小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

後悔の連鎖

INDEX|12ページ/23ページ|

次のページ前のページ
 

 しかし、その二つを一緒にして考えることはなかった。一緒に考えれば分かるはずだと冷静になれば分かるくせに、マヒしてしまった感覚では、分かりっこないのだった。
 そんなことを考えていると、
「やはり、別れるべくして別れたんだろうな?」
 と思った。
 しかし、
「二人が出会わなければよかった」
 とは思わない。
 結果として別れることになったのだが、好きだったという思いに間違いはないし、彼女もそうだったのだろう。何と言っても、結婚するという意思はあったのだから。
 そこまで考えてくると、
「結婚を考えた時点から変わっていったのだろうか?」
 とも思えた。
 本来であれば、結婚を考えた瞬間から、劇的に何かが変わらなければいけなかったのではないか?
 それが分かっていないということが、今度の場合の一番の間違いであった。それを、
「甘かった」
 という一言で片づけていいものかどうか、そこは難しいところであるが、やはり、何かを感じなければいけなかったことに変わりはないに違いない。
 結婚ということになると、何が一番大切なのかを考えなければいけなかったのだろう。
 彼女はそのことに気づいたが、男の方が、まったく考えようとしない。それまで頼りにしていた分だけ、男に覚悟がないと分かると、
「裏切られた」
 と感じるのかも知れない。
 もしそうであったとすれば、その時点から、明らかに二人はすれ違ったのであって、彼女は自分のプライドと女性としての性から、
「相手に自分の気持ちを悟られないようにしよう」
 と思ったのかも知れない。
 マスクを外すことによって、性犯罪が増えるという理屈も、ゆっくり考えれば分からなくもない。
「抑えていた性欲が爆発する」
 というのが、一番の理由だ。
 だから、パンデミックが収まっても、女の子は怖くてマスクを外せないのだ。
 そういえば、パンデミックの最中、ラジオで不謹慎なことを言っていた人がいたのを思い出した。
 リスナーから来たハガキにこたえる形だったので、それほど悪気はなかったと思われるのだが、相談として、
「今は宣言が出ているので、表になかなか出られなくて、悶々とした生活をしている」
 というようなことではなかっただろうか。
 そこに答えた内容として、
「今は我慢しておけばいいよ。そのうち、女の子がお金がなくなって、可愛い子でも、風俗で働くようになる」
 というような内容ではなかったか。
 正直、リスナーに答えたという意味では、言い方の問題はあっただろうが、その後、その人はテレビ番組の、
「降板要求」
 を放送局に要求するグループがあったり、その降板のために、署名を集めている人もいたりと、
「本当に必要なのか?」
 とも感じた。
 もっとビックリしたのは、同じパンデミックの時、日本オリンピック会長が、
「女性は話が長い」
 というような言い方をしたので、それがm女性蔑視だということで、大問題になり、結果、委員長を辞任するということにまで発展したことがあった。
 最初に聞いた時、ちょっとした違和感は確かにあったが、ここまで大げさに、一人の人間を叩き落すまでのことだったのかと思うと、実に、
「日本って、平和なんだな」
 と、思わずにはいられない。
 これが、男女平等のつけなのかも知れないと思った。
 前者の発言も、
「本当に女性蔑視になるのだろうか?」
 と感じるのだ。
「では、風俗で働いている女性は、皆、恥ずかしい職業に就いているとでも言いたいのか?」
 と思うのだ。
 借金のために仕方なくという人もいれば、目標を達成させるために、お金が必要だという人もいるだろう。そういう人は、きっと、誇りを持って仕事をしているはずで、
「風俗で働く女の子にかわいい子が増える」
 と言った言葉に対して、
「じゃあ、今働いている子は、可愛くないというのか?」
 という文句であれば、出てきても当たり前だと思うが、風俗で仕事をしようとしている人の話をして、
「女性蔑視だ」
 というのであれば、それは筋が違うのだと思う。
「お前は、何様のつもりなんだ」
 と言いたい。
 それは、委員長を辞めさせた連中だって一緒だ。話が長いということを、悪いと言ったわけではない。話が長いから、自分が大変だと言っただけで、それをいかに捉えれば、話が長いという言葉を女性差別だというのだろう?
 冷静に考えれば、それくらいのことは分かりそうなものなのに、それを分からないのは、きっと、
「集団意識のなせる業」
 なのだろう。
 一人で、集団で攻め立てれば、攻められている方が悪いと思う。それが、一種の集団意識というものではないだろうか?
 特に最近は、女性差別など叫ばれているので、余計に、ちょっとしたことが大事件になったりする。痴漢などの冤罪が増えるのも、同じことではないだろうか?
 これらの裏の問題において、すべて、根っこは一つのところで、一緒なのではないだろうか?
 そんな状態において、今まで嵌めていたマスクを外すというのは、恐ろしいものだ。
 女性の中には、
「今まで、人に自分の気持ちを読まれなくて済んだのに、今度は読まれると思うと気持ち悪いから、マスクを取る気にはなれないわ」
 と言っている人もいるが、それは正解である。
しかも、もっと深い意味で、リアルなところで恐ろしいものを回避できるというわけである。
 それが、男の欲望からの回避である。
 確かに、心を読まれるのは、精神的にきつい。しかし、男は心というよりも、最期には身体なのだ。
 特に、それまで抑止してきた性欲が爆発すればどうなるか。本当に恐ろしい。
 パンデミックになる前であれば、
「性欲が溜まってくると、風俗で発散させればいい」
 と思っていた人が、
「三密を避けないといけない」
 ということで、風俗にさえいけなくなってしまう。
 女の子から、
「また来てね。待ってるわ」
 と言われても、さすがに今のこのご時世では、そう簡単に行けるわけはないし……。
 そう考えると、はけ口がまったくない状態である。
 そうなると、下手をすると、見境のない人が出てこないとも限らない。
 マスクをしているので、いくら性欲が溜まっているとはいえ、相手の顔も分からないのに、襲うというのは、と考える。
 そもそも、襲うということは、密着するということである。同じ密着するんだったら、風俗に行くのと何が違うというのだろう?
 その方がよっぽど平和ではないか。
 しかし、ストレスが弾けてしまうと、抑えが利かなくなる。ある意味、
「風俗では、もう我慢できない」
 という妄想に駆られる人も出てくるだろう。
 ここまで抑えたんだから、今までと同じ発散方法では、我慢できるはずもない。そうなると、犯罪だと意識していても、身体がいうことを利かないという人も出てくるに違いない。
 そういう意味では、ラジオで話をしていた人の言葉は、実に的を得ているわけで、ある意味、
「犯罪抑止」
 というものに、一役買っていると言ってもいいだろう。
 そのことに気づかないのは、言い出しっぺが女性だからなのかも知れない。
 女性蔑視だと言って、男性をやり込めようというのは、ある意味、
作品名:後悔の連鎖 作家名:森本晃次