小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

起きていて見る夢

INDEX|2ページ/25ページ|

次のページ前のページ
 

 という発想にいたるのだ。
 それが、時空の歪みであり、その歪みが、タイムトラベルを可能にするという考えもあるのではないだろうか。
 昔から、アニメなどで、タイムトラベルというと、歪んだ空間が発想される。その時にイメージされるものとして、まるで身体の中のような、内臓の中を移動しているように見えるのは、歪みを表していて、中には、サルバドール・ダリの絵のような、
「歪んだ時計がたくさん、歪んだ壁にへばり付いているというイメージ」
 があるのだ。
 歪んでいて、生き物の中を進んでいくイメージは、いかにも、
「カーブになったグラフを連想させるものだ」
 と言えるのではないだろうか?
 タイムトラベルのカギは、やはり、究極のところ、時空の歪みにゆだねられることになるのだろう。
 タイムトラベルの場合は、理論的なことが、パラドックスとなって、人類への挑戦となっているが、ロボット開発の場合は、開発を行いながら、実際に証明されてきたこと。それは、かつて、小説家が提唱してきたものが大きかったりするのだ。
 それが、いわゆる、
「ロボット工学三原則」
 と呼ばれるものであり、その最初は、
「フランケンシュタイン」
 の話であった。
 この話は、大まかではあるが、フランケンシュタインという科学者が、理想の人間を作ろうとして、怪物を生み出したとされる話である。
 この話が、いずれ、
「知能と強靭な肉体を持ったロボットが、いずれ、怪物となって、人間を襲ったり、支配したりするようになる」
 という、
「フランケンシュタイン症候群」
 というものを生み出した。
 それが、そのまま伝説のように語られるようになり、その解決方法とでもいうべき、
「ロボット工学三原則」
 というものを、提唱したのも、アイザック・アシモフという小説家であった。
 彼は、ロボットが人間に害を与えず、理想通りの動きをするために、ロボットの人工知能に、この三原則を組み込むことで、フランケンシュタイン症候群の恐れをなくそうとかが得ていた。
 だが、彼は小説家であるので、面白い小説を書くということが大切なので、この三原則を提唱したうえで、その矛盾を小説として描くという手法をとった。
 この三原則の最初は、
「ロボットは人間を傷つけてはいけない。もし、傷つくことを看過できたのであれば、それを見過ごしてはいけない」
 というものだ。
 第一条は大原則であって、しかも、見て見ぬふりをしてはいけないということでもあるのだ。
 第二条は、
「ロボットは人間のいうことを聞かなければいけない。ただし、第一条に背いてはいけない」
 つまり、ロボットは人間を傷つけるということ以外の命令は聞かないといけないということだ。
 第三条は、
「ロボットは、自分の身は自分で守らなければならない。ただし、一条、二条に背いてはならない」
 これも、当然のことで、ロボットは誰も守ってはくれない、自分の身を自分で守るようにしないと、せっかく、高額を使って作ったロボットに、簡単に壊れてしまっては、使用者としては困るのだ。
 ここで、この三原則には、大いなる結界ともいうべき、優先順位が存在する、もし、この優先順位が存在しなければ、矛盾だらけになり、せっかくの三原則が壊れてしまい、目的のフランケンシュタイン症候群の解決には程遠くなってしまう。
 これが、ロボット工学三原則と呼ばれるものだ。
 矛盾の一例として、
「ある星に地球人科学者数名と、ロボットが探索に行った時、人間に危害が加わる光線が発生し。最初はロボットに、確認するように命令したが、その科学者は最初それほど大事だとは思っていなかった。この光線はロボットにも危険があるので、ロボットは、人間に危害が加わらないことであり、そして自分が危ないということで、その命令に従わなあった。三条を生かしたのだ。しかし、人間はやっとその危険に気づき、ロボットに今度はきつく、排除するように命令したが、ロボットはもう従わない。ロボットに動いてもらわなければ、人間は全滅する。そこで考えたのが、捨て身の方法だった。つまり、敢えて人間が危険に晒されるということだ。そうすれば、ロボットは一条を守るため、自分を犠牲にしてでも、人間を助けるはずだというものだった。これが功を奏し、助かるのだが、紙一重だったことも、付け加える必要があるであろう」
 つまりは、優先順位に基づいてできてしまった問題を、優先順位で解決するというものである。
 さて、今度は、ロボット開発の問題として、大きな結界を持っているのが、
「フレーム問題」
 である。
 ロボット開発を行い、人工知能を埋め込んだのだが、ロボットは、その人工知能を使って動くのだが、その可能性の問題が、このフレーム問題であった。
 世の中には、無限の可能性がある、たった今も、無限の可能性の中から人tsyが選ばれ、できあがっている、次の瞬間にも無限の可能性、その次も無限の可能性、つまり、無限がさらに無限を呼ぶのだ。
 ロボットに対して、洞窟の前にいき、
「中に、燃料を入れた箱があるので、取ってくるように」
 と命令すると、ロボットがその箱を見つけ、持ち上げた瞬間に爆発し、ロボットはバラバラになってしまった。
 ロボットは、下にあるのが爆弾であることは分かっていたが、それ以上は想像がつかなかった。
 そこで、箱を持ち上げると爆発するということを組み込んだ知能にして同じことをさせると、今度は、箱の前で動かなくなったのだ。頭の中が思考で無限ループを始めたのだ。
 今度は、下の箱ごと持ってくればいいように頭脳を進化させたが、今度は入り口の前から、一歩も動けなくなった。
 つまり、ロボットは知能が発達する分、無限の可能性を考え始めて、まったくこの場には関係のないことまで考えるようになり、動けなくなってしまったのだ。
 そこで、今度は、いろいろな可能性を、パターンごとの引き出しに入れる形のものを開発しようとしたが、不可能であることに気が付いた。
「無限は、いくらパターンに分けたっとしても、パターンも無限にあれば、パターンの中の考え方も結局無限にある」
 ということである。
 つまり、
「無限を何で割っても、無限にしかならない」
 という発想であり、それが、パターンをまるで一つの枠として捉えるということで命名された、
「フレーム問題」
 というものである。
 しかし、人間や、動物は、それらのフレーム問題を意識することもなく、無難にやり過ごしている。
 動物などは、本能によるものなのか、遺伝子によって受け継がれた知恵がそこに存在するのか、条件反射的な本能が、備わっていることで、フレーム問題を意識させない。
 人間も動物と同じなのだろうが、さらに、そこに人間独自の知能があるようで、そこからプラスアルファの解決方法が生まれてくる。だから、いろいろなものを発明し、文明という人間独自のものを発展させてきたのである。
作品名:起きていて見る夢 作家名:森本晃次