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必要悪と覚醒

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 しかし、人間には、一切の超能力のようなものはない。すべてが、電気などの文明の利器で生かされている。今回のパンデミックで、そのことを悟るべきなのだろうが、悟った人はいるのだろうか?
 完全に、
「病気が流行ったから、それを抑えるために、不自由な暮らしもしょうがない。しかし、早いとこ何とかしてくれないと、人がバタバタ死んでいったり、経済が停滞して、生活ができない人が増える一方だ。ただの、警鐘という言葉だけで片付けていいものだろうか?」
 そんなことを考えていると、パンデミックというのは、
「今回は警鐘という名のプロローグであり、一つが収まっても、どんどん他の伝染病が生まれてきて、結局、いたちごっこが、半永久的に続いていくものだ」
 といえるのではないだろうか?
 そういう意味での今回のセミナーだった。
 基本的には、メディアの活用というもので、今回は、スマホについてだった。
 前述のように、スマホというのは、ガラケーと、タブレット端末との融合のようなもので、タブレット端末とは、パソコンのディスプレイを、指でタッチして捜査するために開発されたものだった。ほとんどはスマホなので捜査すれば足りるのだが、今でも実際に使われているものもある、
 例えば、絵を描いたりするのには、スマホの画面では小さく、パソコンの画面くらいの大きさを必要とする、
 さらに、保険の外交員が持っている場合もある。以前は大きなカバンにいろいろな書類を入れていたが、タッチパネルを使って、契約を行ったり、契約内容の確認を行ったりと、営業活動に、便利に活用している。
 また、最近では、飲食店などで、注文する時、カウンターやテーブル席にタッチパネルが置かれている。いちいち店員を呼ばなくても、タッチパネルで注文ができるというものだ。
 人によっては、
「使い慣れていないから、店員に直接注文する方がいい」
 という人もいれば、
「自分は、人見知りなので、人の顔色を伺わずに注文できるのは、ありがたい」
 と思っている人もいるだろう。
 これは、パンデミックの対策として、
「マスク着用」
 が、半強制的に言われるようになってからも、言われ出したことだったのだが、
「マスクをしていると、他の人から人相や、感情を読み取られることがないので、気が楽だ」
 という人もいる。
 以前であれば、
「表情が分からないと、相手が何を考えているか分からないので、怖い」
 と思っていたはずなのだ。
「自分が怖いと思っているのであれば、相手も怖いと思っているはず」
 ということが分かっているのであるが、本当にそうなのであろうか?
 実際にマスクをするようになって、相手の考えが分からないと、確かに不安にはなるが、こっちが何を考えているかを相手も分からないのは、確かに気が楽だった。
 以前であれば、人によっては、表情が微妙な人は、笑っているつもりもないのに、上司と話をしていて、
「何笑ってるんだ。もっとまじめにしんあいとダメじゃないか」
 と言われたりしたものだが、本人には、そんなつもりはまったくないのだ。
 しかも、そんな表情は自分だけでなく、若い連中は結構そういう表情になっていたりする。年配の上司からすれば、たまらないことであったが、それだけ、人のことが簡単に信用できない時代になってきたことの裏返しなのかも知れない。
 確かに、人のことが簡単に信用できない時代になってきた。
 だからこそ、詐欺が横行してきたり、個人情報やプライバシーなどを尊重するために、
「個人情報保護法」
 などができてきたり、
 人のことをつけたり、余計な情報を自分から収集して、相手を自分のものにしたいというようなストーカーのようなものが流行ってくることで、
「ストーカー防止法」
 などができたりしたのだ。
 最近では、会社などで昔から問題になっていた。上司による、他愛もない一言や態度が、部下を苦しめたりしていたことで、
「ハラスメントの防止」、
「コンプライアンスの強化」
 などという問題が増えてきている。
 この側面として、
「男女雇用均等法」
 というものが、根底にあるのかも知れない。
 そこから、上司のセクハラ問題であったり、パワハラ、そして、モラハラなどというのもどんどん出てきて、今では上司が肩身の狭い思いをしている自体に陥ってしまっている。
 上司が取りまとめて、皆を引っ張っていくのが仕事なのに、ちょっとしたアドバイスや気分転換のための世間話であっても、
「課長、それセクハラです」
 などと言って、部下は、上司の小言を聞きたくないので、コンプライアンス違反を必死で探している。
 だから、最近のセミナーや研修は、結構頻繁に行われているようだ。
 それも、実践に役立つものだけではなく。コンプライアンス、個人情報保護、著作権などの法律に絡めての、今では常識になっていることを、再認識させるということでのセミナーや講習会が多いのだ。
 今回のスマホの研修も、どうやら、
「操作方法」
 というよりも、
「スマホを使って、コンプライアンス的にどういうことができて、どういうことがダメなのかということを、考えるセミナー」
 ということであった。
 それは、若者にとっても、年配の人の考えを知るという意味でも、真剣に聞ける内容なのではないだろうか?
 正直、若者に、いまさらスマホの操作方法などレクチャーしても、
「そんなのは、最初から分かっているさ」
 ということになるのが、関の山であった。
 そういう意味で、普段使っているスマホが、どのように活用できるのかということを知る方がいいのではないだろうか?
 それを考えると、今回のセミナーは、
「出る価値があると思うぞ」
 と、部長が言っていただけのことはあるんだろうと感じるのだった。
 その会場があるのが、この、
「F県K市」
 である。
 畠山が、通っていた大学があった街だった。
 毎日というわけではなかったが、ほぼ毎日通った車窓だったので、本来なら懐かしさだけなのだが、それからまったく景色が一変したことで、懐かしさとは違う環境になったのだった。

                 パチスロ

 セミナー会場にいくと、まず受付を済ませ、会場入りした。会場は、テーブルに椅子という形のところで、横3列、縦に10列くらいで、テーブルにはパンデミックもあるので、両端に一人ずつということになっていた。
 だから、セミナーの上限は50人ということであったが、畠山が到着したのは、ちょうど開場時間の、せみあー開始、30分前で、まだ、数人しか来ていなかったのだ。
 最初から来ていた人は、皆ビジネススーツを身にまとい、男女ともに、落ち着いて見えた。
「セミナー経験が豊富なのかな?」
 と感じたが、きっと、そうなのだろう。
 実際に会場入りすると、早く来ていた人は、申し合わせたわけではないのだろうが、皆前から詰めていく。したがって、後から来た人は、自然と前から詰めるようになるので、最期に席が埋まった時、大体どの順番で入場したのかということが分かるようになっているようだ。
 最初は、7人くらいが、待っていた。
作品名:必要悪と覚醒 作家名:森本晃次