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無限と矛盾~知恵ある悪魔の創造~

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「なるほど、よく分かりました。教授は本当に肝心なことしか言わないので、逆に、こちらも分かりやすいと思っていますよ」
 と、彼らはいうのだった。
 アンドロイドを研究していると、どうしても、引っかかってくるのが、ロボット工学三原則だったり、フレーム問題になるんだけど、そのあたりも、サイボーグという発想から考えてみると、分かってくるところもあるような気がするんだよ。今までは、ロボットというものを中心に考えてきたけど、足ボーグのように、元は人間で、人間の性質を残しながら、一番必要な部分を機会かするという発想だって昔からあったわけでね。そういう意味で、人造人間という言葉と改造人間という言葉が乱立して、よく分からない時代もあったと思うんだ。改造人間というと、人間の身体を基本にして、他の動物や昆虫の特徴を生かしたものにして、普段は人間の身体をしていて、人間の中に紛れ込む形で生活をしているけど、事が起こった時は、変身して従来の姿になるというものだね」
 と博士がいうと、
「そういう意味では、僕も昔のそういう特撮やアニメが好きだったので、今の先生と同じような発想になったりするんだけど、ロボットで合体や変身するというのが、結構主流だった時代があったけど、それも、今から思えば、合理性ということに関係しているのではないかと思えてきましたね。人間と同じサイズのサイボーグやアンドロイドというと、人間とロボットの間に挟まれていて、結構、その定義もしっかりしているように思うけど、巨大ロボットって曖昧な気がするんですよ」
 と研究員がいうと、
「それはそうだね、でm、それも理由があるような気がする。昔の特撮などでは、どうしても、実用化しにくかったり、その開発に対して、ネックがあったりすると、どうしても範囲や分類が曖昧になってくるんだろうね。だから巨大ロボットの合体や変身というのは、あくまでも、操るのは人間であって。ロボットが意思を持つという発想はなかっただろう?」
 と教授は言った。
「ええ、その通りなんですよ。今から思えば、どうして、人工知能を持った巨大ロボットがあまりいなかったのかって考えるんですけど、さっきお話に出てきた。フランケンシュタイン症候群という考えが、今も根強く残っているんじゃないかって感じるんですよね。だって、巨大ロボットに意思を持たれてしまうと、一旦反乱を起こされれば、抑えようがないですからね。もし、そうなると、ロボットがもし、人間に歯向かってくるようなことがあってはいけないということで、最初から自爆装置を身体に備えていて。それを押せば、ロボットは爆発するというような保険のようなものが必要になるでしょうね。もっともそれは巨大ロボットだけに限ったことではないと思うんですけどね」
 と研究員は言った。
「ロボット工学三原則には、人間のための三原則があって、それぞれに犯すことのできない優先順位がついている。それは、優先順位をつけておかないと、ロボットがその矛盾のために動けなくなるからなんだよね。こn場合の起爆装置を内蔵したまま、この世にロボットを送り出すというのは、最初から、フランケンシュタイン症候群ありきで、考えているということなんだ。さっきも言ったけど、フランケンシュタインというのは、実際にあった話ではなく、架空小説なんだよね、でも、これだけ長い間、誰もこの当たり前のことを前提として、フランケンシュタイン症候群に疑いを向けないということは、それだけその小説が、ショッキングな話として残ってるということで、誰もが疑う余地もないほどの鉄壁なものだったということなんだろうね」
 と、教授がいうと、
「ええ、まさしくその通りだと思います。フランケンシュタインというものが、今の世の中にもたらしたものとして、文明の発達というのは、いいことだけではなく、リスクを伴うということを示しているということであり、人間の発展への警鐘だといってもいいのではないでしょうかね。ちょっと格好つけすぎた話になってしまいましたけど、それだけ、ロボット工学三原則というのが、どれほど、ロボット工学へのしがらみになっているかということですよね。でも、それもひょっとすると、フレーム問題が解決すれば、おのずと、ロボット工学三原則の問題も解決できるような気がするんです」
 という研究員に対して、
「そうだね、私も同じことを考えていて、フレーム問題が解決すれば、ロボット工学三原則の問題も瓦解するだろうと思うし、ロボット工学三原則が、うまくロボットの中で機能すれば、フレーム問題も若干解決できる気がするんだ。なぜなら、どちらも人工知能が絡んでくるからね」
 と教授がいうと、
「僕は少し違った意見なんです。ロボット工学三原則というのは、そのすべてが優先順位によって形成されているので、途中で分割などできないことは分かるのですが、フレーム問題も、どこまで言っても無限なんです。それは広がる場合もそうなんだけど、狭まる場合にも言えることなんですよ。なぜなら、どんなに無限に割ったとしても、ゼロにはならないという発想からですね」
 と、研究員は言った。
「無限という言葉は、曖昧だけど、たくさんの意味のことを示していて、多角化しているといってもいいかも知れない。元々フレーム問題というのは、次の瞬間に広がる可能性が無限にあるものであって、その無限をどうすれば有限にできるかということを考えた時、数多い中のものをいくつかのオアターンに分けてしまえばいいのではないか? という発想があったと言われているんだけど、これは、すぐに違うということが分かる、もちろん、数学的な発想がなければできないことなんだけど、数学の計算で、無限のものは何で割っても無限にしかならないと言われているから、無限をどのように計算しても、無限は無限でしかないということなんだよね。これは逆に小さい無限というのもありで、一つのものをずっと割り続けると、いつになれば、ゼロになるかという発想に似ていて、どんなに何度も割ったとしても、ゼロにはならないんだよね。限りなくゼロに近づけることはできるけど、無限にゼロになることはないんだ。それと逆の発想で、ゼロで割るという、ゼロ除算という考え方があるんだけど、これは数学的には、やってはいけない計算方法と言われているんだよ。というのは、割った答えというのがあったとして、その数にゼロを掛けたものが、元の割られる数になるということなんだけど、ゼロには何を掛けても、ゼロにしかならないだろう? ということは、ゼロ割るゼロということになって、割る数と割られる数が同じ場合は基本的に答えは一でしかないんだ。そうすると、割り算とそれを証明するための掛け算が矛盾を起こすことになる。だから。ゼロ除算はやってはいけない計算方法だということになるんだよ。これだけのことを考えても数学や算数の不思議、あるいは、ゼロや無限というものの不思議ということを考えると、究極の考え方として。ゼロと無限というのは、まったく正反対のように思えるけど、本当は同じものではないか? と俺は考えているんだけど、違うだろうか?」
 と教授が長々と話した。
 研究員は、皆その話を何とか理解しながら聞いていたが、