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歴史の傀儡真実

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「そんなことはない。軍は、インドに持っていかれたが、ここでは、アイヌ民族や、日本の今の戦国時代に飽き飽きしてしまっている武士たちを、密かにこの島に渡らせて、訓練させロシア傀儡の国に対抗しているというわけさ。アイヌの人たちで、北部にいた人たちは、半分、土地を追われる形で、南部に避難してきた。それを受け入れて、彼らを南部の貴重な戦力にしようとして、イギリス人の軍人が、本土から逃れてきた日本人と、北部ロシア人から逃れてきたアイヌによって、烏合の衆ではあるが、軍隊を組織したというわけさ」
 というのだった。
「この国においては、日本の本土とは考え方もかなり違っている。さすが西洋というところは、合理的な考えをするようで、話を聞いているうちにすっかり、イギリスが分かってきたような気がする。だが、私自ら軍を率いるわけにもいかず、かといって、外国語が分かる人もそんなにはいない。英語ができて、軍事面にも明るく、そして、普請事業に精通している人間ということになると、君に白羽の矢が立ったということになるね」
 と、彼はさらに続けたのだ。
「というと、言い方は悪いですけど、烏合の衆のような感じですか?」
 というと、
「そういうことになる。しかし、それはロシア軍とて同じこと、首都のモスクワから、ここまで相当な距離があるので、sの息も凍るような中を、軍を動かすのは、相当無理がある、しようとすると、一旦南に出てから、大陸を中央突破でもしないと難しいのだろうが、大陸には、明国があるし、もっと南に入ると、今度はイギリス、フランスの息のかかった国が存在しているので、大軍を動かすのは難しい。だから、やつらは、モンゴルを占領し、うまく言いくるめて、彼らを自分たちの傀儡の軍隊をして使おうと思っているんだ」
 というではないか。
「じゃあ、モンゴルの人たちは、使われた後に切り捨てられるというわけですか?」
 というと、
「そういうことになる。いいですか、やつらは民族性が違うんですよ。それくらいのことは兵器でやります。だけど、本土だってそうじゃないですか。戦になったら、容赦はないでしょう? それと同じですよ」
 というのだった。
 それを言われれば、そうである。相手を倒すためには、調略を巡らせて、裏切らせたり。主君に対しての謀反だって兵器でやる。戦術としての騙し討ちや、夜討ちなどもあるである。
 その頃になると、忍者も力を発揮するようになる。戦においての相手を探ったり、騙し討ちなども、立派な戦法だというわけである。
 理不尽といえば、農民などもそうであろう。途中から、戦に出るのは、武士だけということになったが、戦国時代は、農民も駆り出されるのが普通だった。
 戦争に行けば、プロでもないのに、殺し合いに参加させられる。しかも、足軽などのような、一番最初に突っ込んでいく、まるで、捨て駒のような存在である、しかも、戦争になると、田畑は荒らされる。作物はできない。それでも年貢は変わらないというのだから、これほど理不尽なことはない。
 さらに、戦で勝った方は、戦利品とばありに、兵士が勝手に、強奪、強姦などの悪党の限りを行う。これは、戦国時代、どこの国、どこの民族であっても変わりはない。まだ、武士道を重んじる日本は、まだマシな方ではないだろうか。
 大東亜戦争の時など、アジアで、さぞ残虐な行為をしたなどと言われているが、そんなものは、
「戦勝国が作ったフェイク」
 だといってもいいだろう。
 ベトナム戦争における、アメリカ軍、さらに輪をかけてひどかったのが韓国軍であった。
 韓国軍などは、
「米軍がやっているんだから、俺たちだって」
 というような考え方だったので、実にひどいものだった。
 そういう意味で、戦というのは、実際に始まってしまうと、それまでの理性も道徳観も吹っ飛んでしまい、本能のままに動くものだ。
 人を殺すことを何とも感じなくなるというのも恐ろしいもので、血を見ても、人が悲鳴を上げて死んでいくのを見ても、何も感じなくなるのだろう。
「殺さなければ殺される」
 という感覚と、
「どうせ、明日は死ぬかも知れないのだから、今日は何をやっても許される」
 という気持ちにもなるだろう。
 軍隊が厳しくそれを軍規で収めているので、本当に悲惨なことにはならなかったが。本当に気が狂った人だっていたことだろう。
 何しろ、戦争になって、その日が終われば、まわりには死骸だらけ。そんな中の異臭がする中で、食事をしたり、眠ったりするのだから、尋常な精神状態ではいられないに違いない。
 残虐行為に走ってしまう精神状態も無理のないことだとは思うが、
「米軍がしているんだから」
 という勧告軍の考えはいかがなものか。
 自分たちがやっているので、諫めることのできない米軍も、同じ穴の狢であることなのだろう。
 さて、この蝦夷地というのが、どうやら、途中で分断され、こちら側は、イギリスが後ろに控えていて。北の方では、ロシアという国が暗躍をしていて、しかし実際には、日本人とアイヌ人、そして、ロシア側は、モンゴル兵という、一種の、
「代理戦争」
 をしているということになるのだった。

                 烏合の衆

 よく、
「烏合の衆」
 という言葉を使われることがありますが、
「規律やルールに縛られておらず、ただ集まっただけの集団のことだ」
 と言います。
つまり烏といいう動物が作る群れは無秩序でバラバラであるということからきているのであり、
「統制の取れていない集団を、いくら、優秀な指揮官であっても、まとめるのは難しい」
 という見方もでき、または、
「目的や意識に乖離がありすぎて、いくら優秀な人を集めても、組織として機能しない場合」
 などのことをいう。
 だから、組織を形成する個人個人が優秀であるか、どうかはあまり関係ない。
「集団として組織されているが、それがうまく機能せず、期待していた状態にならないことをいうのが、烏合の衆だ」
 と言えるだろう。
 そんな烏合の衆と言えるのは、歴史上にもたくさん存在した。この時代にこだわらずに、現代までを考えると、結構たくさんいたのではないだろうか。
 集団が、烏合の衆を形成していたとしても、指揮官が優秀で、作戦がうまく機能することで、
「烏合の衆でも、勝利することができた」
 ということもあるだろう。
「戦は、時の運だ」
 と言われることもあるが。相手に恵まれることもある。
 相手は、こちらが烏合の衆であるということを、見抜いたとすると、何を考えるだろうか?
 もし、士気が高揚であれば、
「相手は烏合の衆だ。こちらが負けるわけはない。これも神のご加護が我らにあったといことだ。このまま一気に踏みつぶせ」
 という形での叱咤激励であれば、戦意はあっても、戦に出ることに、不安を感じている人にとっては、この叱咤激励は、これ以上のものではないだろう。
 しかし、
「相手はしょせん、烏合の衆だ。簡単にやっつけることができる」
 と指揮官がそう思ってしまって、集団の士気を鼓舞することもせず、ただ、部下にやらせていればいいなどと、タカをくくっていれば、寝首を掻かれるような結果になってしまう。そこにあるのは、
作品名:歴史の傀儡真実 作家名:森本晃次