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静岡のとみちゃん
静岡のとみちゃん
novelistID. 69613
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悠々日和キャンピングカーの旅:⑧霞ヶ浦・房総半島(茨城千葉)

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 3つ目は、九州山地の中核をなす大分県と宮崎県にまたがる祖母山系の主峰の祖母山から傾山(かたむきやま)までの、九州では一番か二番目に長い縦走路で、途中には4つのピークがある厳しい山行だったが、それ以上に達成感を味わうことができた。
 ひとり縦走で担ぐリュックは非常に重く、最初に登頂した祖母山までで、かなりの体力を使った。しかし、そこから見える縦走路全体とゴールの傾山に、改めて気持ちを高ぶらせ、途中で野営が必要な縦走が始まった。
 縦走路横の野営地にひとり、テントを立てて泊まり、簡単な夕食を作って食べた後は早々に寝袋に入った。かなりの疲れのためか、なかなか寝付けず、時より吹き寄せる風の塊や、深い山奥の暗闇への畏怖を昨日の事のように覚えている。そんな時に限って、鉈(なた)で切り落とされた腕が体を探し続けるような“山の恐ろしい話”を思い出すもので、怖さは倍増、いや3倍増だった。
 何回も目が覚めて熟睡できなかったが、翌朝、軽い朝食を取った後、縦走路の後半を歩き続けて登頂したのは傾山、そこから西に見えたのは、ここまで歩いてきた長い稜線の縦走路で、感慨深く、暫く眺めたことを覚えている。

 屋久島を除く九州の山の最高峰は九重連山の中岳の1,791mで、九州には高い山はない。加えて、山頂までのアプローチは比較的長くはないが、それでも、冬山登山の降雪の中で道に迷って引き返したことや、厳寒期はマイナス20度以下を体験した登山もあった。中部地方の山岳登山とは比較はできないにしても、決して甘い登山ではなく、手応えのある幾つもの登山を経験した。
 その後、400ccのバイクを買ってからは、登山よりツーリングに夢中になり、登山からは次第に足が遠退いていった。