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必要悪と覚醒

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 この物語はフィクションであり、登場する人物、団体、場面、設定等はすべて作者の創作であります。似たような事件や事例もあるかも知れませんが、あくまでフィクションであります。それに対して書かれた意見は作者の個人的な意見であり、一般的な意見と一致しないかも知れないことを記します。今回もかなり湾曲した発想があるかも知れませんので、よろしくです。また専門知識等はネットにて情報を検索いたしております。呼称等は、敢えて昔の呼び方にしているので、それもご了承ください。(看護婦、婦警等)当時の世相や作者の憤りをあからさまに書いていますが、共感してもらえることだと思い、敢えて書きました。ちなみに世界情勢は、令和4年6月時点のものです。パチスロ関係は、あくまでも、自分の経験からの、「個人の意見」として見てください。

                 スマホとガラケー

 世の中に、GPS機能というものが、それは、いわゆる、
「人工衛星を使って、個人の位置を特定しよう」
という、位置情報の取得システムのことである。
 元々はアメリカ軍などの、軍事目的に使われていたものが、今では、民間で普通に使用されてきたものというもので、結構、身近なものが、
「実は昔、軍事目的だった」
 などというものも少なくはないだろう。
 例えば、よく分かる例としては、
「ドローンなどもそうであろう」
 無人偵察に使用したり、無人で物資を運搬させるために使われたりしたものだが、最近では、緊急時、災害時などの救援であったり、放送局が使うカメラをセットして、普通のカメラマンでは撮影することが困難な上空からであったり、空からのいろいろな角度での撮影を可能にしたりしている。
 さらに、災害時に、行方不明の被災者の捜索にと、その用途は多岐にわたっている。
 GPSというのは、少し前までであれば、今はやかましく叫ばれている、
「個人情報保護」
 の観点や、
「プライバシー問題」
 などから、
「GPSはやりすぎだ」
 と言われている時代もあったが、過去から続いてきている、ストーカー問題や、凶悪犯から、被害者を出さないようにするためには、
「GPSが必要だ」
 とも言われてきている。
 どちらを優先させるかというのは、結構難しい問題ではあるが、幼児などには、スマホを持たせ、GPS機能をフルに活用し、幼児を守るということは以前からされていることであった。
 だが、中には夫婦間でもGPSが必要だということになれば、それは、安全性というよりも、
「旦那(妻)が、不倫しているかも知れない。その抑止であったり、現場を抑えるための証拠として必要だ」
 ということをいう人もいる。
 そこまでくれば、いくら夫婦とはいえ、元は他人だったということもあり、
「プライバシーの侵害だ。俺のことが、そんなに信じられないのか?」
 と言ったとすれば、
「そりゃね。しょせんは他人なんだから」
 と言われてしまうと、もうすでに、修復が難しい中になってきているわけだから、円満な離婚を考えると、ここで、証拠として確固たるものがあった方が、お互いに、もめたとしても、法律上のしこりが残るわけではないということで、いい方に向かっていくのかも知れない。
 そんなことを考えていると、GPSというのは、曖昧な関係の時には問題となるが、ある程度先が見えてくると、その活用性は必要なものであるといってもいいだろう。
 となると、問題は、
「いかに、プライバシーの侵害を守れるかということで、そもそも、不倫などをしなければ、問題は起きないわけなので、抑止の意味と重ねて考えると、結婚して家族になった以上、GPSにより縛りは仕方がないのではないか?」
 と考えていいのではないか?
 それが飲めないのであれば、
「最初から結婚したとしても、どうせ遅かれ早かれ離婚することになる」
 といえるのではないだろうか?
 GPSは、確かにプライバシーの問題や不倫などの証拠集めというよりも、やはり、一番は、
「個人の安全をいかに守れるか?」
 ということにあるだろう。
 幼児略取であったり、営利誘拐などという問題がある以上、特に小さい子供の居場所を把握できるようにしておくのは必要なことである。
 実際に、
「危険を未然に防げた」
 という話も聞かれたりしている。
 さらに、詳しい話を知っているわけではないので、何とも言えないが、未然というのは、
「犯人が、犯行に及ぶ気持ちにならない」
 ということが必要なわけであって、
「実際に犯人が犯行を計画し、実際に計画を実行しようとしたが、犯人側の計画の甘さと、GPSの力がうまく噛み合ったおかげで、被害者が出ずに済んだ」
 という場合や、
「実際に反抗に及び、被害者が拿捕されたが、最終的にGPSの力で被害者の場所を特定できたことで、助け出すことができた」
 などという場合があるだろう。
 前者であれば、まだ、被害者がそれほど被害がなかったので、まだマシであるが、後者の場合は、果たして、
「未然に防げた」
 といえるのだろうか?
「犯人逮捕に一役買った」
 という意味で、効果はあっただろうが、被害者が出てしまったことで、
「未然に防いだ」
 ということにはならないだろう。
 たとえ、被害者が、無傷で帰ってこれたとしても、それはあくまでも、外見上のことだけである。
 なぜなら、被害者は、一度は誘拐されたことに違いはない。それまで楽しく遊んでいたりしたものを、犯人の魔の手が忍びよったことで、被害者は恐怖を感じたはずである。
 ひょっとすると、
「PTSD」
 つまりは、
「心的外傷後ストレス障害」
 というものに罹っているかも知れない。
 その時に受けたショックが、その後に、似たような状況に陥った時、恐怖がよみがえってきて、何もできなかったり、身体が痙攣を起こしたりして、その恐怖から立ち直れないことをいう。
 例えば、地震や水害などの自然災害によって引き起こされた恐怖がストレス障害というトラウマになって、潜んでしまうことだ。
 これは、なかなか厄介で、その時にならないと症状が出てこないので、治療も難しい。しかも、実際にPTSDに罹っているのかどうなのか、本人にも分かっていないだけに、どうしようもないというわけである。
 それだけに、トラウマというような、
「精神的な病」
 が、もし犯人の未遂に終わった場合でも残ってしまう可能性を考えると、誘拐などという事件は、もし、殺されることがないとしても、これほどの卑劣な事件もないということだ。
 それは、誘拐だけではなく、犯人が追い詰められて、誰かを人質に取り、立てこもったというような事件にも言えることだ。
 被害者は、明らかなトラウマが残ってしまい、少なくとも、事件が起こるまでの仕事は続けられないだろう。
 下手をすれば、仕事をするということ自体が怖くてできないかも知れない。それは、被害者に、
「死ね」
 と言っているようなものではないだろうか?
作品名:必要悪と覚醒 作家名:森本晃次