架空小説の一期一会
地元に根差しているということで、何もスポンサーは一社である必要はない。あくまでも、地元に根差してさえいればいいのだ。
そして、今ではプロ野球でもたまにあるが、プロとアマの試合が行われるということである。
特に、天皇杯などのように、大学、高校からもエントリーができる大会に、Jリーグのチームも出ることができる。もちろん、シードされることにはなるのだが。
要するに、選手のレベルアップが目的なので、チームの優勝というよりも、そちらの方が優先されるということであろう。
最近ではプロ野球も、育成制度などもできて、育成や三軍は、学生との交流試合もこなしている。特に育成選手は、球団の支配下選手としての、公式戦には出れないので、そういう交流試合も行われることになるのだ。
もう一つは。選手の期限付きのレンタル移籍というのも、Jリーグは可能だ。
プロ野球の場合は、スポンサー企業との関係が深いので、なかなか難しいのかも知れないが、都市対抗野球のように、優勝チームがポストシーズンを戦う時に、他のチームから指名できるようにするというやり方も面白いのではないだろうか。
プロ野球も、結構歴史が長いので、マンネリ化しているところもあり、Jリーグに圧されるという危機感もあるのか、ここ二十年くらいの間にいろいろと改革があったりした。
まずは、プレーオフ制である。
これは、昔パリーグが行っていた、
「前後期制」
というのがあったのだが、これは、
「前期優勝チームと後期優勝チームがポストシーズンで争って、リーグ優勝を決める」
というものだった。
約十年ほどでなくなったが、そのなくなった理由というのが、
「前期優勝が、ダントツの強さでどこかのチームに決まってしまうと、それ以降の前期の試合は、消化試合ということになり、試合が面白くない」
というのが、表向きの理由であるが、実際には、
「消化試合になって、客が減ると、経営に影響する」
というスポンサーからの考えであった。
ただ、前期も後期も両方優勝した場合は、
「完全優勝」
ということで、プレイオフは行われなかったのだ。
だが、今もプレイオフというのが行われているが、それは、二シーズン制ということではなく、一シーズンの間に、優勝チームはもちろん、二、三位のチームも、日本シリーズに参加できる可能性があるということで始まった。
確かに、こうしておけば、以前の二シーズン制がなくなった時の懸念はなくなるだろう。
三位までに入ればいいということで、いくつものチームがシーズン終了まで争うことになるからだ。
しかも、ポストシーズンとして、試合があるのだが、上位のチームお球場で行うので、レギュラーシーズン+ポストシーズンの金が入ってくるのだから、上位でフィニッシュすれば、球団側は儲かるという仕掛けになっているのだ。
だが、この制度は、三位のチームが、勝率は五割にも達しないところが勝ち抜いてくる可能性もある、そうなると、見ているファンも白けてしまうというのが実情のようだ。
特に、昔からのファンは、
「こんな制度、やめればいい」
と思う人が多いだろう。
特にいつも優勝争いをしているチームのファンとしては、
「せっかく一年頑張って優勝しても、ポストシーズンの調子によっては、三位のチームがリーグ代表などとなり、
「下剋上」
と言われることもあるのだが、これは決して下剋上などではない。
あくまでも、
「敗者復活戦で勝ち残っただけだ」
というだけのことなのだ。
アメリカなどではチームが三十チームもあるので、同一リーグに、東、中、西地区とあり、三チームで優勝を争うわけではなく。ワイルドカードというものを持ったチームが出場することになる。
そのチームというのは、地区優勝の三チーム以外のチームの中で、一番勝率の高いチームが出てくることになる。地区が違うので、下手をすれば、他の地区の一位のチームよりも、勝率がいいということもあるのだろうが、何度もいうが地区が違うだけに、優勝チームがどこになったとしても、不公平をいう人はいないという形になっている。
それに比べれば、今の日本のプレイオフ制度、いわゆる、
「クライマックスシリーズ」
というものが盛り上がらないのも、無理はない。
なぜなら、テレビで放送もしないからだ。
特に最近ではプロ野球中継というのはほとんどない。
昔であれば、ゴールデンタイムと言われる午後七時から、午後九時くらいまでは、どこかのチャンネルで、放送していたものだ。
もっとも、全国的に人気があるチームの試合だけを映しているので、
「いつもいやらしいまでに、マスゴミに贔屓されるあのチームのファンは、野球を知らない人か、女か子供ばっかりだ」
と言われるくらいだった。
同一リーグであれば、敵チームの選手としてテレビに映るが、別のリーグであれば、何かの特集か、地元チームか、あるいは、地方遠征で地元に巡業してきた試合くらいしか、中継はしないだろう。
中継をしても、
「選手を知らない。チームも知らない。球場の観客はほとんどいない」
というひどい状態で中継をしても、誰も見る人などいないということである。
しかも、午後九時まで試合が終わらなかった時の問題もあった。スポンサーの威光によるのだが、三十分延長したりする。
その時、九時からドラマなどがあったりした時は、三十分番組が繰り下げて放送されることになり、昔のビデオなどでは、三十分の延長機能がついているものは、何とか録画をすることで見ることができるが、どうでなければ、予約録画をしていても、見逃すことになってしまう。
それは、主婦やドラマのファンからすれば、大きな苦情になってしまうだろう。
最近では、さらに、スポンサーの威光で、どうしても、イニングの途中にスポンサーのCMを流す必要から、
「せっかくのイニングの途中のイベントが見れない」
という苦情も起こってきた。
当然、勝利の後のヒーローインタビューの時間など見ることもできず、
「試合を最後まで見れるのがいい」
というファンの意見と、さらに、その頃から増えてきた。有料放送というものがむずびついたことが大きかった。
月々、数百円で、好きなチームのホームゲームを試合開始から試合終了後のインタビューや勝利イベントまで見ることができる」
という触れ込みで、視聴者を募集した。
ファンとすれば、選手目線であったり、自分の贔屓チームを、完全にサポートしてくれる放送なので、文句が出るはずもない。
さすがにビジターのチームのファンには、辛いが、それもホームの試合が、全試合の半分はあるので、十分に満足できる。
しかも、それぞれの放送局がタッグを組んで、
「プロ野球セット」
などという表現で、例えば、六チャンネル契約しても、三チャンネル分の契約料でいいというような組み方をするので、自分の贔屓チームの試合がビジターである時も見ることができたりした。
そのような、
「セット契約」
は、それぞれのテーマに特化した放送局で幾パターンも出来上がっていて、それだけに、
「有料衛星放送局」