小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

夜が訪れるとき 探偵奇談24

INDEX|20ページ/26ページ|

次のページ前のページ
 

「閉じ込めて、意地悪なことして、絵だからいいだろうって身勝手な感情をぶつけて。あんたには何の力も権限もない。彼女は帰るべき場所に帰る。あんたの身勝手な感情の押しつけはもうおしまいだ」

だんだんと、瑞の言葉に力と感情がこもってくる。瑞は怒っている。

「あんたにこそ救いなんてないんだ。一生そうして恨んで憎んで、一人ぼっちでいればいい。生身の人間には何も出来ない癖に、この卑怯もんが!!」

ものすごい剣幕でそう怒鳴ったかと思うと、瑞は紫暮の目の前で思い切りかしわでを打った。ものすごい音がして、一瞬紫暮の身体がふらついた。そののち拳でドンと胸を突かれたかと思うと、ふっと身体が軽くなった。嘘のように、まとわりついていた気だるさや不安感が消えた。

「…明日俺も、その絵を見にいくから。今日のところは寝て」

そう言うと瑞は電気を消し、さっさとベッドにもぐりこんでしまった。紫暮はしばらく立ちすくんでいたが、ありがとうとそれだけようやく言った。


「…ばあちゃんにも、ちゃんとお礼言わなきゃダメだよ」


扉を閉める直前に、瑞がそう呟くのが聞こえた。








.