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静岡のとみちゃん
静岡のとみちゃん
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悠々日和キャンピングカーの旅:⑧霞ヶ浦・房総半島(茨城千葉)

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 先ずは、涅槃像(ねはんぞう)に例えられる阿蘇五岳(あそごがく)の、顔の部分に当たる根子岳(ねこだけ)への日帰り単独行だ。
 それまでにも、「あしびきの会」のメンバーと登ったことはあったが、この日はひとりで早朝、アパートを出発し、国鉄豊肥線の一番列車に乗り、阿蘇カルデラの中の国鉄宮地(みやじ)駅で下車。
 そこからは長い道を歩いて、やっと登山口に到着。そして、いきなり急登が始まり、やっとのことで稜線に出た。そこは東西の分岐点で、西側にある最高峰の天狗峰までは幾つかのピークが続き、最後の厳しい登りと怖い鎖渡しがあった。
 登頂した天狗岩から西側には、さらに険しい根子岳の連続したピークが見え、涅槃像の首の部分にあたる日ノ尾峠の先にはどっしりとした最高峰の阿蘇の高岳(標高1,592m:ひごくに(肥後の国))、その奥には阿蘇の中岳からの噴煙も見えた。
 山頂からの景色を堪能してからは、登ってきた道を引き返して分岐点へ戻り、更に東側に進み東峰へ。その南面の大戸尾根を下りながら、最後は牧場の端を歩き、牧歌的な雰囲気を味わった。
 そこから国鉄高森線(当時)まで歩いた。帰路の列車では睡魔に襲われたが、無事にアパートに戻ることができた。
 厳しい単独行の登山に加え、かなりの距離を歩いたハードな日帰り登山だった。

 二つ目の登山は、「あしびきの会」のメンバーで登った大分県南部の万年山(はねやま)と涌蓋山(わいたさん)の2泊3日の山行だ。この涌蓋山は大分県側からは玖珠富士(くすふじ)、熊本県側から小国富士(おぐにふじ)と呼ばれる秀峰で、九重連山から西側に離れた独立峰だ。
 万年山のテーブル状の山頂からの展望は殆どなかったが、下山の途中にあった椎茸の集荷場で、ものすごい量の椎茸を安価で入手できた。その日のうちに、涌蓋山の麓まで移動。そこには工事現場の小屋があり、許可を得る手段が分からないまま、そこに泊まらせてもらった。椎茸ご飯、椎茸味噌汁、焼き椎茸の椎茸三昧の夕食が今でも強烈な思い出だ。
 翌朝、涌蓋山の谷を直登してたどり着いた山頂からは、東側に広がる九重連山の雄大な景色に感動を覚えた。かなり長い尾根伝いに下山した後の、最寄りのバス停までの距離に愕然としながらも、疲れた足で懸命に歩き、最終バスになんとか乗ることができた。バスの中で安堵したことだけは、昨日の事のように覚えている。