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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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夜が訪れるとき 探偵奇談24

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「…もう最っ悪!怖すぎ!」

瑞は髪をぐしゃぐしゃとかき混ぜながら怒りを露わにしていた。それは紫暮がいま見ていた不気味な夢のイメージを払拭するほどの怒り方だった。
しばらくの間、瑞は息を整えることに集中しているようだった。やがて落ち着いたところで、静かに口を開いた。

「そいつ誰なの」

弟は前置きもなしに突然言い放った。怒っている。紫暮の背後に何か見えているかのように、そちらにしきりに視線をやっている。

「兄ちゃん変だよ最近。何かに魅入られて抜け出せなくなってる。帰れない帰れないってブツブツ呟いてるし」

そんな自覚は全くなかった。しかし身に覚えがある。

「あの女がついてきてるのか…」

紫暮が呟くと、瑞は「はあ?」と顔を歪めた。

「女じゃなくて男だよ。誰なのそいつ。どこから持ってきたの」

男…?

「興味もつなって、俺言ったよね?こういうのは、知らんぷりしなきゃだめなんだ。興味をもったらついてくる。一体何に魅入られてるんだよ」

紫暮はベッドに腰掛け、これまでのことを包み隠さず話した。瑞は一点をじっと見つめたまま微動だにせず聞いている。今見た夢の話をすると、俺も見たと瑞は答えた。同じ夢を見ていたというのか。瑞のするどい霊感が、紫暮の抱える問題に引っ張られているのかもしれない。