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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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紫に暮れる空 探偵奇談25 後編

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どこにいても、誰といても苛まれた。葬儀にも行けなかった。当たり前だ。恵麻が殺したのだから。

そして美捺は、夜ごと恵麻の部屋に現れて恨み言を言う。眠りを妨げる。忘れることも逃げることも許さないと。

部屋だけではない。
学校にも、街角にも、鏡の中にも、風呂の湯の中にも、美捺は時間や場所を選ばず現れる。

「そんなつもりじゃなかった」

じゃあ一体どんなつもりで、自分は彼女を責め苛んだのだろう。その明確な理由を、血まみれで現れる美捺に答えることさえできない自分は、もうこの先の人生で、笑うことも、楽しむことも、幸せを望むことも許されない。死ぬのは怖い、でももう、どう生きていいかわからず、恵麻はゆっくりと壊れていった。


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