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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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紫に暮れる空 探偵奇談25 前編

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伊吹の言葉を聞いた恵麻の横顔は、心を打たれたような驚きと、どこか安堵したような感情が入り混じったような色を浮かべていた。

「…明日もまた、見学させてもらっていいですか?」
「もちろん。待ってます。今日はもう遅いから、気を付けて帰ってください」

はい、と答え、恵麻は深々と頭を下げた。

「岡崎さん、一緒に帰ろう!あたし戸締り係だから少し待っててもらっていい?」
「う、うん」

少しだけ、彼女の内面に触れられた気がした。郁は嬉しかった。

「須丸くんお疲れ~!」
「お疲れ」

瑞に声を掛ける。郁の背にいた恵麻と目が合うと、彼は不自然にツイと逸らした。そんな彼に恵麻がため息交じりに声を掛ける。

「…もういいよ、下着見たくらい。怒ってないし」
「ぎゃあ!!!!」

はあ?と伊吹が瑞を振り返る。氷の様に冷たい視線を瑞に送っている。

「…何したって?おまえ」
「誤解です先輩!!」
「ちょっとこっち来なさい?瑞」

兄にもにこやかに手招きされ、少しかわいそうになった。あれは事故で不可抗力です、と口添えしようと思った郁だが。ちょっとラッキーと思ってるんじゃないの、と急に腹が立ってきて助けるのはやめた。


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