか、ちょうど、その少し前に、国営企業が民営化した時期でもあり、いわゆる、
「三公社」
 と呼ばれるものが、民営化された時代だった。
「国鉄が、JR」
「専売公社が、日本たばこ(JT)」
 そして、
「電電公社が、NTT」
 へと変わったことで、それまでは、他の会社が参入できない事業として、独占企業だったものが民営化することで、他の電話会社が出てきたりしたのだ。
 当時としては、
「第二電電」
 などと言う言葉もあったりして、今でいう、
「ソフトバンクや、AUなどという電話会社が出てくることになるのだ」
 ということなのだが、携帯電話が普及してくるまでに、一度ライバルが出現したことがあった。
 ドラマのテーマになったり、歌が発売されたりと、当時は爆発的なブームだったりして、社会問題にもなったが、実際には、
「2年ももっただろうか?」
 というほどに、一気にブームになって、一気に冷めてしまったというのが、今では知っている人も少ないかも知れない、
「ポケベル」
 というのがあったのだ。
 それは、
「数字の羅列で、伝言する文字を表す」
 というもので、
「新しい形の、モールス信号のようなものだ」
 といってもいいのではないだろうか?
 まだ、メールというものが、携帯電話ではできなかった時代のことであり、逆にケイタイでメールができるようになると、ポケベルの存在価値は次第に薄れていったということなのだろう。
 昭和の頃の携帯電話というと、それこそ、ちょっと大きめのトランシーバーのようであり、電話本体に受話器が乗っていて、それを肩からショルダーでかるっているというようなものだった。
 いわゆる車の運転席と助手席の間にあるコンソールボックスくらいお大きさで、車に装着する、
「自動車電話」
 というものもあった時代が存在したのだった。
 もちろん、その頃は、電話機能しかなく、
「持ち運べる」
 というだけでも、画期的だったのだ。
 そもそも(今もであるが)ケイタイや持ち運びなどでの連絡というと、タクシーや、運送会社などの連絡で使っているのは、無線装置というものくらいだったのである。
 それを思うと、最初に携帯電話ができた時は、驚かされたものだった。
 手のひらサイズの電話機で、アンテナがついていて、プッシュ式の電話になっている。歩きながらでも、交通機関の移動中にでも電話が掛けられるということで、とても便利だったのだ。
 ただ、当初の携帯電話というのは、いろいろ不備もあった。電波が通じないところの方が多く、
「電車の中では、ほとんど通じない」
 などという時代もあった。
 さらに、固定電話の概念から考えると、
「遠くに行くほど、電話料金がかかる」
 という発想だった。
 市内であれば、
「3分で10円」
 というのが、一般的だった。
 それは、市外局番であれば、10円玉しか入らない公衆電話などでは、市外に掛けると、「10円がいくらあっても足りない」、
 あるいは、
「1000円くらい、数十分でなくなってしまう」
 などという、遠距離恋愛をしているカップルには、溜まったものではなかったというものだ。
 だが、携帯電話ともなると、果たしてどう考えればいいのだろう?
 そもそも、移動中にかけているということが多いわけである。
 新幹線などに乗っていれば、数十分で、隣の、さらに隣の県に入っていることだってあるくらいだ。それを思うと、距離での通話料金設定というものが、うまくいかなかった。
 携帯電話が出てきた当初は、
「市内に掛けるのであれば、固定電話の何倍もかかることになる」
 と言われたもので、さらには、固定電話から携帯電話、携帯電話から固定電話などと、それぞれにパターンができてきて、それまでの固定電話しかなかった時期に比べて、パターンが限りなくなってしまったようで、料金体系を決めるだけで、結構大変だっただろうと思われる。
 それを考えると、
「通話だけではなく、他の方法を電話でできるようにならないか?」
 それが高じて、
「メール機能」
 というものが、追加されるようになったのだ。
 ポケベルに近い発想ではあるが、文字であれば、暗号ではないだけに、読み取る方も難しくはないだろう。
 そんなことから、携帯電話にいろいろな機能が追加されていった。
 パソコンに違いような機能として、携帯電話で、
「ちょっとしたインターネットが楽しめる」
 あるいは、
「予約などが取れるようになる」
 などが出てきた。
 ただし、いいことばかりではなく、
「出会い系サイト」
 であったり、
「クリックすることで、他のサイトに飛ばされる」
 などという、詐欺も横行してきたのは、パソコンがそうだっただけに、宿命のようなものなのかも知れない。
 そんなガラケーの時代が結構長かった。だが、2010年代くらいから、スマホが進出してくると、次第に、機種変の際にスマホにする人が増えてきた。
 スマホの最大の魅力は、ガラケーに比べて、容量がかなり大きくなったので、アプリと呼ばれるものが、いくつも入るようになり、ゲームなどが、スマホで簡単にいくつもできるようになったことだ。
作品名:必要悪と覚醒 作家名:森本晃次