小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

歴史の証明と、オカルト、SF系とのコラボ

INDEX|4ページ/24ページ|

次のページ前のページ
 

 自転車操業を行っている企業は、どんどん潰れていく。会社が潰れると、関連会社の零細企業はひとたまりもない。そうなると。それらすべてからの回収が不可能となった銀行は、潰れていくか、他のライバルだった会社と一緒になって、体力を持たせない限り、潰れるだけになってしまうのだ。
 合併したとしても、負債はさらに増えてしまうわけで、合併するリスクだってないわけではない。それでも、何とか試行錯誤しながらでも、改革をしなければ、このままでは、黙って潰れていくのを待っているだけになってしまうのだ。
 経営陣の頭が固いところは、合併にどうしても、踏み切れず、全社員を巻き込んでの、「タイタニック」
 になってしまったといえるだろう。
 そんな時代を、その数年前までの浮かれた時代を生きていた人間に想像できただろうか?
 実態のないものだと分かっていた専門家も少なくないはず。誰も警鐘を発しなかったというのは、集団意識のなせる業だったのだろうか?

                 パラレルワールド

 草壁少年が思い描いていたパラレルワールドというのは、まず、パラレルという言葉から、
「まるで末広がりのようなものだ」
 という発想であった。
 掌に扇子を持ち、能か狂言で踊っている演者が、パッと一気に扇子を開くところをイメージし、
「瞬時に広がる無限の世界」
 というものを思い浮かべたのだ。
 そこに。
「ワールド」
 という言葉を想像した時、無限の世界という言葉の被りから、
「可能性」
 という言葉を見出した。
 つまりは、
「瞬時に広がる、無限の可能性」
 それこそが、パラレルワールドというものだと考えていた。
 確かに、時間軸というものは、現在を中心に、時間の経過とともに、時を刻みながら、少しずつ進んでいくということになると、時を刻んだ瞬間に、現在は過去になってしまい、今まで直近の未来だったものが、現在となるのである。これを目の前の未来を考えた時、そこには無限の可能性が広がっていることに気づいたのだ。
「可能性が無限にあることで、次の瞬間、自分に何が起こるのか、想像がつかない。ある程度までは絞ることができても、絞った中での可能性だって、無限にあるのだ」
 と思ったのだ。
 これは、その頃には知らなかったが、後で知ることになる、
「フレーム問題」
 というものと密接に絡んでいるのである。
 これは、ロボットの研究開発を行っている人たちにとっては常識的な考え方なのかも知れないが、一般の人間には馴染みのない言葉である。
 というのも、
「人間は、確かに次に起こることを無意識にある程度まで絞って考えるので、予測しながら、次の行動を無意識に行うことができる」
 と言われている。
 しかしロボットに搭載される人工知能に、その、
「無意識の意識」
 を埋め込むことは不可能なのだ。
 というのは。あまりにも可能性が無限にあるからで、人間であれば、
「まったく関係のないことは考えなくてもいい」
 ということが分かるので、考えないで済むのだが、ロボット、人工知能には分からない。
 では、無限に広がっている可能性の中から、
「必要な部分だけを抜き出せばいい」
 という考えが生まれた。
 一つの枠に当てはめて考えることから、それを、
「フレーム」
 と呼んで考えようとしたのだが、よく考えてみると、数学的な問題として、分数を考えた時、分子が無限であれば、分母をいくつにしても、得られる答えは無限でしかないのだ。
 ということは、どんなにフレーム化しても、考えなければならない可能性は無限にあるということで、一切の解決には至っていないということである。
 だが、命あるもの。つまり、人間をはじめとした生物は、それらの可能性を無意識に捉えることができ、生存できている。それが、本能というもののなせる業なのか、遺伝子によって受け継がれてきたものなのか、ハッキリとは分からないが、それだけ、人工知能との間に致命的な距離があるということで、これが、
「人工知能を持ったロボットを作ることができない」
 という最大の理由なのではないだろうか。
 自分で判断を必要としないロボットであればできるのかも知れないが、ロボット同士の意思疎通や、人間に忖度するようなロボットは開発できないのが、必定といえるだろう。次の瞬間に広がる可能性が無限であるということの証明でもあるのだ。
 そんな目の前にある、
「巨大な壁」
 いや、
「巨大な結界」
 といえる世界が広がっているそんな状態のことを、草壁は、
「パラレルワールドだ」
 と思っていたのだ。
「もし、あれがパラレルワールドではないとするならば、あの世界のことを何といえばいいのだろうか?」
 と思って、いろいろ調べてみたが、言葉としては出てこなかった。
 ということは、
「科学の世界では、あの状態のことを、一つの過程として、認識してないということなのか?」
 と、考えたが、そうではないような気がする。もっと他のまわりを巻き込んだことが、一つの大きな状態として認識されていて、一つ一つの細かい状況を、いちいち名前を付けて分離しているわけではないともいえる。
 というよりも、この関係は、
「切っても切り離せないものだ」
 といえるのではないだろうか?
 そんなことを考えていると、今度は、実際に言われているパラレルワールドの存在が気になってきたのだった。
「パラレルワールドとは、ある世界(時空)から分岐し、それに並行して存在する別の世界(時空)を指しており、並行世界、並行宇宙、並行時空とも呼ばれているもので、SFの世界でのみならず、理論物理学の世界でもその存在の可能性について語られている」
 という風に定義されているパラレルワールドで、一番に考えることとして、
「時空というものがどういうものなのか?」
 というものであった。
 時空というものと、草薙少年の中で似たような存在として、ある意味紛らわしいと感じている言葉として、
「次元」
 というものがあった。
 この次元というのは、草薙少年の考え方として、
「同じ空間に存在しているのだが、そこには別の世界が存在しているのではないか?」
 という考え方で、一般的に、
「我々が存在している三次元が、縦、横、高さを持った立体であるということであり、もう一つ低い次元として、高さのない縦横だけの平面という世界が、二次元であり、そして、点や線といった世界しか存在しないものが、一次元という世界だと考えると、四次元の世界は、縦横高さに、さらに時間軸というものが加わった世界ではないかということが、だいぶ前から考えられている」
 ということだと思っていた。
 三次元から、二次元、一次元というものを見ることはできるが意識することはできない。平面である二次元に世界があるという考え方は、論理でしかないからだ。
 ただ、論理としてもどこまで証明できるかというのが難しいところで、ひょっとすると、
「一次元や二次元の世界を証明できれば、四次元の世界も解明できるのではないか?」
 あるいは、
「四次元の世界を解明できれば。一次元、二次元というものも解明するのは難しいことではない」