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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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紫に暮れる空 探偵奇談25 前編

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「早く帰れよ」
「…はい」

立ち上がる。早々に立ち去ろうとするのを、教師は許さない。

「俺らはここからバスだけど。きみもここでバスを待っていたんじゃないのか」
「………」
「家はどこ」
「…いいじゃん、どこでも。もう、ほっといて」

あのなあ、と教師は呆れたように言う。

「さっきみたいなことになったらどうするんだ」
「………」

家には帰りたくないし、誰とも関わりたくない。どうしていいかわからない。挙句変な男に絡まれて、教師に怒られている。もう嫌だ。どうしてこんなことになるんだろう。

「帰りたくないんだもん…」
「…なんで。理由があるなら言って」
「………」

言ったところで、どうにもならない。

「兄ちゃん…ジドーソーダンジョアンケンとか、そういうんじゃないの」

ミルクティーの髪の男子生徒が言う。兄弟なのか…。
虐待をされていて、家に帰るのを嫌がっていると思われているようだ。

「そーゆうんじゃないから…」