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二重人格の螺旋連鎖

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 と感じたのだが、案の定、今の関係者に、いろいろな裏事情に関わっている人がいて、殺された男の身辺について警察に話したのだ。その中で明美の名前も出てきたということだ。
 殺された取り巻きの男は、明美のところにいる頃から、裏の世界と通じていたようだ。
 まさに、彼のことを、
「現代の禿」
 と呼ぶ人もいるようで、
「あいつの前ではうっかりしたことは言えない」
 と、皆ウワサしていたのだった。

                 ラブホの死体

 ラブホで一人の男性の他殺死体が発見された。発見したのは、ラブホの清掃員で、お客が帰ってから、次の客が入るまでの間、清掃を行う人である。
 部屋から、フロントに、
「帰ります」
 という連絡が入り、フロントが、そこで初めてオートロックを解除する。
 このやり方は、ラブホであれば、ほぼ、どこでも同じであろう。もちろん、入室までは、いくつかのパターンがある。1階(あるいは別の階)にある、タッチパネルで、空室満室を確認し、ランプがついている部屋が空室ということで、そこを選んで、ボタンを押すと、部屋のオートロックが解除になり、その間、客はエレベータ等によって、当該の階までいき、部屋を開けて入室する。入室すれば、そのままロックがかかるというわけだ。
 これも基本的には変わりないが、中には、料金先払いのホテルでは、フロントで対面式でお金を払うところもある。
 もちろん、その時は、お互いに顔が見えないようにしているだろうが、人によっては、無人で入れる方がいいと思っている人の方が多いことだろう。
 部屋に入ってロックがかかるのは、基本的には当たり前のこと、料金後払いであれば、ロックを掛けていないと、未払いで帰られてしまう。また、退室時に連絡がなければ、いつ帰ったのか分からずに、清掃をいつしていいのか分からず、部屋が客もいないのに、満室状態が続くことになるからだ。
 昔であれば、(今もあるのかな?)料金の支払いに、エアシューターのようなものが使われているところも結構あり、ポピュラーな支払い方法だった。中には、入った時間を機械が読み取り、退出時に、まるで駐車場の退室方法のように、時間でいくらというような最後まで店の人と対面することなく済ませられるところもある。
 もちろん、オーソドックスに、帰りのフロントでお金を払うところもあるかも知れないが、それこそ、逃げられる可能性もあるだろうから、実際にそんなホテルがあるのかどうかは分からない。
 これが、基本的にラブホテルにおける入退室のパターンである。
 当該ホテルは、タッチパネルからの入室で、最後には自動支払機で払うという、ポピュラーなやり方だった。
 それともう一つ、最初にロビーで前払いではない場合、部屋に入ると、フロントから電話がかかってくる。入室の確認と、ホテルの簡単な説明である。
 というのも、ラブホテルには、サービスタイムなるものがあり、例えば、早朝の6時から、夕方の6時までの最長12時間、同じ値段というものだ。基本的な3時間よりも少し高いが、12時間いた場合は完全に格安である。これを利用する人も少なくはないだろう。
 だから、入った時に、客の方から、
「サービスタイムで」
 といえば、サービスタイム料金の支払方法を教えてくれたりするのだ。
 この客は最初、男性一人の客だった。基本的にはラブホテルなので、男女1組が入るというのが常識だが、最近は、男性一人という方が一般的だということもある。ちなみに、今は分からないが、昔は、
「女性一人はお断り」
 というのが一般的だったという。
 なぜなら、
「自殺の可能性があるから」
 ということであった。
 昔は。女性一人で自殺をするのに、ラブホを使ったというそんな暗黒の時代があったのだろうか?
 ただ、男性一人の場合は別に何も言われない。特に、ここ20年くらいは、男性の一人入室というのが増えている。それは性風俗の多様化が顕著になってきたからだった。
 そう、ここまでいえば、たいていの人は気づくであろう。いわゆる、
「デリヘル」
 というものの台頭である。
 デリヘルというのは、自宅に女の子を呼ぶのが、元々は一般的だったが、最近では、ラブホテルに呼ぶのも多いだろう。個人情報という観点からなのか、それとも、近所の目を気にしているからなのか、ラブホにとって、デリヘルでの利用はありがたいに違いない。
 デリヘルを呼ぶのも、いろいろなパターンがある。一番ポピュラーなのは、
「男が最初に部屋に入り、入った部屋番号を、電話で女の子あるいは、デリヘル会社に連絡する」
 というやり方だ。
 入ってから連絡をしないと、ホテルのどの部屋が空いているか分からないからである。
 実際にホテル街というのは、都市部には、いくつか存在していて、その中であれば、それほど移動距離もなくて済むので、そのあたりで、ウロウロしている女の子もいるだろう。
 逆に、事務所の待機室に数人のデリヘル嬢と一緒に待機していることも少なくはない。何と言っても、店舗型の風俗店であれば、その日の勤務時間は、その部屋を割り当てられているので、客が入らない待機時間は、一人でその部屋を使える。だから、他の女の子と会うこともなかったりするだろう。
 しかし、デリヘルの事務所などでは、待機室はそんなに広くなく、事務所の奥の普通の会社であれば、小さな会議室程度の部屋があてがわれることになるだろう。人数としては、4,5人というところであろうか?
 そして、社員も数人は必要だ。オーナーはもちろんのこと、事務受付などの社員。さらに、女の子を送迎するための運転手が、2、3人というところであろうか?
 店舗型であれば、女の子が部屋にいて、お客さんが来てくれる形だが、何と言っても、デリバリーなのだから、配達するには、車が必要というわけだ。
 そう考えれば、デリヘルというのは、大きな部屋を借りるというわけではないので、部屋代は少なくて済むが、デリバリーをするための運転手の人件費を考えると、果たしてどっちが得なのだろうか?
 と考えてしまうのだった。
 ちなみに、桜井はデリヘルを利用したことはない。もっぱら、ソープばかりだった。
 一番の違いは、
「デリヘルには、本番がない」
 ということである。
 ソープの場合は、基本、本番行為まであるので、本番まで求めるなら、店舗型のソープを使うしかないというわけだ。
 さて、デリヘルと店舗型の店のもう一つ大きな違いというところで、
「営業時間」
 というものがある。
 デリヘルの場合は店舗を持っていないので、基本的に、24時間営業が可能である。しかし、店舗型のソープやヘルス、トクヨクなるものは、
「深夜営業はできない」
 ということになっている。
 風俗における、
「深夜の時間帯」
 というのは、午前0時から6時までのことである。
 だから、店舗型のお店で、早朝営業をしているところは、どんなに早くても6時からで、閉店も、午前0時までと決まっている。
 したがって、入店には、女の子とのプレイ時間を午前0時から差し引いた時間での入店にならないと、風営法違反になるということである。
作品名:二重人格の螺旋連鎖 作家名:森本晃次