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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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紫に暮れる空 探偵奇談25 後編

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気丈に振る舞っていた美捺だが、やがて生気を失い、存在意義を失い、教室に座っているだけの置物のようになっていった。もうやめろよ、いい加減にしろと注進した生徒達もいた。
しかし、もうやめられなかった。やめたものには制裁があるのは明白だった。このようなコミュニティにおいて、裏切りは絶対の悪なのだ。

そして。
坂道を転がるスタートの合図を出した恵麻は。
最後まで全うする義務と、やめるのであれば相応の理由と次の悪意の行先の準備が求められた。

ある日、美捺は登校しなかった。親や教師にしゃべってたらやばいな、という程度の気持ちでいた恵麻だったが、その日の夕刻、校舎から彼女が飛び降りたという一報を聞いてから世界は一変した。

誰のせい?
誰がはじめた?
わたしじゃない。
恵麻でしょ。
うちらは知らない。
女子がやってたんだって。
いじめはあった。
主犯は恵麻だから。
あたしは本当は嫌だった。
わるいのは恵麻だ。
最低。
人殺しじゃん。

恵麻は一連の騒動の中心にいたと幾人もの生徒に証言された。遠巻きにされ、手のひらを返され、居場所はもうなくなった。

家にかかってくる電話。両親の会社にまで嫌がらせ。

あんたはなんてことをしたの。
どうしてくれるの。
どうやって償うの。
人を死に追いやって。