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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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紫に暮れる空 探偵奇談25 前編

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『同級生から執拗ないやがらせか』
『学校側の隠ぺい』
『第三者委員会設置』

そんな単語が並んでおり、瑞は眉根を寄せた。日付は半年前になっている。

「なんか、このいじめの主犯が岡崎とかって…」
「やめろよ、こんなこと」

殆ど反射的に、瑞は言い放っていた。教室に沈黙が落ちる。ものすごく嫌な感じだ。この雰囲気も、遠巻きに恵麻を見ている連中も、ニュースの内容も。恵麻は後ろの席で顔を俯けて座っている。表情は見えないが、肩が小さく震えていた。

「なにこれ…」

隣に立ち尽くす郁の顔面が蒼白だった。

「チャイム鳴ったぞ。さっさと座れ」

沈黙を破ったのは教室に入って来た紫暮だった。生徒らは慌てて席に着く。郁は足が動かない様子だった。美波が背中を軽くたたくと、はっと慌てたように後ろの席に駆けていく。

「あれ、先生、一限は古文じゃ…」
「田神先生が体調不良で欠席だから、一限は自習。小テストを預かっているから、出来たらもってきて、受かった人から好きな教科の自習をしていい」

兄は淡々と言ってプリントを配布する。いつもと違うクラスの微妙な空気を感じ取っているとは思うのだが、いい意味でいつも通りだった。

(いじめ?自殺?主犯?)

瑞は古文を現代語に直す作業を続けながら、先ほどのネットニュースを頭の中でぐるぐる回す。自殺者を出したいじめの主犯が、恵麻だって?